小紫という抜群の人気を誇る女郎がおりました。その彼女には恋する男がいましたが、その男は身請けできるほどの財産はありません。のちに盗人などの罪人に手を染め死刑となってしまいます。小紫は悲しみに暮れました。
身請け話が訪れる
悲しみの最中、人気抜群だった彼女は身請け話が訪れます。ですが彼女の心には死刑となった男がおり望まない身請けでした。他の男の元へいくのならばと、愛する男の墓前で自害するのです。真実の愛を貫きとおしたピュアな女性だったのです。
年季があけて晴れて自由になったら?
厳しい労働を続け借金も完済し、年季があけた彼女たちはどんな生活を送ったのでしょうか?晴れて自由になり待ちわびていた開放感ですが、現実は程遠いものだったのです。
軽蔑の目で見られる
自由になって自分の生まれた家に戻りたい、両親と会いたいと思い実家へ戻っても現代なら歓迎され久々の再会に涙したでしょう。ところが昔は「売りに出したのだから居場所はない」と逆に迷惑になってしまうのです。
子供のできない体に
妊娠中絶を繰り返し、劇薬が身体に負担となっており妊娠できない身体になっているのです。昔は結婚したら子供を産んで当たり前とされる時代でしたので、結婚相手の対象としてみてもらうことはできませんでした。
家事ができない
踊りや三味線、お酒を注ぐことはできても遊郭内では家事は一切行ってこなかった彼女らは、何をしたいいのかすら未知な世界なのです。家事ができないため結婚も程遠かったようです。
吉原の束縛が一生続く
結局普通の女性としての幸せを掴むことは難しく、吉原に戻ってくるか関連したところを紹介してもらい仕事をするしかなかったのです。年季があけても自由にはならない悲しい現実があったのでした。
再度女郎に戻る場合も
行く当てもなかった元女郎は夜鷹になることを選択する場合もあったようです。暗い夜道に立ち勧誘するのですが、シワを厚塗りした白粉でごまかし、白髪を黒い油で塗り出没していたといいます。約600円ほどで超格安でした。
女郎の階級・呼び方と値段は?
さまざまな人間のドラマがある遊郭ですが、そこで働く儚い女性たちは階級があり呼び方も待遇もさまざまでした。その種類について詳しくご紹介していきます。
最高ランクの「太夫」は1000万!
ナンバーワンとされる太夫になると、知的教養も優れており、踊りや三味線などの芸も抜群でした。教養と芸の両方を兼ね備えた女郎のみに与えられる最高ランクです。2000~3000人いた女郎の中でも3~5人しかなれない超一流なのです。
太夫に会いたい人は粘り強さが必要
付き人である妹分などを含めた宴会代金や女郎屋への祝儀も必要だったため、彼女と床を共にするためには1000万以上の大金が必要でした。大名や公家などの上流階級の男性が利用していたといいます。
「花魁」の値段は400~600万!
遊郭に足を運んで代金を支払えばトップクラスと床を共にできる簡単なものではなく、豪華な遊びをしなければ花魁相手と認めては貰えず、多くのお金が必要でした。
数回通わなければ2人きりになれない
最低でも3回は花魁のために通います。そのうちの2回は宴会で花魁を見るだけです。彼女らの機嫌が悪ければ顔を見ることもままなりません。運よくスムーズに進めば3回目でやっと花魁と2人きりになれるのです。
格式の低い女郎の値段は幅広い
吉原遊郭の中でも中ランクとされる女郎屋では、現在の価格で5万前後だったりもっとランクが下がる見世では5000円ほどだったりと幅広い値段設定でした。その点、サービス内容が異なっていたようです。
銭湯で性的サービスを行う「湯女」
江戸時代初期から大変繁盛したシステムで、表向きは背中を流したり髭を反ることを仕事としていますが裏では銭湯で男性客に性的サービスを行っていました。湯女が繁盛したことで吉原へ出向く人は半減し人気を二分したとされています。
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歴史に残る異例の出世女郎
彼女たちは、5歳前後から長い年月を得て徐々に男性が喜ぶしぐさや言葉を学び、三味線や踊りなどの教養も身に着けていきます。そんな中でも誰もが驚く大出世を遂げた女性がいたのです。
絶大な人気だった勝山
彼女は湯女としてお客にサービスをしていました。その当時から美しさが際立っており評判だったようです。銭湯での性サービス取り締まり中に逮捕され、美貌の良さから吉原へ移ります。
髪型が女性の中で大流行
上品な髪結いで一層美しい顔立ちが映えたといいます。いつしか江戸の女性たちの憧れの的となり勝山の髪型や着物の着こなし方を真似た女性たちが急増しました。
花魁の道中を考案
厚底の高い下駄を履き、豪華な着物を身に纏って遊郭内を優雅に歩く道中は、映画やドラマでも数多く再現されているのでご存知の方も多いかと思います。有名な足どりは彼女が考案し受け継がれていきました。
花魁が帯を前結びする理由
度々時代劇や映画に登場する華やかな着物を身に着け歩く花魁は、通常の着物と違い帯を前で結んでいますよね。あの結び方はなぜなのでしょうか?さまざまなワケがあって前結びだったのです。理由をご説明します。
自慢の逸品
彼女たちが身に着けている豪華な着物は貢いでもらった高価なものや、自分の稼ぎで購入した自慢の逸品です。誇りある地位まで昇りつけたことを見せつけるため、最もアピールしやすい着こなし方をしていたとされています。