カツオの種類を徹底解説!見分け方もご紹介

ヒラソウダは本カツオのように腹側の縞はなく、背にまだらのような模様があります。後述するマルソウダとの違いは三つあります。一つは体高が高く断面が側扁であること、二つ目は固いウロコのある部分が第一背びれと第二背びれの間までしかないこと、三つ目は鰓蓋の上の黒い部分が背中の黒い部分と離れていることです。

ヒラソウダの食べ方

新鮮なヒラソウダは刺身にすると絶品ですが、鮮度の落ちが早く、なかなか生食が難しいので刺身が食べられるのは産地のみです。その他、唐揚げや焼き魚、煮つけにしてもおいしいです。あらから良いだしが出るのでみそ汁やあら汁もおいしく食べられます。

カツオの種類と見分け方⑪マルソウダ

マルソウダはヒラソウダと同じ仲間で、姿かたちもよく似ています。マルソウダは血合いが多く食中毒が懸念されるためあまり生食は奨励されない魚で、ヒラソウダよりも味が劣るなどと言われますが、うまみ成分が多く鰹節の原料として非常に重要な魚なのです。

有名な宗田節の原料!

生息域はヒラソウダと同じく日本全域ですが、ヒラソウダよりも温かい海域を好むため、房総半島より南で多く見られます。またマルソウダから作られる鰹節は宗田節と呼ばれて流通しており、産地の70%は高知県となっています。宗田節からつくるつゆはコクとうまみが凝縮されて深い味わいがあります。

マルソウダの生態

マルソウダもヒラソウダと同じ回遊性の魚で、暖流に乗って季節的な回遊をします。ヒラソウダよりも沖合を泳いでいることが多いようです。食性も同じく肉食で、エビ、カニなどの甲殻類、イワシやアジなどのような小魚を食べます。

マルソウダの見分け方

マルソウダの見た目はほぼヒラソウダと同じですが、ヒラソウダとの違いは前述したとおり三つあります。ヒラソウダより形が細長く、断面が丸いことが一つ、二つ目は固いウロコのある部分が第二背びれの後ろまで続いていること、三つめは鰓蓋の上の黒い部分が背中の黒い部分に繋がっていることです。

マルソウダの食べ方

ヒラソウダに比べて脂が少なく、新鮮なものはたたきにするともっちりした食感とさっぱりした味がおいしいです。しかし鮮度の落ちが早いため、産地に限られます。その他唐揚げにするとおいしいです。また血合いの味が濃いので乾燥させて削り節や生利節にするのもおいしいです。

カツオを食べるときは食中毒に注意!

出典:PhotoAC

魚を食べるときに気を付けないといけないのが食中毒です。カツオも毎年食中毒が報告されており、主な原因はアニサキスとヒスタミンです。スーパーで加工されたものは安心して食べられますが、自分で釣ったものや、お店で食べるものでも稀に食中毒になったりします。特徴を知って予防しましょう。

アニサキス中毒に注意!


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アニサキスはアジやサバなどの魚によく寄生する寄生虫です。アニサキスが寄生している魚を生や加熱が不十分な状態で食べると、激しい腹痛や嘔吐、腹膜炎を起こしたりします。アニサキスは目で確認できますので、食べる前に一度確認しましょう。

◆魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。

◆内臓を生で食べないでください。

◆目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。

※一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。 引用:厚生労働省HP

ヒスタミン中毒に注意!

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ヒスタミン中毒は、ヒスチジンというアミノ酸が過剰に含まれる魚を食べると起こります。カツオの仲間でも特に赤身の魚は要注意です。じんましんが出たり、腹痛や嘔吐、頭痛やめまいなどの症状が出ることもあります。加熱では消えませんので鮮度が落ちた魚は食べないようにする方がいいでしょう。

・ 魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう。
・ ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去しましょう。
・ また、鮮度が低下した恐れのある魚は食べないようにしましょう。調理時に加熱しても分解されません。
・ ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときに、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じることがあります。
この場合は、食べずに処分して下さい。引用:厚生労働省HP

カツオにもトロがある?

トロといえばマグロの一番おいしい部分です。脂が乗っていてとろっととろけるおいしさは高級な部分として有名です。実はカツオにも、「カツオのトロ」と言われる脂がよく乗ってとろけるようにおいしい部位があるのです。

絶品のハラミ、「ハランボ」

カツオのたたきや刺身で普段目にするのは締まって弾力のある背中側の赤身です。このハランボは腹側の一番脂肪が多い部分で、一匹につき一枚しか取れない稀少な部分です。カツオの産地で有名な高知では馴染み深い食材ですが、県外ではあまり流通しないため知名度が低いです。

新鮮なハランボは塩焼きに

ハランボは塩焼きが有名です。表面はカリッと仕上がり、中身はふわっと柔らかく、カツオの旨みとジューシーな脂が口の中いっぱいに広がって絶品です。塩味なのでお酒とも相性抜群です。ゆず胡椒をかけて食べてもおいしいです。ハランボは高知県内の居酒屋さんなどで食べられ、スーパーにもあります。

カツオの種類を知ろう!

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様々なカツオの仲間を紹介してきました。私たちがよく見かける本カツオ以外にもたくさんの種類があり、姿形も分類も様々です。見分け方を知っておけば、自分で釣ったときや市場にいったときにより楽しめるでしょう。なかなか普段食べられないものもいるので、一度産地に足を運んで食べてみるのもいいですね。

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