カンパチは出世魚?成長経過で変わる呼び方の順番や特徴を徹底解説!

シガテラ中毒とは、熱帯の海に生息するある種のプランクトンが作り出すシガトキシンなどの毒に汚染された魚を食べる事で発症する食中毒です。カンパチは肉食魚のため、餌となる小魚が摂取していたシガテラ毒が蓄積している場合があり、特に大型の老魚が蓄積量が多い傾向があります。

シガテラ中毒の症状

食後1時間から数日程度で吐き気や下痢、皮膚の痛み、温度感覚異常などが起こり、死に至る事はあまりありませんが、完治までに1週間から数か月ほどかかります。内臓だけでなく身にも蓄積している場合があり、調理しても毒性は残ります。

また、この毒は母乳などを通じて赤ちゃんにも移行してしまう事があります。日本近海で獲れたカンパチでの事例は少ないですが、特に妊娠・授乳中の人などはわざわざカンパチを食べなくともよいでしょう。

【出世魚】カンパチの天然物と養殖物の違い

天然のカンパチは大変おいしいですが、漁獲量が少なく安定的ではありません。そこで養殖も盛んに行われています。私たちがスーパーや魚屋、飲食店などで見かけるカンパチはたいてい養殖ものです。天然と養殖のカンパチはどのように違うのでしょうか。

やっぱり天然物が美味しい?

カンパチは高級魚として扱われていますが、天然ものはその中でも特に高級です。ブリの味が落ちてくる夏頃が最もおいしいと言われます。天然ものは大海原を泳ぎ回っているため脂が少なくさっぱりとしていて、コリコリとした歯ごたえが特徴です。

一方で養殖ものは水温や餌などをコントロールする事で年間通じておいしく食べる事ができ、天然ものより脂がのっています。カンパチの養殖ものは天然ものと遜色ないと言われ、むしろ脂がのっている事で養殖のほうがおいしいという人もいます。

カンパチの養殖事情を紹介

2016年現在カンパチの養殖が最も盛んなのは鹿児島県で、シェアの半分ほどを占めており、次いで愛媛県、大分県の順に多くなっています。鹿児島県では特に錦江湾での養殖が盛んで「海の桜勘(おうかん)」「かのやカンパチ」などの高品質なブランドカンパチも多くあります。

カンパチ養殖は稚魚を中国から輸入し、それを育てるのが一般的な方法です。しかし、海洋資源や環境の保護などの視点から、養殖カンパチに卵を産ませて出荷できるまで育てる完全養殖の技術も研究が進んでいます。この技術が確立すればより身近にカンパチを味わえるようになるかもしれません。今後に期待ですね。

天然物のカンパチを釣りに行こう

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カンパチは実は釣り人には人気のターゲットで、好奇心の強さ、引きの強さ、おいしさがその魅力です。ぜひ釣りに挑戦して高級魚といわれる天然もののカンパチを味わってみましょう。より一層おいしく感じられるはずです。

カンパチは何処で釣れる?

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カンパチは13℃以下で成長が止まり、9℃以下では死んでしまうと言われており、暖かい海域を好みます。そのため日本では関東以南に生息しており、特に小笠原諸島や南西諸島などでは大型の個体が狙えます。船釣りがメインですが、小型の個体であれば堤防などからでも狙う事ができます。

カンパチが釣れる時期はいつ?

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カンパチは季節回遊を行う魚なので、その時期を考慮して場所を選べば比較的いつでも釣る事ができます。ベストシーズンは7~10月ですが、南に行くほどシーズンが長くなります。岸から狙うのであれば、夏場は寄ってきやすくなるので狙い目のシーズンです。

カンパチの釣り方を紹介

カンパチは典型的なフィッシュイーターなので、その性質を利用して釣りを行います。釣り方は大きく分けて生き餌を使った泳がせ釣り、ルアーを利用したジギング、コマセ(撒き餌)を使ったかご釣りの3種類があります。

【出世魚】カンパチ釣りの仕掛けと釣り方を解説

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カンパチは潮の流れの速い岩礁帯をよく好むので、船釣りだけでなく小型~中型のものは外洋に面した堤防や岩場などでも釣る事ができます。カンパチは引きが強く、また大きいものでは数十kgになる個体もいるので、ロッド・リールは頑丈なものを用意しましょう。ここではカンパチ釣りの仕掛けを図も交えて詳しく紹介していきます。

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