「牛の首」は誰も知らない最恐の怪談
タイトルを聞いただけでは怖い話とも思えない、一風変わった怪談ですが、あなたはこのお話を聞いたことがあるでしょうか?
いいえ、その可能性は限りなく低いはず。その理由と、どんなお話よりもおそろしいと言われている「牛の首」について、まずは基本から説明していきましょう。
都市伝説として語られる怪談
これは都市伝説型の怪談で、伝え聞いた形や地域によって誤差がありますが、どのパターンにも必ず共通する点があります。それは「この世のあらゆる怪談の中で最も怖いお話」というところです。
作者自身がその出来に恐れおののき、そんなものを作ってしまった自分を悔いて出家してしまったほどだというのです。
この怪談を聞くと死んでしまう!?
そのお話があまりにおそろしいため聞いたものは異常をきたし、またはお話そのものに呪われてしまい、3日のうちに死んでしまいます。そう、だからこそ詳しい内容を知る人がいないのです。
助かる方法はありません、解決の呪文もありません。聞けば必ず死んでしまう、そんな凶悪な怪談が他に存在するでしょうか?
牛の首とされている内容①
では次からはその実態とされる伝承について記していきます。心の準備はよろしいでしょうか?聞いてしまってから3日以内に何かがあったとしても保証はできません。
少しでも影響が薄くなるように、なるべく端的にお伝えします。まずは怖くもあり、そして悲しくもあるお話からです。
牛追いの祭り
かつてこの国が大飢饉が襲われた際、飢えに耐えかねたとある村が、いわゆる「共食い」に走りました。あまりに過酷な現状を「自分たちが食べているのは家畜なのだ」と錯覚するため、犠牲者に牛の皮を被せたといいます。
飢餓ゆえにやむない、しかしあまりに惨たらしい話であるため、詳細は伏せられおそろしさだけが伝わったと言われています。
牛の首とされている内容②
また別のパターンのお話も存在します。こちらも残酷さに人々が口をつぐみたくなるような内容になっていますが、ある種の配慮から沈黙してきた先ほどと違い、もっとおぞましさの目立つお話になっています。
戦前のある村の話
かつてある村で、権力者の息子が隣村の女性をさらって殺し、亡骸の首を牛とすげ変えるという残虐行為に耽っていました。抗議しようとした者も発覚を恐れた権力者によって殺されてしまいます。
残された村人は同じ目に合うことを恐れ、口をつぐみました。この「話すと殺される」という内容が変異して現在の形になったとされています。
牛の首の怪談
ほかにもこの怪談にまつわるお話は多々見られますが、ここからは、牛の首のお話を聞いてしまった人がどのようになったのか、ひとつのエピソードを例に語っていきましょう。
事細かにお話を聞いてしまったら、次のような状態に陥ってしまうので、安易に誰かに話すなんてもっての他ということです。
洒落怖で語られるエピソード
ある小学校の遠足中、教師がバスの中で余興として、生徒たちに牛の首の怪談を語りました。
みんなあまりに怖がるので教師はおもしろくなりましたが、子供たちは泡をふいて失神し、バスの運転手も震えて運転できなくなったため、遠足は中止になってしまいました。以来教師は二度とこの話をしなかったといいます。