地底人は存在する?地下世界の真実と驚きの地球空洞説とは?

地表の下に、もう一つの世界が広がっているという発想はSF小説の元祖である、ジュール・ヴェルヌの小説の題材にもなっています。彼が1864年に出版した「地底旅行」(日本では「地底探検」とも言われています。)には地下世界の様子がいきいきと描かれています。

地下世界への入り口

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主人公の鉱物学者オットー・リーデンブロック教授はドイツのハンブルクの骨董店で見つけた古書にメモがはさんであることに気付きます。これは16世紀の錬金術師のアルネ・サクヌッセンムが書いた暗号でした。これを読み解くと、アイスランドの火山の火口を下って行くと地球の中心へ至るということでした。

教授は早速甥のアクセルと向かいます。ハンスという案内人を雇い、3人でスネッフェルス山の火口を降りていきます。そして数十日歩き続けて南東へ1400km、下へ140km行き、地下の大空洞へ到達します。

地下世界

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この大空洞は、オーロラのような電気現象で明るくなっており、海もあります。またキノコの森があり、地上では絶滅している古生物が生きていました。筏を使って目の前の海を越えました。するとアルネ・サクヌッセンムの痕跡が残るトンネルがあります。

このトンネルに海水と共に引きずり込まれますが、時を同じくして火山が爆発します。かれらはマグマと共に上昇し、イタリア南部のストロンボリ島の火山に無事飛び出します。こうしてハンブルクに帰還した3人は英雄として迎えられます。

地下世界

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ジュール・ヴェルヌは、地下への入り口として火山の火口に注目しました。確かに火口は地下に通じていますので、発想としては理解しやすいです。ところが、その先は気の遠くなるような距離を進みます。結果として地底の大空洞へ出ます。ここでは生物の痕跡は発見されませんでしたが、もしかしたら隠れていたのかも知れません。

また、この大空洞には光源がありました。現在ならば核融合のようなものを連想してしまいますが、ジュール・ヴェルヌは、オーロラのような電気現象を持ち出しています。そして、キノコが繁茂しているという点は、葉緑素を持たないことを強調してます。最後にマグマに乗って地上へ帰還するというのは現実的ではありませんが、そこはご愛敬です。

地球の内部

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地球内部に大空洞があるとすれば、どのあたりに存在するのでしょう。現在は地球の中身がどのような組成でできているかが分かっています。地球の内部を見ながら、地底世界の可能性を探ってみます。

地球の内部構造

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地表から地球の中心までの距離は、地球の半径と同じで6400kmです。地球の内部は大きく分けて4層構造になっています。一番外側が地殻で6~60kmで、花崗岩や玄武岩でできています。その下の層がマントル(上部)で、60km~660kmです。ここは、かんらん石やスピネル層などでできています。

660km~2900kmがマントル(下部)でペロブスカイト相などです。2900km~5100kmが外核で鉄合金です。ここは液体です。最後の5100km~6400kmが内核でこれも鉄合金ですが、高剛性の個体となっています。

地下世界がありそうなところ

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マントルの部分に地下世界があるのではないかとの憶測もありますが、実際のところこれは地表から60kmも下です。この距離は宇宙人の能力を持ってすれば簡単でしょうが、自然にできた大洞窟ならば深すぎます。すると可能性があるのは地殻のあたりではないでしょうか。死火山になっている穴であれば、地下に大きなスペースがありそうです。

このような穴に水が流れ込んで、地底湖ができていて、ある程度の地熱があれば植物も生息しそうです。そうすれば、地下へ移動する人間も出て来るかも知れません。問題はどこの地域を選ぶかですが、休火山や活火山地帯だと安定的ではなく、噴火の危険が少ない地域を選択することになるでしょう。

いつかは地底人に会えるかも!ロマンを持とう

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地底人は存在するかもしれませんし、しないかもしれません。科学の発達で地下世界の存在は空想だとされていますが、もしかしたら身近に地底人が潜んでいるかもと考えると、ワクワクしませんか。

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