ですが誰も「馬鹿なことを」と信じず、制止するのもふりきって女のいた方向にどんどん進んでしまいます。一方、残された者たちは「濡れ女から逃げなくては」と引き返すことに決めました。
仲間は帰ってくることはなかった
互いの姿が見えないほど遠くなった頃、先に進んだ船の方から絶叫が聞こえ始めます。とても助けになど向えず、あとの者はただ必死に船を漕いで逃げ出しました。
濡れ女の尻尾は三町(約327m)先まで届くほど大きく、一度目を付けられると逃げきることはできないとされています。こうした長い尾を持つことから蛇体であると考えられてきました。
濡れ女はアニメや漫画にも登場している
今は妖怪好きかオカルトマニアでなければなかなか認知されていないものの、実は漫画やアニメに登場したこともあるこの怪異。それどころか、某有名芸能人が主演のヒット映画にまで登場していた?!
意識して見ていないと気づかないものでしょうが、ぜひ今一度振り返って楽しんでみましょう。
濡れ女が登場するアニメ・漫画①地獄先生ぬ~べ~
90年代っ子なら一度は読んだことがあるであろう、大人気妖怪コミック・地獄先生ぬーべー。メジャーからマイナーまであらゆる妖怪が登場しますが、ある回では人間に憑りつく濡れ女子という妖怪が現れます。つま先から髪の毛まで全身濡れそぼっているためよく濡れ女と間違われるのですが、蛇も赤子も関係なく人も食べない、実は別種の妖怪です。
濡れ女が登場するアニメ・漫画②ゲゲゲの鬼太郎
妖怪アニメの王道といえばゲゲゲの鬼太郎でしょう。放送回数が抜群に多いため複数回登場しています。第3期放送6話と第6期放送7話では、どちらも幽霊列車ににぎやかし役として乗っていました。
また温泉回でサービスシーン?!を見せ、ウエンツ瑛士主演の実写版にも美女として登場しています。鳥取県の水木しげるロードにも銅像がありますよ。
濡れ女のように水辺に現れる妖怪
海、川、池、時に風呂場や便所にも、水場には怪奇怪談が多く集まるものです。ここからは、水辺を住処とする妖怪たちを紹介していきます。
水の怪異、と言われて即座にこれらが浮かんだのであれば、あなたは立派な妖怪マスターです。
水辺に現れる妖怪①牛鬼
西日本を中心に広く分布する妖怪であり、四国地方や近畿には、伝承からとって「牛鬼」と名付けられた滝や淵が存在しています。詳しくは以下の記事からどうぞ。
水辺に現れる妖怪②河童
カエルのようにいつもしっとり濡れていて、頭のお皿が乾くと力が抜けてしまいます。人間と相撲したりと愛嬌がありますが、尻子玉(命)を抜こうとするおそろしい一面もあります。