奇妙な貝を持つこの生き物は、日本で発見されたアンモナイトの仲間です。私たちが知るアンモナイトのイメージとはかけ離れた姿をしていますね。発見された当初は、ひとつしか化石がなかったこともあり、この異様な姿は奇形と思われていました。
ですが、後に同じ形の化石が他にも見つかったことから、実はこの形にも規則性があったのだと判明し、1926年に正式に一つの種類として認められることになります。この種類は、『日本の石』という意味のニッポニテスと呼ばれることとなりました。この種は現在ではさらに細かく、ミラビリスとバッカスの2種類が知られています。
ハボロテウティス・ポセイドン
2015年、北海道の白亜紀後期の時代の地層から巨大なイカのあごの化石が見つかりました。そのあごの大きさから、全長は10〜12mであったろうとされたこのダイオウイカの仲間は、恐竜と同じ時代を生きていたのです。彼らは発見された町の羽幌町と海の神ポセイドンから、ハボロティウス・ポセイドンと名付けられました。
軟体動物たちは化石になることがとても難しいようですので、発見されて間もないハボロティウス・ポセイドンの調査はまだ始まったばかりだと言えるでしょう。現在のダイオウイカと果たして同じ姿をしていたのか、どのような違いがあったのかなど、今後の調査の進展が気になるところですね。
古代生物の生き残り?現代でも見ることができるものも
はるか昔から、幾度の環境変化にも負けず、完成したその姿をほとんど変えることなく現在まで生き抜いている生き物たちがいます。それはどのような生き物たちなのでしょう。ここからご紹介していきます。
シーラカンス
ダイバーの隣でゆったりと泳ぐシーラカンス。デボン紀(およそ4億1600万年前から始まった年代)から生きていると言われている彼らは、生きた化石の代表選手です。白亜紀を最後に一度は消えてしまったように見えたこの種族は、1938年にアフリカで生きた姿が確認されて世界中を仰天させました。現在でも深い海の底で暮らしています。
オウムガイ
オウムガイも、シーラカンスと並んで生きた化石の代表と言えます。丸い貝殻から出ているたくさんの足はイカやタコに似ているように見えますが、彼らはスミを吐いたり速く泳いだりはできません。彼らの貝殻はとてもゆっくり成長するので、彼ら自身の一生もとてもゆっくり。その寿命は20年近くとも言われています。
オウムガイとは共通のご先祖様を持ち、先ほどご紹介したカメロケラスは直接のご先祖様は違いますが遠い親戚に当たります。速く泳いだりもできない彼らが現在まで力強く生き残っているのは自然の神秘だと言えるでしょう。
カブトガニ
日本でも瀬戸内海や九州などで見ることができるカブトガニも、太古から長く生き続けてきた、人間よりもずっと先輩である生き物です。そんな彼らも近年は絶滅の危機にあるそうなのでしっかりと守っていきたいですね。カブトガニについてさらに気になった方はこちらをご覧ください。
ゴキブリ
『ええーー,ゴキブリー?』という声が聞こえてきそうですね。自宅に彼らが顔を出した日には反射的に退治しにかかる、または追い払うという方が圧倒的多数だと思われますが、実は彼らも立派な太古の生物の生き残り。彼らの姿に古代のロマンを感じるのは難しいかもしれませんが、あの生命力は太古から培われてきたものであるのです。
古代生物が巨大な体を持つことができた理由
今の時代にメガネウラやティタノボアを超える大きさのトンボや蛇はいませんし、キリンと同じような大きさの鳥が飛んだりしてはいません。太古の生物たちの体は、なぜそんなにも大きく成長することができたのでしょう。
胎生を持っていないから
人間を含む哺乳類は、卵でなく子供を産みます(カモノハシという究極の例外もいますがひとまず置いておきますね)。その前には動物の体の大きさに合わせた妊娠期間があり、出産後も生まれた子をお乳で育てなくてはなりません。
妊娠〜授乳の長い間、お母さんは敵から身を守ることが難しくなります。例えば象の妊娠期間は2年にも及びますから、それ以上の巨体であると妊娠〜授乳まで果たしてどれ程の長さであるでしょう。卵で産むと妊娠期間すらないので巨大化しても大丈夫だったのではないかとする説があります。
気嚢(きのう)という器官のおかげ
現在も鳥たちが持っている気嚢は、効率よく体に酸素を巡らせるのを助けてくれ、それが骨を軽くしても大丈夫にすることにもつながっています。恐竜たちも同じ器官を持っていました。巨大な体を持っても、自らの重みに苦しむことなく生きられたのはこの気嚢のおかげではないかとも言われています。
生存競争に勝つために大きくなった
体が大きい方が一般的に力もありますし、仮に草食動物であっても体が大きければ、自分より小さな肉食の敵は反撃すれば逃げ帰ったことでしょう。現在でも巨大な体で生きている象やクジラなどはもしかするとこれに当てはまるのかもしれません。生存競争に勝つために体を大きくしたという説もあります。