九相図(くそうず)とは?美女の遺体が朽ち果てる姿から見えてくる教えとは

市バス利用の方は「五条坂」バス停で下車し、10分程度歩きます。京阪電車をご利用の方は、「清水五条駅」下車後、徒歩10分程度で到着します。鴨川沿いから、松原通を東方向に直進で西福寺が見えてきます。

見られる場所③九州国立博物館

たくさんの貴重な史料が保存される九州国立博物館においても、保管されています。しかし基本的に公開はされていない史料なので、イベント情報を確認しつつ、公開日を静かに待ち望むしかありません。

ここで見られる九相図:『九相詩絵巻』

『九相詩絵巻』とは、絵巻の形で残る「九相図」として最古のものであり、鎌倉時代に作成されたと云われます。もともとは神奈川県の個人が保有していたものを、現在は九州国立博物館が管理しています。

九州国立博物館までの行き方を紹介

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西鉄バスの最寄駅は「大宰府駅」です。太宰府駅から徒歩10分で到着します。JRを利用の際は、博多駅から鹿児島本線に乗り換え、二日市駅から西鉄バスを利用しましょう。駐車場もありますが有料で、1時間500円となっています。

「噉相(たんそう)」の一幕・『鳥葬』

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九相図の第六段階目にみられた「噉相(たんそう)」の一幕には、鳥に啄まれる描写が存在します。死体を鳥に処理してもらう、「鳥葬」という弔いの方法を今でも用いる地域があります。ここでは、「鳥葬」について解説を加え、より九相図への理解を深めていきます。

鳥葬とは

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チベット仏教、ゾロアスター教において行われる葬儀の方法です。中国のチベット仏教においては、鳥葬用の施設が存在しています。鳥がうまく食べてくれるように、僧侶が骨を石で砕きながら、細かく遺体を解体していきます。西インドのゾロアスター教でも、現在同じような手法がとられています

鳥葬を行う意義は?

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鳥葬を行うことで、鳥によって肉体をも「天へと送り届ける」ことができると信じられています。また、人間は生前に様々な生き物の命を奪い、食してきたのだから、死後くらい肉体を他の生物へと与えよう、という考え方も根幹にはあります。

日本ではタブー

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日本で鳥葬を行ってしまうと、刑法190条の「死体損壊罪」に抵触するおそれがあります。法的にもタブーです。鳥葬は遺体が傷つくのが前提ですから、遺体を傷つける意図があると解釈されることもあるのです。

九相図を描かせた檀林皇后や小野小町の思想の根幹にも、鳥葬に通ずる考え方がみられました。「噉相(たんそう)」という過程は、人間が他の生命と調和をする瞬間をとらえた一幕だといえます。鳥葬についての記事はこちらをどうぞ。

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