ここまでにその禍々しい姿形、そして巻き起こしてきた不幸な災害・事件などをご紹介してきました。話の背景や内容はわかったけれど、実際にリョウメンスクナはどんな見た目だったのかを調べてみました。
ミイラ職人に作らせた見世物用のミイラ
とてもリアルなミイラの写真が、リョウメンスクナの頭部として紹介されている場合があります。これは頭が二つ繋がっているミイラです。これは石川県の寺に実際に保管されていて、実は江戸中期に発見された見世物小屋で使うためにミイラ職人に作らせた人工ミイラなんです。猿の頭を二つ繋げたものがとも言われています。
造形作家の前島氏の作品
一番多く出回っている写真は、造形作家である前島氏の作品の写真です。顔が二つくっついていて体は人魚のような形をしています。前島氏は前述した人工ミイラを参考にし、この造形作品を作り上げたと言われています。
8.両面宿儺を崇める日本
先にも説明したように、リョウメンスクナと両面宿儺は別の人物として捉えます。では、実際に歴史的な書物の中にも記載されている「両面宿儺」は現在の日本でどのように受け入れられているのでしょうか?奇形な姿で恐れられた都市伝説と英雄伝説を比べてみましょう。
奇形ながらにも英雄であった
姿形は同じで顔は二つあり手足も二本ずつの両面宿儺は、異形ではありながらも当時の朝廷には従わずに地域を守ろうとした。と言い伝えられていて現在でも美濃・飛騨においては敬愛されている存在なのです。実際に両面宿儺に関するモノをご覧いただける場所をご紹介します。
両面宿儺洞
岐阜県に存在する両面宿儺が住んでいたと言われている洞窟で、この洞窟の中で宿儺は37日間にわたり国家安全と五穀豊穣の御経を唱えたと言われいます。洞窟内の奥ノ院には宿儺の石像が安置されています。訪れる際には、事前に入場可能かどうかを調べておくといいでしょう。
- 住所:岐阜県高山市丹生川町日面1147
- 駐車場:あり(無料)
千光寺:宿儺像
千光寺は1600年前に両面宿儺が開山したと伝えられています。ここでは宿儺像を祀っている宿儺堂があり、独特な風格を持つ宿儺像をみることができます。その宿儺像は荒々しい心を表現した「憤怒」の表情と慈悲に溢れた心を表現した「柔和」が刻まれています。
- 住所:岐阜県高山市丹生川町下保1553
- 電話:0577-78-1021
善久寺:石膳
善久寺では宿儺が朝廷に反した事で追われる身となってしまい、村を出て行く際に村民が別れの宴を催したと言われています。その際に、贅沢な準備などで村民に迷惑をかける事の無いように寺の庭にある石を膳としてもてなしを受けたという「石膳」があります。
様々な伝承がある
残されている様々な史跡以外に、伝承として語り継がれてきているものを多く存在しています。岐阜県の中でも、飛騨位山、金山町の鎮守山、大日山の暁堂寺・日龍峰寺などではそれぞれ違う伝承が代々伝えられてきています。どれも英雄としてどのように地域に貢献してきたのかを伝える内容です。
9.リョウメンスクナくらい怖い洒落にならないお話
今回は、都市伝説として語り継がれてきた「リョウメンスクナ」について、呪いや恐怖、引き起こされる災害についてなどをご紹介しました。しかし日本にはそれ以外にも、同じように怖い都市伝説が存在しています。寒気を感じるような内容で読んだすが、詳しく読むかどうかは自己責任でご覧ください。