忌み子とは?意味や特徴は?今も残る歴史的背景や実話もご紹介

人間関係に関しては友達や近所の人間から避けられるという事があります。両親に限らず集落全体などから不吉や祟り等といった印象を持たれていたため嫌われる存在であり友人など人間関係を築くことができないと言われています。また、不幸持ち込まれないようにと忌み子と距離を置き、接触を避けていたそうです。

周囲の人達から距離を置かれ接触を避けられることにより、自分の存在意義を見出すことができずに孤立してしまう傾向にあります。学校などに行かせてもらえないこともあったとされ、知識や言葉の発達なども周囲と違いが出てしまうため友達ができないとも言われています。

自分自身を愛せない

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両親や親族近所の人から愛されない子どもとなりますので忌み子と呼ばれる子どもは自分自身を愛することができないと言われています。それは、「自分はいらない存在」と感じてしまうため、自分を大切にする感情が持てないためリストカット等をしてしまうこともあるそうです。周りの人に受け入れて貰えないのは当然と考える傾向があります。

自分自身を愛せないことが原因で自分も人に対する愛情が持てずに周りの空気を読めなかったり、人を傷つけてしまうなど人とのコミュニケーション能力にも影響してくると言われています。

忌み子への対処

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昔は忌み子であるとされた場合、親は育てることを放棄する傾向が多かったと言われています。過去には忌み子に対してどのような対処をしてきたのか想像を絶するような対処もあったとれ、忌み子が受けてきた処遇についていくつか紹介をしていきます。

忌み子への対処①殺害

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双子を出産した際、産婆が片われを殺してしまうか、産んだ母親自身が殺してしまったと言われています。出産後すぐに殺してしまうのは周囲に知られると差別の対象が子どものみではなく家全体にも及ぶとされていたからになります。当然殺人は昔も処罰の対象ではありましたが、内々に行われていた事であった為咎められることはなく逆に推奨されていたこととなります。

犠牲となるのは、大体後から産まれたほうとされていました。殺害することにより跡目争いなどが起こることを避けるためとされていましたが、それは跡目争いなどによって血が流れ血族が途絶えてしまう可能性から呪われている祟りであるという考えからだとされています。

忌み子への対処②左遷

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左遷とは、高い身分から低い身分に降格させられることや都心から辺境の地などに送られることを左遷と言います。ここでの忌み子への左遷の意味は後者の辺境の地へ送ることを指します。忌み子は家系においても不幸や祟りとされていた為、養子などに出す際も近くではなく遠い土地へ養子へ出すことが多かったそうです。

高い位などにある人にも、当然忌み子の誕生はありましたが高い位であるため、子供を殺すことができなかったと言われています。その場合は子どもを左遷し自身の後継者にせず、養子として手放すことが多かったと言われますが大抵左遷の対象となったのは後から産まれた弟が左遷されることが多かったと言われています。

忌み子への対処③無視・隔離

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家族全体でいないもの・そもそも誕生していないものとして扱うことがありました。ネグレクトに近い状態でしたが育児を放棄された状態で長く生存できる可能性は極めて低く、殆どの子どもが命を落としてしまったと言われています。

他には、周囲に悟られないように隠して生存させていたこともあったそうです。幼い子供を殺害することに、罪悪感があったのではなく祟り等の「呪い」や「不吉」と考えられている忌み子を、殺害すると災いが降りかかることを恐れてのことであったと言われています。

忌み子を取り扱った作品

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忌み子を取り扱った作品は日本だけでなく西洋風の作品もいくつかあります。ここでは忌み子を取り扱った作品をいくつか紹介していきます。

ファンタジーで登場する

どろろ コミック 全4巻 完結セット

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日本での有名な作品としては手塚治虫さん原作の「どろろ」になります。映画化やアニメ化もされている有名な作品となります。どろろは主人公が2人います。1人の主人公は生まれる前に48の魔物への生贄とされてしまい体の48か所が欠損した状態で産まれてきたため父親に捨てられる物語です。

捨てられた後に医者によって助けられ義眼・義手・義足などを付けてもらいます。そしてもう1人の主人公どろろ出会いどろろと共に、自分の身体を奪った魔物を倒していくと奪われた部位が戻ってくるというストーリーになります。

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