それまでわずかに生存していたとされたバーバリライオンは、混血種や、純血種か定かでない個体ばかりでした。しかし2012年、なんとモロッコのムハンマド5世が所有していた私設動物園で、純血種のバーバリライオンが生存していることが判明したのです。
今なお続く絶滅への危惧
モロッコ内の部族はバーバリライオンを献上してムハンマド5世に忠誠心を示していたといいます。その生き残りを、私設動物園で飼育していたのです。奇跡的にその種を残していたバーバリライオン。しかしまだまだ絶滅への危惧は続いています。
繁殖の試みも
見つかった純血種のバーバリライオンたちは、その後モロッコの首都ラバトにあるラバト動物園に移り、繁殖活動が行われています。またフランスの動物園では50頭ほどの混血種も飼育されています。貴重なバーバリライオンを少しでも多く増やしていくことが、今の人間ができる罪滅ぼしなのかもしれません。
モロッコの誇り「アトラスライオン」の今
巨大な神アトラスのように、大きく立派な風貌のバーバリライオン。モロッコで発見されてから現在に至るまで、その種を絶やすまいと大切に飼育されています。気高きアトラスライオンは、モロッコ国民の誇りでもあります。
飼育繁殖が行われる「ラバト動物園」
ラバト動物園では開園直後に3頭のアトラスライオンが誕生し、関係者らは大変喜んだ。「この3頭は王の動物園にいたライオンたちの直系の子孫。まったく純血統だ」とサルヒさんは胸を張る。(引用:「アトラスライオンを絶滅から救え、ラバト動物園の挑戦」)
開園してまもなくアトラスライオンが誕生したことは、モロッコ国民にとっても大変喜ばしい出来事でした。このラバト動物園では、世界の動物園の半分にあたる32頭のアトラスライオンが飼育されています。
アトラスライオンは「モロッコの誇り、大切な存在」
今年、開園したラバト動物園では、アトラスライオンの血統を絶やさないようにと繁殖が試みられている。「国の独立(1956年)以来、この動物園のアトラスライオンはモロッコの誇りを象徴するものとなった」と飼育を担当するアブデルラヒム・サヒルさんは言う。(引用:「アトラスライオンを絶滅から救え、ラバト動物園の挑戦」)
王政国家のモロッコは、国章にも2頭のアトラスライオンが王冠を守るようにして描かれています。国民的スポーツのサッカーやラグビーでも、「アトラスライオンズ」というチームが活躍しています。絶滅の歴史を覆したアトラスライオンは、モロッコを強さを象徴するシンボルでもあるのです。
アトラスライオンの今
幸いなことに、アトラスライオンは、現在でも順調に飼育が続いています。2017年にはドイツ西部の動物園で、雄のシュレーダーと雌のザルの間に、5頭の赤ちゃんライオンが誕生しました。人間の手によって一時は絶滅まで追い込まれたアトラスライオンですが、今では人間と共存しながら新たな命を育んでいます。
犬と仲良し?バーバリーライオンの意外な一面
巨大で獰猛なイメージのバーバリライオンですが、子犬のようにはしゃぐ意外な一面を見ることができる動物園がありました。見た目とのギャップがかわいいバーバリライオンの姿を、動画でご覧下さい。
グレーター・ワインウッド・エキゾチック・アニマル・パーク
グレーターワインウッドエキゾチックアニマルパークは、アメリカのオクラホマ州にある稀少動物を保護するNPO団体で、飼い主が飼いきれずに放棄した動物たちを飼育しています。熊やらくだ、狼など、ふだんお目にかかることのできない動物たちと出会えます。ふれあいコーナーも充実しており、赤ちゃん虎とたわむれることもできます。
自分を犬だと思ってる!?
オスライオンのボーン・ディガーは、子どもの頃から骨の疾患があり、足が不自由でした。捨てられていたところをパークに拾われ、犬のミロと共に幼少期を過ごしました。新たにダックスフンドのブレットとエンジェルも加わり、みんなで仲良く暮らしています。
226kgまで大きくなったボーン・ディガーですが、自分がライオンであることを忘れているかのように、犬たちととじゃれあいます。ミロたちも自分よりはるかに大きな体のボーン・ディガーに臆することなく、飛び付いています。一緒に遊ぶ犬たちの姿をずっと見て育ってきたボーン・ディガーは、自分のことも犬だと思っているのかもしれません。
バーバリーライオンはゲーム「けものフレンズ」にも登場!?
バーバリライオンはスマホゲーム「けものフレンズ」にも登場します。2015年にスマートフォン用ゲームアプリとしてリリースされ、漫画やアニメ化もされた話題のゲームです。たくさんの動物の擬人化キャラクターがいるゲーム内でも、バーバリライオンは強く頼もしい存在です。そのキャラクターと特徴をご紹介していきます。
ゲーム内での容姿
バーバリライオンの特徴であるたてがみのような、ボリュームたっぷりの黒髪がとてもワイルドです。自慢の髪は、手入れを欠かしません。印象的な黄金色の瞳は、猫科らしくつり目です。服装はネクタイをつけており、男の子っぽい雰囲気もあります。ネクタイと同じ紫色のチェック柄のスカートからは、尻尾がのぞいています。