川に生息するカワイルカ|その種類と不思議な生態を詳しく解説

彼らはとても小さな目をしています。これは泥などで濁った水中で暮らしていたことから視力を持つ優先度が下がり、退化したものと考えられます。

特にインドカワイルカたちは物を見るのに重要な水晶体すら持っておらず、目はわずかな光を感じ取るためだけの道具にすぎず、ほとんど何も見えていないわかっています。

収斂進化(しゅうれんしんか)

qimono / Pixabay

カワイルカたちがそれぞれ別々の場所にいるにも関わらず似たような特徴を持つことを不思議に思った方はいらっしゃらないでしょうか?

原始のクジラたちの中で海で暮らすことを諦め、それぞれの地域でそれぞれの川へ逃げ込んでいったと考えると4つの科を持つ彼らの祖先たちが地理的に出会っているとは考えられず、全く同じ1種のクジラから進化したとは考えにくでしょう。

それにも関わらず似たような進化を遂げることを収斂進化と呼びます。

なぜ収斂進化が起こるのか?

異なる場所で違う祖先を持つにも関わらず似ている進化を遂げるのには次のような条件があります。

  • 似たような場所で似たような生活をしている動物同士に起こりやすい。
  • それぞれの環境において非常によく似た生態的地位にある動物同士に起こりやすい。

簡単に言えば同じような生活をするものには同じような能力が求められるため、結果として似たような進化を遂げるということになります。

ジュゴンとアザラシとラッコも収斂進化の一例

PublicDomainImages / Pixabay

この3つの生き物はとてもよく似ています。つるっとした体にずんぐりとしたフォルム。ラッコもサイズは違いますが似た形をしていると言えます。

しかし、ジュゴンはなんと象に近縁と考えられており、アザラシはクマ、ラッコはイタチに近縁とまったくバラバラの祖先を持つとされています。

skeeze / Pixabay

彼らの祖先が地理的に似たような場所にいたとは考えずらく、また近年の研究により彼らの祖先が海へ入っていった時期も異なることがわかっています。にも関わらず似たような体の進化を遂げたことはまさに収斂進化のいい例となっています。

視力が弱いカワイルカはどのように生きる?

確かに泥の中や河川の中は海とは違って濁っているのでさほど視力は必要ないのかもしれません。しかし見えない目でどうやって獲物を捕まえたり仲間とコミュニケーションをとったりしているのか気になりませんか?

ここではカワイルカたちの視力について少し詳しく説明しましょう。

NEXT 超音波によるエコーロケーション