彼らが持つ毒針は獲物となる虫を麻痺させるためのものであり、そこまで毒は強くはありません。しかしアレルギー反応によっては重症になる場合があります。
トックリバチに刺された時の正しい対処法
彼らは滅多に人間を襲うことはありませんが、万が一刺されてしまった場合、痛み、腫れ、アレルギー反応などが生じます。
刺されてしまったらまず刺された箇所を洗い流して、刺さっている針を抜きます。それから毒吸引器などを使って傷口から毒を抜き取ります。
刺された所を冷やすと腫れを抑えられます。抗ヒスタミン剤、ステロイド外用薬の塗り薬も有効です。自分でできる処置を行ったら、早めに皮膚科を受診しましょう。
トックリバチは益虫?その理由とは?
彼らは危険どころか、人間の生活に良い影響をもたらす益虫のひとつと言われています。その理由を説明します。同じく益虫のひとつであるアダンソンハエトリの記事も合わせてご覧ください。
トックリバチは畑の守り役?
トックリバチの獲物はアオムシやイモムシなど、畑にとっては野菜を食べてしまう迷惑な存在です。トックリバチは彼らを狩ってくれる畑の守り役でもあります。
トックリバチの天敵は「ハエ」?!
意外なことに彼らの天敵はなんとハエです。強い虫の代表である蜂なのにいったいどうしてハエが天敵なのでしょうか。
トックリバチの天敵は「ドロバチヤドリニクバエ」!
彼らの天敵となるハエの名はドロバチヤドリニクバエといいます。彼らはトックリバチの巣に自分の卵を忍び込ませ、餌を横取りしてしまいます。
ニクバエのように、他の虫が集めてきた餌を横取りするような寄生の仕方を労働寄生といいます。ハナバチの一部などもこの労働寄生を行います。
トックリバチの仲間「ドロバチ」
トックリバチと同様に、泥や土を材料として巣を製作するドロバチという種がいます。代表的なドロバチとしてはベッコウバチ、スズバチがいます。
巣の作り方や独りで行動をするという生き方、危険度の低さはほとんど同じですが、ドロバチのなかには既存の穴や窪みを巣として利用する種もいます。