ハゼの種類はこんなにいる!毒持ちのツムギハゼの危険性や見分け方も!

ハゼを丸ごと使うことがほとんどだと思いますが天ぷらなど開いて使用することもあります。小さくて捌きにくいのでよく切れる包丁を用意してください。

捌き方を動画で見る

ハゼの腹開き、背開きの仕方を動画で一通り見てみましょう。

腹開き

  1. 包丁で鱗をとり、頭をおとします。最後まで切りきらずに少し残しておいて引っ張ると内臓も一緒に取り除くことが出来ます。
  2. 腹の方から骨に沿って包丁をいれます。刃先で小骨を切るように包丁を入れると良いです。
  3. 片面に残った骨を骨に沿って包丁を入れていきます。
  4. 尾の付け根部分で骨を切落せば完成です。

背開き

  1. 腹開き同様に鱗・頭・内臓を取ります。
  2. 背中の方から包丁を骨に沿って入れます。
  3. 開いた部分を底面にして残っている骨に沿って包丁をいれます。
  4. 尾の付け根で骨を切落して完成です。

骨を包丁で取りにくい方は片面だけ包丁を入れて開いて残りは指でしごいて骨と身をはがすようにしても出来ます。ただ鮮度が良いと身と骨が剥がれにくいので慎重に行ってください。

ハゼの仲間の種類をご紹介!

日本だけでも多くの種類がいるハゼです。すべては紹介できませんが、生息している場所に分けて一部ですが紹介していきたいと思います。また、危険なハゼの種類もいるのでそれも併せて紹介します。

ハゼの紹介その①汽水域に生息するハゼの仲間

夏のハゼは河口の海水と淡水が混ざった汽水域に集まってきます。。河口付近や、海辺の水路や港など海底が砂で出来ている場所ならばハゼを確実に狙う事が出来るでしょう。陸から狙う事が出来るので手軽に釣ることが出来ます。

汽水域のハゼ①マハゼ

特徴

一番ポピュラーなハゼの種類です。腹のヒレが一つになって吸盤のようになっているのが特徴です。20㎝前後まで成長しハゼの仲間では比較的大きな型のハゼです。河川の下流や汽水域の干潟や内湾に生息しています。若いマハゼは汽水域に生息していることもあります。寿命は1年しか生きないものや2年生きるものもいます。

食用の可否

鱗は薄く骨は柔らかく皮は独特の風味があり美味です。昔はよく捕れた魚でしたが河川の汚染や開発とともに減少しているので現在では高級魚になっています。天ぷらや、唐揚、味噌汁、甘露煮などにして食べる事が出来ます。

汽水域のハゼ②ゴマハゼ

特徴

ゴマハゼはハゼの中でも最小のハゼです。成魚でも2㎝あるかないかほどの小ささです。東シナ海や種子島や屋久島などに分布しています。海外でもオーストラリアの汽水域にも生息しています。日本には3種類いると言われています。体は透明で乳白色を帯びています。体の側面に黒い斑点が多くあるのが特徴です。このゴマハゼは水底にはおらず、流れの無いような所で浮遊して群れで動物プランクトンを餌にして生息しています。寿命は1年ほどです。近年では河口域の改修などにより生息域を無くし絶滅危惧種に指定されています。

食用の可否

ゴマハゼは甘露煮などにすると食べれるようですが、大きさから考えれば主に観賞用として扱われる方が多いです。

汽水域のハゼ③シマハゼ

特徴

かつてはシマハゼは1種類とされていましたが、現在では2種類に分類されており、アカオビシマハゼとシモフリシマハゼとに分かれている。チチブ属に属し両種類とも頭から尾ヒレまで縞が直線に通っているのが特徴です。頭部腹面に白い細かい点があるのがシモフリハゼで無いのがアカオビシマハゼです。また胸鰭に赤い帯状の横縞が入っているのがアカオビシマハゼです。どちらとも体長は7~8㎝。アカオビシマハゼは内湾の河口汽水域にとどまり、シモフリシマハゼは河川の汽水域に範囲を広げ生息しました。

食用の可否

チチブと同じく「だぼはぜ」と呼ばれることが多いです。一般的には食用とはされていないそうです。

ハゼの紹介その②干潟に住むハゼの仲間

「ハゼ」というとこちらのハゼを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。潮干狩りなどに行って見かける事もよくありますね。干潟に住むハゼは見た目もひょうきんで動きも可愛いのが特徴です。

干潟のハゼ①トビハゼ

特徴

トビハゼは同じ干潟にいるムツゴロウより体長が小さく10㎝ほどです。小さな白いドット柄と大きな黒いドット柄をしています。一番の特徴は頭頂部に目が飛び出して並んでいるのが愛嬌のある顔にしていますね。逃げる時には尾鰭を使って「ピョンピョン」跳ねるようにして逃げる姿からトビハゼと呼ばれるようです。トビハゼが陸で生きていられる理由は皮膚呼吸が出来るからなんです。

食用の可否

英語では「マッドスキッパー」と呼ばれており主に観賞用として扱われています。

干潟のハゼ②ムツゴロウ

特徴

先ほど紹介したトビハゼとよく似ていますが、体長は15㎝~20㎝にほどになります。主に有明海に生息していて皮膚呼吸が出来ます。トビハゼは肉食なのですがムツゴロウは植物食性なのでトビハゼと基本喧嘩をすることはないのですが、縄張りなどに侵入してきた場合には威嚇するそうです。威嚇の時や求愛する時などは背鰭をクジャクの様に大きく開いて飛び跳ねたりと特徴的です。

食用の可否

春から夏にかけて旬を迎え名前の由来でもあろう「脂っこいハゼ」という意味合いをもっているムツゴロウ。その名の通り肉は柔らかく脂肪が多いのが特徴。骨はあまり硬くなく赤っぽい身は火を通すと白くなり、味わいは上品な味がします。佐賀県の郷土料理でもあるように蒲焼焼きや、味噌煮、甘露煮などで食べる事が出来る。

干潟のハゼ③ハゼクチ

特徴

ハゼクチは日本で最大のハゼと言われており、有明海や八代海に生息しています。見た目はマハゼによく似ていますが、マハゼより体は細長くて大きさも40㎝~大きなもので50㎝超えになるものもいます。軟泥底に住んでいて小エビやゴカイを食べています。

食用の可否

ハゼクチの鱗は細かくマハゼより硬いです。味もマハゼには劣りますが煮つけや刺身などで食べる事が出来ます。

ハゼの紹介その③岩礁や海岸に住むハゼの仲間

KaKnogler / Pixabay

岩礁や海岸にいるハゼは浮遊しているのが特徴ですね。敵がきたら岩陰に隠れたりします。狙って釣らなくても釣れてしまう事もよくあるようです。

岩礁や海岸のハゼ①アナハゼ

特徴

ハゼと名前はついていますが、こちらは「カサゴ」の仲間になります。カサゴ目カジカ科アナハゼ属の分類です。青森県から長崎や宮崎県の沿岸におり防波堤や磯周りでよく釣れる魚です。見た目に特徴があって口周りや口の中が青いのが特徴です。大きさは20㎝ほどの魚ですが、体はぬめりがあり生をさばくと身も青白く見えます。

食用の可否

この青い色がなんとも気持ち悪く感じるので食べようとは思いにくですが、意外と美味しい魚です。新鮮な物は刺身や唐揚、天ぷらなどにして食べる事ができます。

岩礁や海岸のハゼ②ドロメ

特徴

ドロメは岩礁の海岸や干潮の時に岩や砂泥底にできたくぼみに海水が残っている潮だまりなどに生息している。体長は15㎝ほどに成長し頭は上から潰されたような形をしていてマハゼを釣りに行ったら釣れてしまったりします。食性は雑食で小魚を食べたり藻なども食べます。

食用の可否

「ダボハゼ」とも呼ばれあまり食べられることはありません。

岩礁や海岸のハゼ③チャガラ

特徴

チャガラは内湾の岩礁域に住んでいるハゼです。「茶殻」と書き海面に茶殻を撒いたように泳ぐ姿から命名されました。頭部に目を通る縞模様があり、体には縦縞が6本あるのが特徴です。体長は8㎝ほどになりハゼですが浮遊して水中で群れを成して生活しています。普段は淡い色をしていますが婚姻色になると綺麗な色になります。

食用の可否

兵庫県姫路市家島では佃煮などにして食されているようですが観賞魚として扱われることの方が多いようです。

ハゼの紹介その④淡水域に住むハゼの仲間

smartsally / Pixabay

河口付近に生息しているハゼを紹介します。渓流釣りの帰りにちょっと狙ってみてはいかがでしょうか?

淡水域のハゼ①ドンコ

特徴

ドンコはハゼ亜目ドンコ科に分類されており、中流域や渓流域の淵にいます。体長は25㎝前後まで成長し、口が大きく唇分厚くてシャクレ顔です。頭は扁平になっています。横にデブっとしていて繁殖期のオスは黒っぽい色をしています。ハゼ亜目の中では比較的寿命が長く10年生きたものもいるといいます。

食用の可否

身は白身で美味しく、唐揚や塩焼きなどで食べる事が出来ます。

淡水域のハゼ②ヨシノボリ

特徴

以前は2種類とされていましたが、現在では種類が徐々に増えていき17にも区分されています。体長は5㎝~10㎝ほどが多く河の中流域から湖、池沼などで生息しています。模様は種類によって様々ですが、頭から目にかけて赤い線が入っているものが多いです。

食用の可否

丸ごと食べる食べ方が多く唐揚や佃煮、ダシとして利用することが多いです。

淡水域のハゼ③チチブ

特徴

チチブは8㎝ほどに成長します。見た目は太短い体つきで尾のほう平べったくなっています。顔の頬に白い斑点が多くついており、ボディにも白い斑点が散りばめられています。そこに黒い縦縞が入っており、胸鰭には白い帯の縞があります。チチブ属に属しており日本の淡水には3種類いるとされています。

食用の可否

成魚では外道とされていますが、地域によっては稚魚を佃煮や卵とじ、吸い物などにされて食べられています。

危険なハゼの仲間ツムギハゼとは?

冒頭にも書いたようにハゼには毒を持った危険なものがいます。迷ったらまず持帰らない。食べないのが賢明です。ハッキリ区別出来なければ手を出さないことも大切です。

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