吉展ちゃん事件の全貌|警察がミス?死刑囚・小原保の生い立ちや自白の記録

特殊事件捜査係(SIT)とは

吉展ちゃん事件での警察の対応の不備を受けて、1964年4月1日に警視庁捜査一課の第3強行担当班内に新設されました。SITというのは、公式には「Special Investigation Team」の略ということですが、もともとは「捜査」「一課の」「特殊班」の略だったと言われています。

誘拐、ハイジャック、立てこもりなど人質がいる事件において、捜査や犯人逮捕、人質救出を担当する部署です。そのために必要な、特殊な通信技術や、逆探知のノウハウ、交渉術などの技術を有し、機動隊や特殊部隊のように、突入制圧する訓練も積んでいます。

SITの出動した事件

吉展ちゃん事件の二の轍は踏むまいとして設置されたSITや、各都道府県警察の同様の特殊班は、今日まで様々な事件で活躍し、これらを解決に導いてきました。過去にSITが出動した事件のうち、主だったものを紹介します。

町田市立てこもり事件

2007年4月20日、暴力団組員の男が、同じ暴力団に所属する男を拳銃で射殺。その後、現場付近にある自宅のアパートに立てこもったという事件です。男は駆け付けたパトカーに向けて、拳銃を11発も発砲し、現場一帯が騒然となりました。最終的に、警視庁のSITが催涙弾を撃ちつつ突入し、男を逮捕します。

愛知立てこもり事件

こちらは愛知県警のSITが出動した事件です。町田市の事件から1ヶ月も経たない2007年5月17日に起こりました。愛知県愛知郡長久手町(現在の長久手市)で元暴力団員の男が、元妻を人質に民家に立てこもり、拳銃を発砲。警官1人が死亡し、男の妻子と警官1人が負傷します。発生から約29時間後、男が投降して、事件は終息しました。

事件の現場は今どうなっているのか

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日本中が一人の男の子の身を案じ、その死に心を痛めた時から、すでに50年以上の年月が過ぎました。忌まわしい犯罪の現場となった場所は、今はどのような姿になっているのでしょうか。事件の記憶は完全に風化してしまっているのか、はたまた、過去の惨事を今に伝えているのか、その様子を紹介します。

子どもに大人気の公園

かつて、遊んでいた4歳の子どもに誘拐犯の魔の手がかかった現場である入谷南公園は、台東区の運営で現在も同じ場所に存在しています。約3919平方メートルの広さがあり、周辺区域の中では最も大きな公園です。

2013年にリニューアルオープンし、真新しく、キレイに整備された園内には、カラフルで現代的な遊具とバリアフリー施設が設置されています。特に注目されるのが遊具の多さで、長い滑り台や、円形のジャングルジムなど、子どもを楽しませる工夫が施され、近隣住民の人気スポットとなっています。

吉展ちゃんを偲ぶお寺

小原保が吉展ちゃんを殺害し、その亡骸を隠した場所である円通寺は、荒川区南千住に現在も建っています。亡骸が見つかった場所である墓所には、当時数多くの人が被害者の冥福を祈って焼香に訪れました。その場所には「よしのぶ地蔵」が建立され、今でも供養が行われています。

吉展ちゃん事件は世の中の親を震撼させた

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この事件をきっかけとして、子どもの誘拐事件は大きくクローズアップされます。吉展ちゃんの家庭が特別裕福なわけでもなかったことも、全国の子を持つ親に不安を覚えさせました。

もしかしたら、我が子も吉展ちゃんのような被害を受けるかもしれない。そう感じた親たちの間で、いつしか「知らない人にはついていっちゃだめ」という決まり文句が定着します。吉展ちゃん事件という痛ましい出来事は、現代の日本が治安の良い国として知られる社会になる上で、重大な影響を与えたといえます。

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