柔道の父と名を馳せたことで1978年には嘉納治五郎杯国際柔道選手権大会開催され、その後12回行われている。柔道選手が世界大会などに出場する際には選手団が必勝祈願として嘉納治五郎の墓参りをすることが恒例となっている。
嘉納治五郎
1860年12月10日生まれの柔道家であり、教育者。柔道のみならずスポーツや教育の発展に尽力し、日本のオリンピック初参加にも関わり国のスポーツの道を切り開いた。”スポーツの父”と賞されている。
1882年に学習院にて教頭を勤め、1893年からは通算約25年間にわたり東京高等師範学校と東京高等師範学校付属中学校の校長を勤めた。他にも日本女子大学の創立委員にも加わるなど教育者としても活躍した。
生き様をさらに掘り下げる
ここまで読み進めて来た人にはどれほどまでに強く、逞しく、ストイックな人間だったのかをわかっていただけたのではないだろうか。もっと詳しく知りたい!そんな方には書籍を読むことをおすすめしたい。
”木村政彦はなぜ力道三を殺さなかったのか”
この本には木村政彦の成り立ちが書かれているのだが、そこには牛島辰熊が師匠としてどのようなことをしてきたのか詳細を知ることができる。選手を育てるために立ち上げた道場”牛島塾”についても書いてある。
この本を読んでから牛島辰熊に興味を持った人も多くいるのではないだろうか。柔道選手としてだけではなく、選手を育てるためにも晩年活躍したその生き様をこの本からさらに感じ取ることができるだろう。
牛島辰熊以外にも
本作では牛島辰熊だけではなく、大山倍達や力道三などの話も書かれている。みなそれぞれの波瀾万丈な人生があったことを知ることができます。作者は18年の取材を元に執筆されているので読み応えがあるでしょう。
「KIMURA」
こちらは先ほど紹介した「木村政彦はなぜ力道三を殺さなかったのか」のコミカライズ版になっています。文章で読むのが苦手な人、臨場感のある絵で組合などを楽しみたい人は漫画もいいでしょう。文章だけではわからなかった情景も伝わってきます。
「昭和の怪物 7つの謎」
さきほど書いた東条英機暗殺計画について関係する書籍である。この本は7章仕立てで作られており、東條英機、牛島辰熊、石原莞爾など昭和の戦争の渦中にいた人物たちにスポットがあてられている。この本では柔道家としての活躍についてではなく、暗殺計画行った首謀者として名を連ねている。
命を懸けて柔術に生きた”柔道王牛島辰熊”
柔道家として生き、生涯を懸けて自身と戦い続けその名を残した牛島辰熊。その伝説を知ってもらうことはできただろうかか。柔道ファンのみならず漫画からもその存在を知り、そしてまた新たなファン増え続けるだろう。最強伝説はまだ終わっていないのかもしれない。