第一審で稲川みゆきは「下半身を腰に押し付けられた」という証言を、「下腹部に押し付けられた」という証言に、変更が加えられています。
稲川みゆきは170cmほどの長身で、沖田さんとは約10cmもの身長差があり、前者の証言通りならば沖田光男さんに犯行は絶対に不可能なので、とっさに証言を変更したのだと思われます。
二審判決での疑問
この判決を受けて沖田さんは控訴したものの、またもや痴漢は行われたという判決が下されてしまいます。
その際に、「沖田さんが捕まえられそうになった際、逃げ出そうとした」、と最初の裁判ではなかった警察の不審な証言が追加されています。
最高裁で審議不十分として東京高裁に差し戻し
最高裁では、沖田さんから稲川みゆきへの請求について審議が不十分だったとされ、東京高裁に差し戻しが決定しました。
稲川みゆきが電車の中で通話をしていた相手と、稲川みゆき自身の証言に大きな矛盾が生じていたためだとされます。
差し戻し審で稲川みゆきの嘘が明らかに
2009年の差し戻し審では、当然ながら稲川みゆきの通話相手も尋問されました。
通話相手は稲川みゆきが「おかしな人が来る」としか言っていないという証言でしたが、稲川みゆきは証言で「おかしな人が来る」「体を触られた」と発言しています。
裁判での相手の証言と、検察側に証言した内容が一致したため、証言に嘘の情報があったのは稲川みゆきの方であることが明らかになりました。
東京地裁の再審で痴漢冤罪は免れるも損害賠償請求は棄却
東京地裁の再審により、沖田さんが痴漢をしたことは無かったとされ、冤罪を免れることができました。
ですが、稲川みゆきが痴漢行為を受けていたかそうでないかは、その確たる証拠が無いためはっきりと断定できないとして、彼女に対する損害賠償は棄却されました。
冤罪で逮捕された沖田光男さんと妻の思い
10年以上もの間自身の冤罪事件と闘ってきた沖田さんと、沖田さんを最後まで信じ抜き支えたその妻の当時の様子を解説します。
沖田光男さんを信じた妻
沖田光男さんの妻である沖田有美さんも、最初に話を聞いた時は動転した言いますが、直接沖田光男さんから話を聞いた時に、夫の無実を信じられたと言います。