一つ目の実在しない奇病は、涙が星に変化するという星涙病です。花吐き病と同じく、片思いをこじらせることで発症します。治療法も同じく、相手と両想いになることです。
花吐き病との差異は、症状が進行する病気だということです。星涙病はやがて視細胞を損失し、色彩の感覚が消えてしまいます。さらに記憶障害を引き起こすこともあります。
花吐き病と類似の架空の病気②蝶々病
続いての実在しない奇病は、背中に蝶のような模様が浮き上がってくる蝶々病というものです。暗いところや狭いところで発症することが多く、クチナシの花から蜜を口にすると治ります。
蝶々病が悪化すると、そのまま我をなくして蝶になってしまいます。クチナシは初夏の花なので、季節によってはすぐに治療できない病気なのです。
花吐き病と類似の架空の病気③天使病
次にご紹介する実在しない奇病は、天使のような翼が生えてきてしまう天使病です。
空をも飛べる翼を授かれるのは良いことのように思えますが、患者の生命力を糧に大きさと美しさを増していく翼なので、患者が衰弱していくという症状があります。
美しくなればなるほど弱ってしまうという切なさをはらんだ病気です。
花吐き病と類似の架空の病気④花咲病
花吐き病と間違われやすい実在しない奇病があります。花咲き病といって、皮膚や体の中に植物がはびこってしまう病気です。原因は分からず治療法もない残酷な病気です。
最期はその命を養分として見事な花を咲かせるといいます。
花吐き病と類似の架空の病気⑤鉱石病
鉱石病という実在しない奇病は、体が徐々に鉱石に変化してしまうという病気です。全身が鉱石になってしまうと、呼吸ができなくなって最期を迎えます。
全身がきらきらと宝石のように輝く様が大変美しい病気ですが、似た症状の病気が実在するため、不謹慎ではないかという意見もあります。
こちらの記事には、実在する奇病・ハーレクイン魚鱗癬についてまとめてあります。
実在しない奇病を取り扱う商業作品
花吐き病を世に広めた漫画の他にも、オリジナルの奇病をテーマにした商業作品は存在します。その中でも実に美しい作品だと評価された小説を一つ取り上げます。
「マレ・サカチのたったひとつの贈物」
「マレ・サカチのたったひとつの贈物」は、出会いと別れをテーマにした小説。量子病という存在しない奇病を題材にしています。
空間をワープしてしまう量子病とは
量子病とは、自分の意向とは関係なく場所を移動してしまうという珍しい病です。いつどこにワープするのか予測できないため、この病気に侵された者の精神の疲弊は計り知れません。
特徴としては、必ず誰か人間の前にワープすることと、移動先には服や靴などの身に着けた物だけしか持っていけないことです。
物語のあらすじ
ごく普通の女性である坂知稀は、量子病のせいであちこちへ飛ばされ続ける人生を歩みます。その過酷な状況の中で、彼女は出会った先の人々と触れ合い、そして別れていくのです。
花吐き病のように作品の設定がパロディによく使われる作品
なにもパロディの題材として使われやすいのは、花吐き病やその他の実在しない奇病だけではありません。パロディ作品にも多様なジャンルがあるのです。