えたひにんとは?意味は?えたとひにんの違いや仕事・苗字など紹介

つぎは被差別地域を題材にした漫画をご紹介します。漫画はイラストがあるので当時の雰囲気がとてもよくわかります。中には目を背けたくなるような描写もあり、ずっしりと心に刺ささります。

漫画①「カムイ伝」

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出自が非人の忍者である主人公カムイが、身分制度の厳しかった江戸時代で壮絶な戦いを繰り広げる物語です。階級社会の矛盾や、差別することの不条理さなどがテーマとなっています。アニメ版や実写版映画、ラジオドラマも作られています。

漫画②「血だるま剣法・おのれらに告ぐ」

血だるま剣法・おのれらに告ぐ

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部落出身の主人公が、部落民を救おうと道場で授業に励みます。しかし主人公自身も道場で差別を受けます。そこから血みどろの復讐劇がはじまるという物語です。

内容に対して部落解放同盟から抗議を受け絶版となりますが、穢多を伏せ字にして復刻版が作られました。

漫画③「破戒 まんがで読破」

破戒 ─まんがで読破─

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島村藤村の小説「破戒」を漫画化したものです。封建制度の名残が残る明治時代を、部落出身の主人公が差別に苦しみながら生きていく姿を描いた作品です。

部落出身の親子の愛情の形や、いわれのない差別をすることへの警鐘など、考えさせられる内容となっています。

同和の逆差別問題

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政府の差別を無くそうとする同和政策によって、逆差別問題点が起こっていることを知っていますか?

昭和44年、国が部落差別撤廃に本腰を入れ、通称「同和立法」が成立しました。この政策によって33年間に渡り15兆円が費やされ、部落への優遇改善措置が取られました。国としての政策は終了していますが、地方自治体によっては今でも対策事業が行われているところもあります。

同和立法の内容は?

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昭和44年、部落への差別を無くそうと通称同和立法がつくられました。10年の期限付きの法案でしだかた、その後も名前を変え33年間続けられました。それはどのような内容だったのでしょう。逆差別が生じるきっかけとなった政策の内容を詳しく見ていきましょう。

環境整備や社会福祉施設の設置

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一般的には開発が遅れていたとされる同和地区の道路の整備、堤防の設置、交通手段の提供などが行われました。また隣保館(人権センター、解放会館、コミュニティセンターなどとも呼ばれる)を設置しました。自治体によっては児童館や老人福祉施設なども含まれる場合がありました。

公共住宅、保育所の設置

同和地区の住民を対象とした公共住宅を設置しました。住宅地区改良法があり、地区内の住居をリフォームし、同地区住民を対象に賃貸住宅として提供する改良住宅というものもありました。

また同地区児童を対象とした公共の保育所を建て、同地区住民であれば共働きでなくても優先的に入所することができました。

納骨堂や墓苑の設置

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同和地区住民を対象とした納骨堂・墓苑・斎場・火葬場、またそれに付随する関連施設が造られました。それまではお墓を持てない人たちもたくさんいたということになります。

専用の産業関連施設の設置

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雇用創出の名目で、地区内に同住民のみを被雇用者とする共同作業場などを設置しました。農林事業として牛舎、豚舎、堆肥舎などを造ったり、野菜の栽培施設を建設しました。それにくわえ、車や各種備品も提供されました。

租税の免除と助成金

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固定資産税や保育費の減額措置が取られました。減免率は自治体によって区々でした。また同和地区を対象とした各種補助金や助成金があり、奨学金の補助、企業の設立や住宅新築の際の助成金を受けることができました。また自治体によっては自動車学校の教習料金も無料でした。

妬みや不満の発生

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同和立法により同和地域の環境が改善されたことは間違いありません、しかしその影で同地区以外の周辺環境は改善されませんでした。さらに同和地区のみを対象とした給付金制度などが不公平感や妬みを生む結果となりました。

えせ同和行為が問題に

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その結果、同和権利や部落関係を名乗って利益をうけようとるす「えせ同和行為」が起きるようになりました。

例えば、同和地域に対する理解を促すことを口実に高額な書物を売り付けたり、寄附金や協賛金を出資するよう強要する行為があります。その資金が暴力団へ流れていることが懸念されるため、法務省が注意を呼び掛けています。

妬みからくる逆差別?

逆差別とは、差別を撤廃しようとする過程で、差別されてきた側を優遇することにより、そうでない者との待遇・公平感が損なわれることから生まれるものです。

同和問題は差別だけではなく、逆差別という新しい問題点とも向き合わなければならない状況となっています。

部落差別は根絶しなければいけない

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えた・ひにんは身分差別を受けていましたが、皮革産業を担ったり警察業務の手伝いをするなど幕府からは必要とされた存在でした。身分が撤廃されてから約150年が経ちますが、いまだに当時の名残が部落差別として残っています。結婚・就職・引っ越しなど、誰でも自由に暮らせる時代を作って行かなければなりません。

ネットにはさまざまな情報が出回っています。誤った情報を鵜呑みにしないよう注意し、まわりに流されず自分の考えで地域差別と向き合っていくことが大切なのではないでしょうか。

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