マリアナ海溝は世界一深い海!その深さは?海溝に住む不思議な生き物もご紹介!

マリアナ海溝は世界で最も深く、およそ11,000メートルもある海溝です。マリアナ海溝は世界中が注目して研究を進めていますが、マリアナ海溝はまだまだ研究中で不思議と謎がいっぱいです。地球の最深部に棲む不思議な生物たちや最新情報についても紹介します!

この記事をかいた人

自然科学を愛する主婦です。自然に囲まれた田舎に暮らしており、家族でウッドデッキを自作してBBQや燻製に挑戦しています。庭では家庭菜園をはじめ庭木の剪定など大忙しです。庭に野鳥を呼ぼう計画もスタートさせました!夫と1歳の娘、2羽の文鳥(白文鳥、ごま塩文鳥)と毎日楽しく暮らしています。

目次

マリアナ海溝とは?

niki1997 / Pixabay

マリアナ海溝という言葉を耳にした方は多くいらっしゃるでしょう。近年の深海ブームを受けて熱い視線が注がれている不思議とロマンあふれるこの地形について詳しくご紹介していきます。

マリアナ海溝は世界で一番深い海溝!エベレストが入ってしまう?!

Simon / Pixabay

その名の通り、北西太平洋に浮かぶマリアナ諸島付近に存在しているこの海溝。一番の特徴な何といってもその深さです。海溝とは海底に存在する谷のようなもので、その谷の深さが世界一深いとされているのです。

マリアナ海溝の中でも最深とされているチャレンジャー海淵の深さは10911m。世界一高い山・エベレストの標高が約8800mですから、その山がすっぽりと入ってしまうほどの深さなのです。いかに深いか想像していただけたでしょうか。

マリアナ海溝ができた理由とは?

3271136 / Pixabay

そもそも海溝とは海にある谷とご説明しましたが、どうやってそういったこんなにも深さを持つ地形が出来上がったと皆さんは想像しますか?こちらでは簡単にどうやって海溝が誕生したのかをお伝えします。

マリアナ海溝はどうやってできている?

出典:wikipedia

海溝とはプレートとプレートのつぎめのような箇所とも言えます。図の様に2つの巨大なプレートが重なり合い、片方のプレートがもう片方を地球内部へと押し込んでいることでこういった地形が誕生します。

マリアナ海溝は太平洋プレートとフィリピン海プレートが重なり合っている地点で、フィリピン海プレートが太平洋プレートを下へと押し込んでできあがりました。

マリアナ海溝が深い理由とは?

Free-Photos / Pixabay

プレートとプレートの重なりによって誕生する海溝の中でなぜ今回ご紹介する海溝は11000mにもなる海溝を形成しているのでしょうか?新しい研究結果から様々なことがわかってきました。

マリアナ海溝はどうしてこんなに深いのか?

TeroVesalainen / Pixabay

地球物理学者ロバート・スターン氏は北大西洋の海底は地球最古といってもいいほど昔(1億8000万年前!)に形成されたことが理由の一つとしています。

1億8000万年もの昔に地底から溶岩が吹き出され、マグマが海底を冷やされながら流れていくことで密度の高いプレートが形成され、ゆっくりゆっくりと太平洋プレートがフィリピン海プレートの下を潜るようにして地球深層へ向かって沈み込んでいったことで深い海溝が出来上がりました。

なぜプレートが動くのか?プレートテクトニクス説を考える

WikiImages / Pixabay

プレートがプレートの下に潜り込んでいって海溝ができたということはご理解いただけたと思いますが、なぜそもそもそも地球を覆うほどのとんでもない大きさのプレートが動くのでしょうか?私たちが暮らしている地面はプレートの上に存在し、今なお感じることができないほどの速度ではありながら確実に動いているのです。

プレートテクトニクスとは

AnnieSpratt / Pixabay

プレートテクトニクス説と聞けば理科の授業で習ったので覚えている方も多いでしょう。

少し専門的な話をしますと、地球のど真ん中には金属から成る核が存在し、そこから外へ向かって外核、下部マントル、上部マントル、地殻と構成されていると考えられています。この要素のうち、地殻と上部マントルを合わせたものをリソスフェアと呼び、これによって形成されているのがプレートたちとなります。

kareni / Pixabay

地球には実に14~5枚の大きなプレートと40枚程度の小さなプレートが存在していると考えられています。これらのプレートは海の中にある太洋プレートと、陸を形作っている大陸プレートの2種類が存在しています。プレートが様々に重なり合い、沈み込むこと(沈み込み型)で海溝を形成し、ぶつかり合って隆起すること(衝突型)でヒマラヤのような山脈を作り上げてきました。

地球が陸も海のどちらにせよ、凹凸をもつ実に様々な地形をしているのはこのプレートたちの動きによってなせる業なのです。

skeeze / Pixabay

そしてこのプレートたちは固有の方向にマントルの流れによって今なお動いているのです。地球がはるか昔に誕生し、すっかり落ち着いた今は年に数センチずつの実にわずかな動きになりますが今なお動き続けており、こうしている今ですら地形は変わっているともいえるでしょう。

WikiImages / Pixabay

こういった考えをプレートテクトニクスといいます。こうしてプレートテクトニクス説に基づいて太平洋プレートはフィリピン海プレートの下へと潜り込んでいったのです。そして11000mもの深い海溝を作り上げました。

ハワイは日本に近づいている

BKD / Pixabay

私たちが暮らす日本は海に囲まれているだけではなく、その下には4枚の大きなプレートが存在しています。小さな島国ながら4枚ものプレートがあるのです。そしてこれらはマントルの動きによって今もなお動いています。

国土地理院にある設備、超長基線電波干渉計によって観測されたデータによると太平洋プレートは私たちの住む日本のある方角へ向かって少しずつ近づいているというのです。そして、その太平洋プレートの上にはハワイ諸島があります。

skeeze / Pixabay

その動くスピードは1年に6~8㎝。もしこのままのスピードでプレートが動いたとしたならば、約8000万年後には日本とハワイはぶつかるというのです。日本の隣にハワイがやってくるなんてとんどもない話ですね。

厳密にはハワイはこのまま進むと日本海溝の中に沈み込んでいってしまうのですが、8000万年後には今の地形は存在していないと想像するといかにプレートが現在進行形で動いているのか実感しやすいでしょう。

プレートの潜り込み方には「チリ型」と「マリアナ型」がある

Alexas_Fotos / Pixabay

マリアナ海溝は海洋プレート同士がマントルの流れに導かれながら衝突し、重なり合い、一方が潜り込んでいきました。この2つのプレートの動きによって10000mを超える深い海溝が生まれたのはこれまでのご説明の通りです。

海に存在している太洋プレートの重なりに関して言及すると、そのプレートの重なり方で「チリ型」と「マリアナ型」に分類されています。この重なり方が地震に関係しているとこれまで考えられていました。

チリ型

出典:wikipedia

片方のプレートがもう片方のプレートに対して緩やかに潜り込んでいくものをチリ型と呼んでいます(画像上)。比較的歴史の浅い・若いプレート間で形成されることが多く、潜り込む角度が浅いため、下にもぐっているプレートが上のプレートを押し上げやすい構造にあります。そのために地震が起こると考えられています。

このチリ型のプレートは長い歴史の中で何度も地震を起こしながら潜り込む角度がどんどん深くなり、最終的には後述するマリアナ型に移行すると考えられています。

マリアナ型

出典:wikipedia

今回のマリアナ海溝からつけられたマリアナ型は先述のチリ型に対して深い角度でプレートが潜り込んでいくことが特徴です(画像下)。画像の様に真下へ向かって潜り込んでいくため、下にあるプレートが上のプレートを押し上げることは早々なく、そのためマリアナ型のプレートたちが地震を引き起こす可能背は低いとこれまでは考えられてきました。

マリアナ海溝と地震の関係とは?

Arcturian / Pixabay

マリアナ型のまさに代表であるマリアナ海溝は地震を起こすプレートではないと考えられていたと先ほどご紹介しました。しかし近年の目覚ましい研究によりそうではない可能性も見えてきました。

マリアナ海溝は地震と関係ないとされてきた

johnhain / Pixabay

前述したように、マリアナ海溝は深く直角といえるほどの角度でプレートがマントルへ向かって潜り込んでおり、プレートが上のプレートを押し上げることは困難であるとされていました。そのため長い間、地震をおこすのはチリ型のようなゆるやかな角度でプレートに潜り込んでいる海溝であるとされていました。

マリアナ海溝の研究が進むにつれて変わる意見

mozlase__ / Pixabay

しかしごく最近発生した2004年のスマトラ島沖地震並びに2011年の東北地方太平洋沖地震の発生源となったプレートは、チリ型ではなくなんとマリアナ型の海溝だったのです。そのため、マリアナ海溝でも地震が起こる可能性は否定できなくなりました。

万が一、マリアナ海溝で地震が発生した場合に想定されるマグニチュードは8.5。東日本大震災はマグニチュード8.8から9.0とされていますのでそれと同レベルの地震となります。

東日本大震災が「想定外」の地震と呼ばれたわけ

東日本大震災の発生源となったプレートは北アメリカプレートと太平洋プレートによって形成されている日本海溝です。日本海溝の最深部は8020m。マリアナ海溝ほどではありませんがエベレストは十分入ってしまう深さのまさに「マリアナ型」の海溝だったわけです。

地震が起こることはないとされていたそのマリアナ型の日本海溝が地震を起こしたことで「想定外」の地震と呼ばれることになりました。そしてその地震によって引き起こされた被害の大きさはみなさんご存知の通りでしょう。私たちはそんなプレートの上で暮らしているのです。

マリアナ海溝の底の世界とは?

lucatelles / Pixabay

NEXT マリアナ海溝の底の世界とは?