搾取子とは?その意味や特徴、体験談をはじめ抜け出すための対処法まで

搾取子(さくしゅご)は、毒親に育てられた子ども達の事を指しています。搾取子は虐待の1つで、幼い頃からお金や時間を搾取され、大人になってもその被害が続いている方もいます。この記事では搾取子を育てる親の特徴、体験談をもとに対処法まで解説していきます。搾取子として育ったとしても大丈夫です。この記事を読んで明るい未来に踏み出してください。

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三度の飯よりオカルトが好き!ねこむらです。

搾取子とはなに?

搾取子という言葉を聞いたことはあるでしょうか。近年増加傾向にある搾取子とその親の関係は社会問題の一つとなっています。本稿ではその実態に触れながら、少しでも搾取子である当事者の手助けになるよう解説していきます。

搾取子の意味は?

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搾取という文字から連想されるように、時間の搾取から精神的な面での搾取、金銭に及ぶまで様々な要素を親から搾り取られる子どもの事を指します。

マインドコントロールや虐待の一種

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過度に行動制限を設けられる、一方的に将来を決めつけるなどは虐待の一種です。小さい子どもにとって親は絶対的な存在です。期待を裏切れば見捨てられてしまうかもしれないという恐怖を抱きつつ、親の機嫌を損ねないような行動をとるようになります。ほかに頼る人を自力で見つけ出すことが難しい子どもにとって、その教育はマインドコントロールと変わりなく、虐待にあたります。

搾取子の特徴

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前途の通り、搾取子の人々はあらゆる面での行動制限、モラルハラスメント、金銭の搾取を受けています。先に挙げた全てを受けていないにしても、当人にとっては重大なストレスであり、許される事ではありません。ここでは実際にあったエピソードを添えつつ、その実態について解説します。

金銭を要求される

現在専業主婦として生活しているAさんは、十代の頃から親と別居している現在に至るまで、実の親に金の無心をされ続けました。彼女が高校生の頃、両親が経営していた会社の経営が傾き、一気に収入が落ち込みました。しかし、切迫した状況の中でも彼女の両親は生活水準を下げる事が出来ず、以前と同じような贅沢な暮らしを続けていました。

彼女はアルバイトで稼いだお金を両親に渡し、他の兄妹たちも同様に家にお金を入れ続けました。彼女が結婚してからは更に要求がエスカレートし、両親は毎月のように数十万単位のお金を無心してくるようになっていたのです。また、他の兄妹たちは両親の保証人にされたり、無断でクレジットカードを使い込まれるなどの被害にあっていました。

搾取されていたと気づくまで

成人して結婚し、自らの子供にも恵まれ穏やかな生活を送っていた彼女でしたが、唯一の気掛かりは事あるごとに金の無心をしてくる両親でした。しかし彼女の両親も高齢になりやがて亡くなってしまいました。

葬儀などの準備に追われ、全てが片付いた後になって彼女は自分が搾取されていた事に気が付きました。

トラブルの原因を自分のせいにされる

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現在30代のAさんは幼い頃から貧しい家庭で育ち、実の親からは「うちが貧しいのはお前のせいだ」と言われ続けて育ちました。毎日の食事は子どものAさんにとっても到底足りる量ではなく、給食費さえ払って貰えずにひもじい思いをしましたが、全てお前が産まれたせいでうちは貧しいのだから諦めろと何一つ取り合っては貰えませんでした。

そんな環境で育ったAさんは自分が置かれている状況を疑問に思うことがないまま成人し、社会へ出た後も実家へ収入の殆どを仕送りしていました。

結婚破断

30歳になり、付き合っていた女性との結婚を考え始め彼女を連れて実家へ帰ったところ両親は大喜びし、お前が結婚出来るほどに成長できたのは親のおかげ、結婚してからは嫁の収入も増えるのだから仕送り額を倍にしろと要求してきます。そんなAさんの両親を見て彼女はAさんの元を去ってしまいました。

結婚の予定と彼女を失ったAさんは無気力状態に陥り、以前のように仕事をする事が困難になりました。医者へ相談するとうつ病との診断が下り、カウンセリングを受けて初めて両親の異常性に気が付き絶縁に至りました。

自由な時間を与えられない時間的搾取を受ける

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子どもであれば、親に決められた門限や就寝時間など基本的なしつけの一環として時間の制限を設けられる事はあります。しかし、搾取子の場合は行き過ぎた管理状況におかれ、門限を一分でも過ぎれば自宅に入れて貰えない、学校以外の時間は全て勉強や家の家事をさせる等、子どもの自由な時間を一切与えない虐待も存在します。

Aさんの家は姉弟の両親の4人家族で、長女であるAさんだけが過剰な門限を設けられ、家事の全てを押し付けられていました。そんなAさんを見かねた弟が、近くに住む祖父に姉の扱いについて相談を持ち掛けました。その結果Aさんの現状を重く見た祖父が学校と児童相談所に掛け合いAさんと両親共々カウンセリングを受ける運びとなり、今では平穏な家族に戻れたそうです。

搾取子をはどんな家庭で育ちやすいのか?

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機能不全家族または、親自身が搾取子であった過去を持つ場合など搾取子が育ちやすい家庭では子どもにとって健全でない環境である場合がほとんどです。搾取子が置かれた家庭環境は大まかに以下の特徴に当てはまるケースが多く見られます。

兄弟・姉妹が甘え上手

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幼い頃から上に兄姉がいる子どもは、親の兄姉に対する態度を見て育ちます。第一子であれば、下の兄弟が産まれるにあたり、長男・長女としての意識を植え付けます。その結果、甘えてばかりではいられない兄姉と対照的に、甘やかされて育つ弟妹という構造が成り立ちます。

また、その幼少期の体験から大人になっても他人への甘え方が分からない第一子、他人への甘え方が上手な次男・次女という両極端な性格に育ちます。

両親が不仲で子どもにあたる

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オーソドックスなパターンで言えば、子供に無関心な父親と、逆に子どもに対して過干渉すぎる母親という組み合わせの家庭が挙げられます。

搾取子が育ちやすい家庭では父親の存在はほぼ無いに等しく、母親が一方的に子どもへ干渉し、それに対する子どもからのSOSを無視する父親という構造があります。または父親が母親側に立ち、面倒から逃れようとする傾向も多々見られます。

親が自分の考えを子どもに強制する

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搾取子の親は「子どもはこうあるべき」という考えや、子どもが親に反抗的な態度をとる事はあってはならない等の固定観念を強く抱いている傾向があります。

男児であれば強くあるべき、イジメられるのは根性がないからだ、女児であれば家事は全て出来て当たり前など過度な「〜であるべき」論を振りかざし子どもの自発的な行動を抑えつけるケースが多く子どもの健全な成長に水を差してしまいます。

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