そのため肌が露出している状態で、毒蛇である彼らに、彼らの餌である生き物と似た、周りの環境より高い36度前後の体温が感知されてしまうのは非常に危険です。草むらに入る必要がある場合は、極力、肌の露出は避けるようにしましょう。
毒蛇に咬まれた時の対処法
どれだけ気をつけていても、思いもよらぬタイミングで毒を持つ蛇に咬まれてしまうことがあるかもしれません。そうした時はどのように対応したらよいのでしょうか。ここからは毒蛇に噛まれた時の対処法をお伝えしていきます。
対処法①基本はすぐに病院へ行くこと
当たり前の話にはなりますが、まず考えなくてはいけないのは病院の受診です。咬まれてから時間が経つほどに毒が回り危険度が上がることもありますので、できる限り迅速な受診を心がけましょう。ショック状態、呼吸が乱れている、めまいがあるなど危険な兆候が見られるのならば、迷わず救急車を呼ぶようにしましょう。
対処法②ハブの場合は、走ってはいけない
迅速な対応は必要ですが、焦って自ら走ってしまうと毒が全身に広がるのを早めてしまうことになりますので要注意です。ゆっくりと病院へ歩く、家族や仲間に病院へ車で連れて行ってもらうなど、咬まれた後は激しい動作は避けるようにしましょう。
対処法③絞り洗いも有効
噛まれた患部より心臓に近い側を幅の広い布で緩めに縛ることで毒の回りを遅らせることができます。また、近くで水が使えれば血を絞り出すようにして傷口を洗うことで毒をいくらか身体から出すことができます。激痛があっても市販の痛み止めなどは避け、なるべく早く病院へ向かいましょう。
毒を持たない蛇に噛まれたら?
毒がない蛇に噛まれた場合でも、彼らの食物となる生き物からくる細菌が入って傷口が腫れることがあります。ですが普通の傷のように消毒をしていれば数日で治り、重症化などの心配はありません。また、アオダイショウの子供の頃はマムシと見分けがつき辛くなっています。判断できず傷口が痛んで心配ならば、やはり病院で診てもらうと安心です。
蛇と人との関わり
日本に住む身近な種類から世界の珍しい種類までここまで様々な蛇たちをご紹介してきました。人間にとって蛇とはどのような存在であるのでしょうか。ここからは世界の伝承などに少々触れながら蛇と人との関わりについてお伝えしていきます。
蛇は神聖な動物
北欧、ギリシャ、インド、エジプト、タイや中国など、蛇は世界各地の神話において、神の使いであったり神そのものとして伝えられています。また同時にウロボロス、バジリスク、メデューサ、ヨルムンガルド、日本のヤマタノオロチなど強大な怪物の姿で象徴的に描かれてもいます。遥か昔から人々は蛇に対し、畏怖や畏敬の念を抱いてきたのです。
聖書にも登場
最初の人間とされるアダムとイブが、知恵を持ち楽園から追放される発端を作ったのは1匹の蛇でした。知恵の実を食べるようイブをそそのかし、蛇自身もその罰として呪われることになったために足がなく地を這っているとされています。聖書にもこうした形で登場している蛇は、様々な作品、伝承において狡猾な存在として描かれているようです。
水神様として崇められることも
蛇はまた日本やその他のアジアなどで水神様として崇められてきた側面を持っています。水神様はしばしば水辺の生き物の姿形を纏って私たちの前に姿を現わすということで、稲作文化においては何よりも大切な恵みの雨を司る存在とみなされ、現在に至るまで大切にされてきたようです。
真っ白な蛇は幸運のシンボル
現在でも日本各地の神社で白蛇が祀られています。古来より白蛇は金運や子孫繁栄、長寿、幸運の訪れなど大変縁起の良い生き物であるとされています。となりのトトロの歌ではありませんが、もしも逢えたなら素敵な幸せがやってくるかもしれません。
蛇に心はある?
蛇は基本的に感情は持っていないとされていますが、生まれた時から人間に飼われていて人間に撫でられたり抱っこされたりしていると、それをしてくれる特定の人間に攻撃的にならず、側にいても怖がらず安心していてくれることもあるようだ、という報告があります。
餌をあげる前にワクワクしているような動作を見せたりするのは単にお腹が空いているだけ、本能的な動きだという意見もあれば、そこにも感情はあるのだという意見も。蛇と話せるパーセルマウスを持つハリー・ポッターや動物と話せるドリトル先生のように、本人たちに尋ねることができたならどんなに蛇の被害や誤解も減り助かることでしょう。
蛇の種類を知って正しい対応を!
綺麗なバラには棘が、美しく興味深い蛇たちには鋭い牙があります。目の前の蛇が安全な種類なのか判別がつかないままに近づくと、時に危険な目に遭うこともあるということを忘れてはなりません。
ですが、蛇全般をむやみに怖がる必要もないのです。彼らの瞳に映るあなたが、彼らにとって安全でありさえすれば。神秘的な彼らのそれぞれの性質を正しく知り、怖がらせたり怒らせてしまったりしない、正しい距離感の接し方を心がけていきましょう。