小坪トンネルは事故も多発の心霊スポット!恐怖の心霊体験の数々をご紹介

北海道函館市内のトンネルにまつわる怪異。このトンネルの入口には「ゲタに注意」と書いてあり、トンネルの中を車で走ると下駄を履いたおじさんの霊が出現し、下駄を投げつけてくる。その下駄に当たると次の日には死んでしまうという。

実際には、このトンネルに書かれた文字は「けたに注意」であり、「けた」とは橋脚の上に横たえてある受材のこと。この注意書きを「ゲタ」と読み間違えたことが、この怪異の起源となっているようです。

トンネルの老婆

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神奈川県足柄下郡箱根町のトンネルに現れるという怪異。もともとはトンネル近くのバス停で休んでいた際に、孫がひき逃げに遭った老婆で、瀕死の重傷を負った孫を助けるために通りかかる自動車に助けを求めたものの、誰も停車することなく、孫はそのまま死んでしまったそうです。

それからというもの、トンネルで背中に孫の死体を背負った老婆が通りかかる車を止めようとするようになり、止まらない車をものすごいスピードで追いかけるようになったといいます。また、この老婆を見ると、止まっても止まらなくても永遠にトンネルから出られなくなる、とも言われています。

侍トンネル

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神奈川県鎌倉市の山奥にあるトンネルにまつわる噂。このトンネルの中にはなぜか侍の絵が描かれており、その絵を見るためにトンネルに入った人間は、トンネルから出てきた際に倒れてしまう、というもの。その体には刃物で切られたような傷痕が多数生じており、人がこのトンネルを通り抜けるたびに、侍の絵に色がついていくのだそうです。

その他、関東最「恐」とされる心霊スポット、「吹上トンネル」につきましては、以下の記事をご参照ください。

なぜトンネルには「出る」のか?中心と周縁の理論

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ここまで、小坪トンネルを中心に、トンネルにまつわる多種多様な怪異を紹介してきました。しかしそもそもなぜ、トンネルにはそのような怪奇な者たちが「出る」のでしょうか。最後に、文化や物語にまつわる理論を参考に、考察してゆくこととしましょう。

文化とはどうやって作られる?「内」と「外」との分節

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まず考察の前提として、「文化」とはいかに作られるものか、という点について考えましょう。文化とは、「内部」と「外部」との間に境界線を引き、それによって世界を分節することからはじまります。

「内部」は組織化された「コスモス」の空間であり、そこには自分の部族や文化、聖人、インテリなどがおり、統一的な宇宙が存在しています。一方「外部」には、他の部族がおり、そこは野蛮な俗人や民衆などが入り乱れた、混沌の支配する未組織の「カオス」な空間といえます。このような分節から「文化」は生じてきます。

二項対立の限界:「周縁」の誕生

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ですが時代が進むにつれ、このような「内」と「外」という二項対立の構図だけでは、だんだんと世界のなかの存在を説明することが難しくなってきました。たとえば昨今耳目を集めている「LGBT」などは、「男」とも「女」ともつかない「境界的な存在」であるといえます。

そのため、あえて「三項目」を作ることにより、文化や世界をより詳細に理解しようとする動きが生じました。この「三項目」こそが「周縁」です。世界は「中心(内)」と「周縁」と「外」でできている、と考えることにより、文化や世界をよりダイナミックにとらえることが可能となったのです。

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