ムラソイとは?生態や釣り方、レシピを大公開!

ムラソイはカサゴやタケノコメバルのような見た目をした魚です。
あまり聞いたことのない名前ですが、実は全国に分布しており、釣りのターゲットとしても好まれています。
今回はあまり知られていないムラソイの生態や釣り方から、美味しく食べれるレシピまでご紹介します!

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ムラソイの特徴1生態

ムラソイはスズキ目メバル科メバル族に分類される魚です。まずはムラソイの見た目や産卵期などの特徴について見ていきましょう。

どんな見た目?

ムラソイは、カサゴと似ている魚と認識している方も多いでしょう。実際にムラソイはカサゴに似た見た目で釣り慣れた人でも見分けがつかないこともあります。また、赤褐色の個体から、黒や茶っ個体がおり、見た目の印象は個体によって大きく異なります。その一方、どの個体にも共通した特徴として、背びれや尾びれの黒点が見られます。

ムラソイの大きさは?

ムラソイは手頃に釣ることのできる小型の魚です。多くのムラソイは15〜40 cmほどの大きさで、成長してもあまり大きくならないのが特徴です。

ムラソイの産卵期

ムラソイは卵を産まない胎生魚です。胎生魚というのはお腹の中で卵を孵化させ、体長5~6㎜ほどまで赤ちゃんを育ててから産む胎生魚です。産卵期は春から夏にかけてで、産卵期は体が重く動きが鈍くなるという特徴が見られます。ムラソイは比較的成長が遅い魚で、30 cmほどの体長になるまで10年近くかかります。

ムラソイって?2生息分布

ムラソイは全国各地にいる?

ムラソイは寒暖差に関係なく、北海道南部から九州まで、全国各地に広く分布しています。実際には太平洋側と日本海側では少し生息地の違いが見られます。太平洋側では宮崎県から青森県まで、日本海側では九州から北海道まで、と日本海側のほうがより広い生息地を持つことがわかります。

ムラソイが多くいる場所は?

全国各地に広く生息するムラソイですが、ムラソイはどのような場所でより多く見られるのでしょうか?ムラソイは根魚と呼ばれ、比較的水深の浅い、岩礁域を好みます。特にゴロタ場、テトラポッド帯、防波堤の足元といった場所にカサゴなどに混ざって生息していることが多いです。ムラソイは狭い縄張り内で過ごし、海底の物陰で小魚などのエサを待つため、岩礁域の足元付近で多く見られます。狭い縄張りで過ごす一方、縄張り意識が強く、一度釣った場所の付近ではしばらく魚影が見えないこともあります。

ムラソイの見分け方1カサゴとの違い

ムラソイとカサゴは似ている?

ムラソイとカサゴは見た目がそっくりなだけでなく、生息地も似通っています。ムラソイがカサゴという名で売られていることもあるほどです。生息する場所から見た目の特徴までそっくりなムラソイとカサゴですが、誰でも見分けられるようになるポイントをお教えします。

体色が違う?

ムラソイとカサゴは体の色で見分けられる!という話を聞いたことがある人もいると思いますが、残念ながら体の色だけでは見分けることができません。カサゴやムラソイのような根魚は生息する場所、環境に合わせて体の色が変化するため、体の色だけで見分けるのは非常に困難でしょう。

模様で見分けられる?

見分けるのに慣れた人はムラソイとカサゴを模様で区別することが可能です。ムラソイには体全体にしま模様が見え、カサゴにはしま模様がないのが特徴です。しかし、体色と同じで環境に依存して体の柄が変わることもあるので、初心者の方にはオススメできる方法ではありません。

ウロコの違いは?

ウロコが大きいのがムラソイ、小さいものがカサゴという違いがあります。たくさん釣れた場合はウロコで見分けるのも一つの手段になるでしょう。しかしながら、ウロコの大きさを比較しながら判断する必要があるので、慣れていない人にとっては難しい方法です。

アゴの形で見分ける

ここまで、初心者の方には向かない方法ばかりを紹介してきましたが、ここからは見分け慣れていない人でもムラソイとカサゴを見分ける方法をお教えいたします。一つ目の方法は口とあごで見分けることです。上あごに比べて下あごが出ている受け口であるのがカサゴ、そうでなければムラソイです。あごの形状は環境によって変わることもなく、ほとんどの個体で同じ特徴を持っているため見分けやすいでしょう。

ヒレで見分ける!

尾ひれの色と形も見分けやすポイントの一つです。尾ひれに白い斑点が見られ、角ばっているのがカサゴ。白い斑点がなく、丸みを帯びた形をしているのがムラソイです。尾ひれの特徴も比較的わかりやすく、一目で見分けることができるでしょう。

ムラソイとカサゴを見分けるにはアゴと尾ヒレを確かめよう

あごの形と尾ひれがムラソイとカサゴの決定的な違いです。まずはその2つの特徴を覚え、ムラソイとカサゴを見分けてみてください。

ムラソイの見分け方2タケノコメバルとの違い

タケノコメバルにもそっくり?

ムライソとタケノコメバルもよく間違えられる組み合わせの一つです。釣り慣れた人でも見分けがつかないなんてこともしばしばあります。そんなムラソイとタケノコメバルの見極めるポイントをお教えします。

色で見分けるには?

ムラソイが赤茶、茶、黒っぽい色をしているのに対して、タケノコメバルは釣ってすぐの状態ではは黄色がかった色をしています。しかし、釣ってしばらく経つと体の色が変化するため、あまり色で見分けることはオススメできません。また、個体や成長速度、環境によっても色が変わってくるので、体の色で見分けることは非常に困難でしょう。

顔の形で見分ける!

ムラソイとタケノコメバルは釣りのプロでも見分けられないといわれています。そんな2種を初心者でも見分けることができるポイントが顔の形です。目と目の間にあるヘコみの有無に注目してみましょう。ムラソイには目と目の間のおでこの部分がヘコんでいます。一方、タケノコメバルにはくぼみが見られません。少し難しいように思われる見分け方ですが、体色で見分けるよりも確実に見分けることができます。

ムラソイの釣り方1時期

ポピュラーな釣りターゲット

あまり釣りをしない人にとってはムラソイという魚は聞きなれないかもしれません。しかし、あらゆる方法で釣り上げることができ、エサへの食いつきが良いことから、釣りのターゲットとして好まれています。

春から秋を狙おう

ムラソイはオールシーズン釣ることが可能ですが、特に春から秋にかけての4月〜11月がベストシーズンとなっています。特に夏の間は水深50 cmほどの浅瀬にいることも多いので、夏場はムラソイが釣りやすいオススメの時期です。

ムラソイの釣り方2ポイント

オススメの釣りスポットは?

ムラソイの生息地をいくつか紹介しましたが、特にオススメなのはゴロタ場です。ムラソイは足元付近の少し深くなっている(くぼんでいる)ような場所に潜んでいることが多くあります。

同じ場所で釣り続けても大丈夫?

ムラソイを同じ場所で釣り続けることは避けましょう。基本的にムラソイは縄張り意識が強く、一度ムラソイを釣った場所にはしばらく近づかないことも多々あります。一度釣ったら場所を変えて釣りを楽しみましょう。

ムラソイの釣り方3エサ・仕掛け

どんなエサを使う?

ムラソイのエサはどのようなものでも大丈夫です。というのも、ムラソイは縄張りが狭くあまり大きな動きをしないため、目の前にやって来たエサにすぐに食いつく性質があります。手軽に入手できるオキアミやシラサエビ、冬であればアオイソメもオススメです。もちろん高値のエサを使用すれば、より食いつきが良くなります。エサにはそこまでこだわらず、余裕のあるときには高級なエサでチャレンジしてみましょう。

どんな仕掛けを使う?

ここからはムラソイの穴釣りのオススメの仕掛けを紹介します!ムラソイにはブラクリ仕掛け、ジグヘッド仕掛け、ミャク釣り仕掛けなどが使用できます。特に浅場で釣りを行う際には、ジグヘッド仕掛けやブラクリ仕掛けが好まれます。どれを選ぶかは好みが分かれるので、ご自身にあった仕掛けを選んでみてください!

ムラソイの食べ方

ムラソイって美味しい?

ゴツゴツした見た目で食べれるの?と思われる方も多いですが、お刺身でも食べれるほど美味しい魚です。

食べごろは秋から春

ムラソイの旬は秋から春にかけてです。この時期は身が締まっていて美味しく、高値で取引されることも多くあります。

美味しいムラソイの特徴は?

ムラソイを食べるときは極力退色していないものを選ぶようにしましょう。また、触ったときに張りがあるものがオススメです。

ムラソイのオススメ料理1

ムラソイはどんな調理法でも美味しく食べることができます。釣れたムラソイのサイズに合わせて食べ方を変えてみるのもオススメです。大きいものはお刺身や煮付けで、小さいものは丸ごと唐揚げにするなどあらゆる調理法を試してみましょう。

新鮮なお刺身で

活魚はお刺身として食べることができます。鮮度が高すぎると少し身が硬いため、寝かすのがポイントです。さばく際にヌメりが気になることもありますが、その場合は身や包丁を水で洗いながらさばくようにしましょう。ただし、少し味が落ちてしまうので、ヌメりが気にならない場合は水で洗うのは避けましょう。

お刺身の残りは煮付けに

お刺身で使った頭部など残りの身は煮付け(兜煮)にするのがオススメです。煮ることで甘みが引き出され、まるでお肉のような味わいが感じられます。

お味噌汁にもぴったり

ムラソイはお味噌汁の具としてもぴったりです。ムラソイのアラや頭部を出汁で煮出して、お味噌を入れれば完成です。お好みに合わせてお豆腐やネギを添えればより美味しいお味噌汁が出来上がります。

ムラソイのオススメ料理2

ここまでお刺身やお味噌汁、煮付けなど基本的な料理を紹介しましたが、ここからは少しアレンジを加えた料理を紹介していきます。

カルパッチョにしても美味しい

ムラソイはカルパッチョにしても美味しく食べることができます。お刺身と同様にさばいた身に、オリーブオイル、ニンニク、塩コショウを振れば簡単にカルパッチョが出来上がります。おもてなしにもぴったりです!

お酒のおつまみにも

ムラソイの唐揚げはお酒にもよく合う美味しいおつまみになります。身を切って下味をつけたあと、片栗粉をつけてあげれば完成です。鶏肉にも似たムラソイの味わいは唐揚げにはもってこいです。子供から大人まで誰もが好きな一品です。

まとめ

あまり聞きなれない魚であるムラソイですが、実は釣りのターゲットとして優れていることがわかっていただけたかと思います。さらに釣った後は、あらゆる調理法でおいしく食べることもできてしまいます。釣りの初心者からベテランの方まで、春から秋はムラソイ釣りがオススメです。

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