ヤママユガとはどんな蛾?幼虫や繭の特徴、種類や飼育方法など紹介

相手を威嚇するような大きく不思議な形の翅をもつのがこのシンジュサンです。分布は広く日本国内では北海道から沖縄まで幅広い地域に生息しています。餌とする樹木が主にクスノキなどに加え、柑橘系の葉も好んで食べます。どちらかという大型のタイプに入ります。

シンジュサンという名前から真珠のような美しさがあるから?という考えになりがちですが、じつはこの蛾は神樹蚕と書いてシンジュサンと読みます。別名ニワウルシという樹の葉を主に食べるのでこの名前がつけられたと言われています。

ヤママユガ科の蛾③ヒメヤママユ

準絶滅危惧種に登録されているのがヒメヤママユです。北海道から九州の対馬や屋久島に分布しており、割と多くの種類の樹木や植物を餌としています。都会ではなかなか見つける事ができません。だいたい8月頃から11月末にむけて観察する事ができます。

この種類は翅の模様が個性的て、識別が簡単にできると知られています。大きな翅を見てみると、目玉のような模様があるのがわかります。リアルな目玉の模様を覚えておくと初心者でも他の蛾と間違わずに識別する事ができます。

ヤママユガ科の蛾④クスサン

こちらも割と大型の種類に入ります。成虫の姿も目を引きますが、幼虫の姿と繭の状態が個性的でそれぞれ別名がつけられるほどです。幼虫期には白色の長い毛を生やしているので「シラガタロウ」と呼ばれ、繭になると網目状に穴が空いたその姿から「スカシダワラ」と呼ばれています。

この面白いクスサンから取れる糸は、古来の釣りをするときのテグスの原料になっていたと言われています。繭からではなく、幼虫の体内にある絹糸線を酢に浸してから引っ張る事でとる事ができるナイロンのような丈夫な糸を作る事ができるのです。

ヤママユガ科の蛾⑤ウスタビガ

この種は東京都では絶滅危惧I類に登録されており、場所によっては見つけるのが難しい事が伺えます。大きさは小さいほうで目玉のような模様が特徴です。繭は卵形ではなく逆三角形のような形で作られ、繭の中に水がたまらないように下部には小さな穴があいている機能的な作りになっています。

ちなみに繭の頑丈さや形が個性的な事で知られているウスタビガですが、この繭から糸を採る事もできます。しかし残念ながら、羽化の時期や餌が限られてしまい大量飼育が難しいためこの繭から糸を紡いで使われるような事は無いようです。

ヤママユガ科の蛾⑥オオミズアオ

大型のサイズ感で、全体的に青白い色をしている。他の種類が卵で越冬するところ、この種類は蛹の状態で越冬をすると知られています。なので、1年に2回誕生するタイミングがあり日本全国に渡り広く分布している種類です。

こんなに奇抜な見た目なのに、私たちの身近に本当にいるのか?気になるところです。実はこのミステリアスな見た目に惹かれる人も多いようです。オオミズアオについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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