フリッツ・ハールマンとは?カニバリストで殺人鬼!怪物の首の現在は?

それは当時のドイツの時代背景。つまり第一次世界大戦が終戦して敗戦国になってしまい経済的にも精神的にも貧しかった状況。その状況を利用した手口で犯行現場となる自宅におびき寄せた事。そしてあまりに悍ましい殺害方法と死体遺棄をして証拠を隠滅したことによるためだと考えられます。こちらでどんな犯行手口であったか順番に解説していきます。

ハールマンの手口①補導と称して浮浪者・家出中の少年に声をかける

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当時のドイツはまさに閑古鳥が鳴くような状態で、家庭も家もなく行くあてもなくただ彷徨っている少年、さらには犯罪や非行、問題行動に走って家を飛び出した少年たちがたくさんいました。彼はそんな少年たちの中でもひと際綺麗な顔立ちをして中性的な男をターゲットにして声をかけたのです。

このとき怪しまれず『目的』を悟られないように、警察や補導を装い『寝床を貸そう』『食料を分け与える』など甘い言葉で騙して、犯行現場となる自宅までおびき寄せたのです。この時の様子を地元警察は何度か見ていますが、前述した通り彼は警察に対してアングラで仕入れてきた『内情』などを提供して、協力関係にあったため黙認していたり怪しまなかったのです。

ハールマンの手口②遺体を解体し食べて証拠を隠滅

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彼は先ほど解説した手口で犯行現場となる自宅までおびき寄せると、興奮が抑えきれず本性を現し野獣と化しました。自身のタイプである厳選した少年を欲望のままに犯して、行為が終わり静かに寝静まったあと躊躇せず致命傷である喉仏目がけて噛み切って命を奪ったのです。

人肉を食べてみたかったという欲望もあったはずですが、それよりも豚や鶏、魚の様に『人間』をバラバラに一つ一つの臓器や部位を捌いてみたい。という衝動に駆られて抑えきれなかったと自供しているのです。もともと表向きは『肉屋』なので包丁の扱いを心得ており、それが人のものだと分からないくらいには綺麗に捌けたのでしょう。こうして『証拠』となる遺体を隠滅したのです。

ハールマンの手口③共犯者のハンスが服を売り払い証拠隠滅

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当然ながら証拠となるのは人肉や遺体だけではありません。被害者が所持していた物、特に身にまとっていた衣類も大きな証拠となるわけです。実はこの事件の犯人は彼だけではなく『ハンス』という甘いマスクをした青年の共犯者がいました。後程改めてこの人物について解説しますが、彼と共犯者は長い付き合いであり『愛人』関係にあったのです。

そしてその共犯者に被害者たちが所持していたもの、身にまとっていた衣類を提供すると、気に入ったものは共犯者がそのまま自分のものにして、不要なものは地元住民たちに売りさばいてお金にしていたのです。現代であれば別ですが、100年近く前の戦後のドイツともあればこうして物的証拠が流れてしまうと警察もなかなか行方が掴めなったのです。

フリッツ・ハールマンが捕まらなかった理由は警察の怠慢?

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ここまでの内容でも何度もお話ししていきましたが、地元住民、近所、警察までもが彼の犯行の様子や被害者たちの悍ましい『亡骸』を目撃しているのです。それなのになぜ早期に検挙されなかったのか、それは地元の警察と人間の顔をしたモンスターである彼は『協力関係』にあったのです。

ではその関係がいったいどのように築かれたのか?またどんな関係だったのか?こちらの見出しで考察していきます。どんな関係であったにしろ警察が『まずい対応』をしてしまったのは事実であり、ここまで犠牲者を出す事になってしまったのは警察の『怠慢』が原因とも考えられます。

ハールマンは警察の情報屋「アメリカン・ラッソ探偵社」だった

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彼が初めて警察のお世話になったのは士官学校を中退した10代後半の時であり、その時は幼気な少年少女たちが遊ぶ地元の公園にて、被害者の幼児をさらって『わいせつ』な行為をして逮捕されました。励んでいた軍隊も除隊になったあと、彼は『精神異常者』をだしにて様々な犯罪を繰り返して、第一次世界大戦中はほぼ牢屋の中で暮らしていました。

彼は口達者で人から好かれやすかったのでその牢屋の中で、ドイツのアングラに生きる人たちと繋がりを確立して、アングラに精通するようになり出所した後も顔がきくため、毎日の様に食材や物、情報を仕入れるためにその世界に出入りしていたのです。そのとき手に入れた内情を警察に提供していたので、彼は時に『ハールマン刑事』と呼ばれるほど協力関係を気づいていたのです。

ハールマンが売っていた人肉を警察が「豚肉だ」と見逃した

過去の犯罪歴、おかしな嗜好や性癖を持っていた精神異常者だということは警察も知っていましたが、警察にとって彼は情報源として欠かせない存在であり、利用価値があったのでしょう。また単純に仲が良かった警察官も少なくなかったはずです。

そんな信頼できる関係にあるためのなのか、どこからどうみても明らかな、人の肉片を彼が運んで売っていたのを近所の住民が目撃してしまい、警察に慌てて通報しましたが、その住民の言葉に耳を傾けようとせず、肉屋であれば『豚肉』に違いないと犯行を見過ごしているのです。

フリッツ・ハールマンの裁判での様子

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このようにして警察が凶悪殺人鬼である彼と手を結んで協力関係にあり、すぐ目の前で行われている悍ましい『所業』に目を瞑っていたような真似をしていたことが事実だったわけですが、当時の警察はその『まずい対応』公になることを恐れたため余計な口を出さず、彼が被告として裁判に立たされたときはまるで彼が裁判官のように進行役を務めさせ、それをまたも許したのです。

その計らいにより狙い通りその法廷では警察の失態が明るみになりなることはありませんでした。彼はもともと口達者であり話が上手であり、裁判で被告の立場に立たされていながらも進行役を買ったためか、流暢に自分の手口や犯行を語り始めて、傍聴していた人々を驚愕させたのです。そんな裁判の様子をこちらで詳しく掘り下げて解説していきます。

ハールマンの裁判の様子①死体の「売り物にならない部分」を捨てた

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彼は法廷に立つと、ターゲットにして自宅におびき寄せて欲望のために殺害した少年の多くはガリガリだったと話しました。これは無論、戦後の敗戦国のドイツで閑古鳥が鳴くように厳しく貧しい状況であったためです。

そして貧相な体つきの人物が多く(彼のタイプなのかもしれない)肉屋で販売できる部位はそう多くはなく、不要な臓器や頭部などの身体の部位は販売できないといって捨てた。と供述して、ヒトを豚や鶏と同じように食料、商品のように扱っていたという非人道的行為を自らの口から明かしたのです。子供の心臓を喰らったタイの殺人鬼に関する記事はこちらです。

ハールマンの裁判の様子②ふてぶてしくユーモアある発言を繰り返す

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彼は紛れもなく猟奇的殺人鬼であり凶悪なモンスターでありましたが、まだ人間らしい一面も持っていたので、表向きはただの人当たりの良い『肉屋』を営むおじさんでありました。そのためか彼はふてぶてしい様子でユーモアな発言を繰り替えました。その様子はまるでこれから自分に死刑判決が言い渡されることを忘れているかのようでした。

また彼は『これから話す事はバイオレンスでショッキングな内容であるから、女性に聞かせるのは望ましくない』として法廷に傍聴人として出席していた女性をみんな返す様に促しましたが、彼のこの意見は人間が持つ思いやりから生まれた配慮でありますが、当然人権的に考慮すれば不公平であったので認められませんでした。

ハールマンの裁判の様子③被害者を侮辱する発言も繰り返す

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さらに被害者の遺族に対して、平然と侮辱するように誹謗中傷の発言を繰り返しました。容姿が整っていない、つまり不適切な表現にすれば『不細工』な被害者の児童の遺族に対して『私にもタイプの男性がいて選ぶ権利がありお宅の息子なんか趣味じゃない』と酷い発言をしたのです。彼を擁護するわけではないですが、彼の主張はあながち間違っておらず被害者はみんな綺麗な容姿をしていたのです。

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