世界最大級の人食いワニ!イリエワニの生態や天敵に迫る!日本軍とも関係があった?

以前にふれたラムリー島で日本兵がイリエワニに襲われた事件ですが、もう少し掘り下げてみます。ラムリー島はミャンマーにあり、同国では最大の規模を誇る島で、湿地帯に多くのイリエワニが生息していました。ミャンマーを戦略的に重要な地域と判断していた太平洋戦争時の日本軍の前に、このイリエワニが立ちはだかることになったのです。

当時の記録

当時の記録によると、イギリス軍と対峙した日本軍は、ラムリー島を含むミャンマーの制圧に成功したのですが、イギリス軍の巻き返しにあいます。イギリス軍から逃れることになった日本軍はイリエワニが生息する湿地帯を行軍することになりました。その道中に、夜の暗闇に紛れてやってきたイリエワニの餌食になった日本兵が相当数に上ったのです。

イリエワニは強心臓の持ち主

イリエワニの身体的な特徴は既にお話しましたが、具体的にはどのような身体的な能力があるのでしょうか。ここでは、文字通りの高い身体的な特徴を見た後で、その高い能力に潜む身体の秘密を探ってみます。

イリエワニの遊泳能力

今までにもイリエワニは淡水域だけではなく、海水域でも生息できるとお話しました。活動範囲を海水域まで広げているのはイリエワニくらいですが、その他のワニも遊泳能力の高さが知られます。身体的な特徴からも分かるように、巨大なしっぽや手足に備わる水かきなどから、その能力をうかがい知ることが出来ます。

ワニの心臓に秘密あり!

実は内臓にも遊泳能力の高さを実証する仕組みがあります。その秘密とは心臓の働きにあります。普通の人間の心臓は2心房2心室の構造で、各部位を順番に血液や酸素が通過し、体中に運ぶポンプのような役割を果たします。ワニは、一般的な爬虫類が2心室1心房であるところが人間と同じ2心房2心室となっているのです。

心臓にバイパスがある!

また、人間の心臓の働きとは異なり、ワニの心臓には左右の動脈をつなぐ「パニッツァ孔」と呼ばれるバイパスがあり、水中と陸上で心臓の働きを変えて、効率よく酸素を使用する仕組みがあります。酸素が限られる水中でも、長時間の潜水も可能で、イリエワニが淡水域だけではなく、遠くまで遠征することが出来る要因のひとつとなっているのです。

なぜイリエワニは大きく口を開けている?

動物園などで見かけたワニが大きく口を開けている姿を目にしたことはないでしょうか。イリエワニも時折り大きな口を開けている姿を観察することが出来ます。ここでは、どうして口を開ける必要があるのかに迫ります。

口を開ける理由は諸説あり!

イリエワニを動物園などで観察していると、大きく口を開けているしぐさを見ることが出来ます。ところで、なぜ大きく口を開けているのでしょうか?現在までに言われているのは、体の表面積を増やし、効率的に体温を上げようとしている、とか、口の中の寄生虫を鳥などに食べてもらうように仕向けている、などがあります。

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