カンパチの大型の個体を鹿児島ではアカバラと呼びます。これは、鹿児島近辺ではブリの事を「ハラジロ(腹白)」「シロバラ(白腹)」と呼んでいて、それに対して体表が赤みがかっているカンパチの事を「アカバラ(赤腹)」と呼ぶようになったそうです。また、天然ものをアカバラ、養殖ものをカンパチと呼び分ける風習もあります。
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【出世魚】カンパチは日本では高級魚
カンパチは近年では養殖技術も進んできていますが、ブリなどと比べて漁獲量が少ないため、日本においては高値で取り扱われています。どのような味なのか気になりますよね。おいしい時期や料理法も合わせてご紹介します。
カンパチの美味しさを紹介
カンパチは身が淡いピンク色をしているためよく白身魚と間違えられますが赤身魚です。白身魚より血液や筋肉にヘモグロビンやミオグロビンが多く、大海原を回遊するのにエネルギー効率がよくなっています。血液や脳によいDHAやEPAが多いのも特徴です。
では味はというと、適度に脂がのっていますがさっぱりとした味わいです。ブリなどに比べ時間が経っても変色したり生臭みが増したりしにくく、魚嫌いの人でも食べやすいと言われています。食感はややコリコリとしている歯ごたえがあるのが特徴です。
カンパチの旬はいつ?
一般的に夏から秋にかけてが旬で、2~3kg程度のサイズのものが最もおいしいと言われています。しかしそれ以外の時期でも味が落ちにくく、年間を通じて比較的おいしく食べる事のできる魚です。
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カンパチの美味しい食べ方
代表的な料理がやはり刺身がいちばんで、ほとんどが生食用として出荷されています。脂の甘みや締まった身を最も強く味わう事ができますが、獲れてすぐのものは歯ごたえが強すぎる事もあるので、1日程度寝かせてから食べるのがおすすめです。他にも、焼き物や煮つけ、あら煮、フライなどでもおいしく食べる事ができます。
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カンパチには毒がある?
カンパチは一般的には有毒魚ではありません。しかし、世界ではごくまれに食中毒症状を起こしたという報告があがっています。ふだんスーパーや魚屋、飲食店などで購入する分には心配する事はありませんが、釣ってきたものをさばく際などには少し気を付けてみましょう。
カンパチの食中毒①イシナギ中毒
イシナギ中毒はイシナギという魚の肝臓を食べて起こる食中毒です。イシナギの肝臓には多量のビタミンAを含み、この過剰摂取によって食中毒が起こります。イシナギほどではありませんがカンパチの肝臓も多くのビタミンAを含み、食べる量によっては食中毒を引き起こします。
イシナギ中毒の症状
イシナギ中毒は嘔吐や頭痛、発熱、皮膚の剥離などを引き起こします。食後30分から半日ほどで症状が現れ、完治するまでに1ヶ月ほどかかる場合もあります。食べ過ぎなければ大丈夫とも言われますが、カンパチをさばく際には肝臓は廃棄したほうが無難です。