九相図(くそうず)とは?美女の遺体が朽ち果てる姿から見えてくる教えとは

「九相図」が具現化したような場所があるのをご存知でしょうか?アメリカにある『死体農場』という場所です。名前からしておどろおどろしいですよね。でも名前とは裏腹に、真面目な研究施設なんです。

『死体農場(Body Farm/ボディ・ファーム)』とは

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『死体農場』とは、アメリカの法医人類学研究のための施設です。国の認可が下りた、公的な機関です。1981年、アメリカ・テネシー大学の敷地内が最初で、現在米国内に8か所存在しています。

本人や家族の意思により献体された、人間の死体を野ざらしにし、その腐敗と分解されゆく過程を観察し、そのメカニズムを明らかにすることを目的とした施設です。九相図に描かれたような人間の朽ち行く姿を、実際に見ることができます。しかし、研究施設ですので、気軽に入れる場所ではありません。

ハゲワシは最初に「眼」を食べる

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「噉相(たんそう)」の段階で、いくつか判明したことがあるようです。ハゲワシは人間の死体を、必ず眼球から食すのだそうです。また、動物に食べられると遺体の死亡時刻の判定は変わってしまうということも判明したそうです。

驚きの事実も判明

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そして研究者たちに一番大きな衝撃を与えた事実は、「シカ」が「人骨を食べる」というものでした。前々から人骨に噛み跡が残っていたが、肉食動物が肉を食らった際についたものだろうと、誰しもが思っていました。

しかし、経過を観察していると、シカが骨に噛みつく姿が映っていたのだといいます。草食動物も人骨は食すという衝撃的な結果です。『死体農場』について興味をお持ちいただけた方は、さらに詳しく解説されている次の記事もご覧になってみてください。

九相図から得られる物はあなたにも必ずある

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とてもグロテスクで、「なんでこんなものが残したのかわからない!」という印象を与えがちな「九相図」。煩悩を取り払うためだけの九相図ではありません。「九相図」からは、人間の肉体のもろさやはかなさ、さらには生命のつながりを読み取ることができます。

「九相図」を見て感じることは、人それぞれです。ただの「グロい絵」として「九相図」を眺めるのではなく、「九相図」が描かれた背景をしっかり理解し、今一度眺めてみることをおすすめします。その時はきっと、違った感情で「九相図」を受け止めることができるでしょう。

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