ダッチオーブンの魅力
キャンプギアとして長年愛されているダッチオーブン。黒光りする鉄製の武骨なデザインはアウトドア男子のロマンであり、機能性に優れいつもの料理をよりおいしくすることのできる魔法の鍋は、料理で妥協したくないアウトドア女子のあこがれでもあります。そんな素敵なダッチオーブンの魅力を見ていきましょう。
ダッチオーブンは魔法の鍋
ダッチオーブンは様々なお料理を可能にしてくれる魔法の鍋です。最近でこそ様々な素材のものがリリースされていますが、もともとは鋳鉄製のものが主流でした。どっしりとした存在感のある見た目に違わず、高い蓄熱性や保温性を実現してくれる構造により、食材にじっくりと均等に火を通すことができます。
食材が持っている水分による水蒸気が厚手の蓋と本体との隙間をぴったりと埋めるため、食材の水分を逃がすことなく、食材のうまみを最大限に引き出したお料理が可能となります。
キャンパーのあこがれ”ブラックポット”
ダッチオーブンが敬遠されがちな理由の一つとして、シーズニングをはじめとする手入れのの必要性があげられます。こうした作業は実際にダッチオーブンを扱っていない人にとっては煩わしかったり、難しそうに感じてしまう一因ですね。
しかしながら、実際に使っている人の中には、こうした”鍋を育てる”工程をむしろ楽しんでいる人も多いということも事実です。長年愛用することによって、黒光りした渋みのあるダッチオーブンは”ブラックポット”と呼ばれ、ダッチオーブンを使用しているキャンパーの憧れのアイテムでもあります。
ダッチオーブンの選び方
ダッチオーブンに限ったことではありませんが、、料理用のアイテムはその材質や加工、サイズによって機能性が大きく異なります。なので、よく知らない人にとっては、選ぶ際に必要な情報を抽出することができず苦労することも多いようです。
ダッチオーブンは調理器具として決して安いアイテムではありません。また、丁寧に扱い、手入れを怠らないことで、長年愛用することのできる一生もののアイテムです。選ぶ際にはぜひ十分な時間検討して最高の1つを選びましょう。
ダッチオーブンの素材は5種類
ダッチオーブンの素材は主に以下の5種類。もともとは鋳鉄製のものが主流ですが、最近では持ち運びやすさや手入れのしやすさなどを求めるニーズにこたえて、様々な素材での商品展開がされています。
鋳鉄
最もスタンダードな素材です。比較的リーズナブルな価格帯で購入できるものが多く、ラインナップも豊富です。最初はさびやすかったり手入れに手間がかかったりするものの、使用回数を重ねるうちに表面が油でコーティングされ、テフロン加工のように食材が焦げ付きにくい状態になってきます。長く使えば使うほど愛着のわく、育てがいのある鋳鉄製は、ダッチオーブンの定番です。
黒皮鉄板
製造過程で鉄板を圧延する際に鉄の表面に酸化被膜を作り出すことによって錆びにくく加工しています。コーティング系の加工とは異なるものですので、洗剤やたわしで洗っても簡単にははがれません。型に流し込んで成形する鋳鉄製とは異なり、一枚の鉄板から製造されるため、比較的強度が高く、温度変化にも強い素材です。
ダクタイル鋳鉄
ダクタイル(英語:ductile)鋳鉄は、「延性のある」という意味通り、強度や延性を強化した鋳鉄素材です。そのため、ヒートショックや衝撃への耐性が向上しており、強度がありながらも薄型・軽量のダッチオーブンデザインを可能としています。
ステンレス
ダッチオーブンの常識を覆したといわれる新素材です。面倒といわれがちなシーズニング、使用後の手入れが必要なく、洗剤を使って鍋を洗うことができるため、家庭の一般的な鍋と同様に扱うことが可能です。
ステンレス製ですので清潔・軽量・錆びにくいの三拍子がそろっているのはまさにダッチオーブン界の革命。蓄熱性も優れており煮込み料理や保温料理に向いています。他の素材と比べると高価ですが、性能は折り紙付きなので予算が合えば検討の価値は十分にあります。あえて言うならば、”鍋を育てる楽しみ”がないことが欠点でしょうか。
カーボン
カーボン製のダッチオーブンはあまり種類はありませんが、鋳鉄製のものと比較すると軽量ですので女性でも持ち運びやすいです。また、カーボンによる遠赤外線効果で熱が均等に食材にいきわたることが期待できます。ただし、鋳鉄などに比べて割れやすいため、取り扱いには注意が必要です。
ダッチオーブンのサイズの選び方
ダッチオーブンのサイズは、使用人数や作りたい料理のイメージに合わせて選ぶとよいでしょう。決して軽い素材でできているわけではないので必要以上に大きいサイズのものを購入すると取り回しずらくてお蔵入りになる一因にも。
10のものが最も使い勝手が良いとされていますが、一度に作る料理の量が多い場合などはもっと大きいサイズのものを検討してもよいかもしれません。自分のイメージに合ったジャストサイズを探しましょう。
インチ | 容量(L) | 炊飯(合) |
6 | 1.2 | 1.5 |
8 | 2.9 | 4.0 |
10 | 6.0 | 7.0 |
12 | 8.2 | 12.0 |
(ダッチオーブンサイズ別 容量めやす 早見表)
IH対応かチェック
せっかく高い買い物をするのでアウトドアの利用だけではもったいない!家庭でもぜひ積極的に使いたい人は狙っているダッチオーブンがIH対応かどうかも確認しましょう。底の部分に脚がないフラットなタイプのもので、サイズなども家庭のキッチンでの使用に向いているものかどうかチェックしておきましょう。
ダッチオーブンのおすすめ10選
以上の基礎知識を踏まえたうえでのダッチオーブンおすすめ10選をご紹介していきます! いずれの鍋も、それぞれの個性が光る粒ぞろいのアイテムばかりですので、ぜひ購入の際は検討してみてください。
①ユニフレーム ダッチオーブンスーパーディープ
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
8インチ | 205*205*95 | 2.9 | 4.2 | 黒皮鉄板4.5㎜(IH可) | 9.900 |
10インチ | 260*260*110 | 5.0 | 5.8 | 14.600 | |
12インチ | 305*305*130 | 8.2 | 8.8 | 16.900 |
黒皮鉄板製のさびにくいダッチオーブンです。キャンパーの間でも非常に人気の高いユニフレームのダッチオーブンは手入れが簡単で温度変化にも強いです。4.5㎜の鉄板から切り出す精密な作業によって、本体とふたとの間の気密性が非常に高く、かみ合わせはばっちりです。後片付けの簡単さとダッチオーブンを育てることのできるといういいとこどりのアイテムです。
②ロッジ キャンプオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
10インチ | 255*255*80 | 詳細不明 | 5.25 | 鋳鉄 (IH不可) |
12.500 |
10インチディープ | 255*255*105 | 5.71 | 14.500 | ||
12インチ | 300*300*95 | 8.17 | 17.000 | ||
12インチディープ | 300*300*125 | 8.72 | 19.000 |
アメリカの老舗ブランド、ロッジの鋳鉄製ダッチオーブンです。2種類の径サイズと深さで、4種類のサイズ展開がされています。あらかじめ植物性油を吹き付けてあるため、シーズニングは不要。開封してお湯洗いをするだけですぐに使うことができます。IHには対応していないものの、3本の脚がしっかりと本体を支えるため、炭火の中に直置きしても安定感があります。
③ロッジ プロロジックダッチオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
10インチ | 340*340*106 | 詳細不明 | 5.7 | 鋳鉄(IH可) | 10.500 |
ロッジのアイテムはキャストアイアン(鋳鉄)にこだわりぬいたデザイン。5㎜暑さの鋳鉄により高い蓄熱性を持っており、じっくりと火を通すことができます。また、ふたの裏側には突起がついており、食材から出たうまみを含む水蒸気をキャッチし食材に戻してくれるため、食材をふっくらと風味豊かに加熱することができます。IH対応なので家庭でも使えるのがうれしいアイテムです。
④ソト ステンレスダッチオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
ハーフ | 365*330*105 | 3.5 | 5.1 | ステンレス(IH可) | 19.000 |
8インチ | 310*226*125 | 2.6 | 3.5 | 18.000 | |
10インチ | 365*280*160 | 5.2 | 5.2 | 20.000 | |
12インチ | 415*326*165 | 8.2 | 7.0 | 24.000 |
一般的な鍋とほとんど変わらない使い心地で扱うことのできる革新的なステンレス製ダッチオーブン。こまめなメンテナンスや面倒なしーずにんぐもなく、面倒くさがりさんや初心者キャンパーにお勧めです。ステンレス製なので耐久性も高く軽量ですので、気軽に持ち歩くことができるのも魅力です。
⑤ソト ステンレスダッチオーブンデュアル
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
10インチ | 320*275*124 | 3.5 | 5.3 | ステンレス(IH可) | 22.680 |
ソトのステンレスダッチオーブンのバリエーションです。上蓋をそのままスキレットとして使用することが可能な2WAYタイプのダッチオーブンです。鍋で煮込みをしつつスキレットで焼き物をするなど調理の同時並行が可能なので段取り上手さんには是非お勧めしたい一品です。ステンレス製で油が浮かず、煮汁の色も確認しやすいので、繊細な出汁の風味を楽しみたい和食料理にも最適。
⑥スノーピーク 和鉄ダッチオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
26㎝ | リッド/316*268*56 スキレット/316*268*59 ポット/268*268*120 |
スキレット/2.5 ポット/5.3 |
7.9 | ダクタイル鋳鉄(IH可) | 25.800 |
日本を代表するアウトドアメーカーのこだわりのダッチオーブンです。燕三条の鋳造技術を採用しているダクタイル鋳鉄を使用した、薄くて丈夫なダッチオーブンは唯一無二の品質です。リッド・スキレット・ポットの3パーツから構成されており、様々な料理に対応することのできる鍋です。もともとは22,26、30㎝のサイズ展開があったのですが、現在は最も売れる26㎝に一本化しているようです。
⑦スノーピーク コロダッチシリーズ
サイズ(mm) | 容量(ml) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
コロダッチポット | 162*130*89 | リッド/220 ポット/460 |
1.4 | ダクタイル鋳鉄(IH不可) | 7.000 |
コロダッチカプセル | 282*90*68 | リッド/330 ポット/520 |
1.9 | 8.300 | |
コロダッチオーバル | 242*160*29 | リッド/430 ポット/1.130 |
2.6 | 11.300 |
ころんとしたかわいらしいサイズのコロダッチシリーズは、コロダッチポット・コロダッチカプセル・コロダッチオーバルの3種類でのラインナップとなっています。手軽なおつまみを作りたいときや、簡単なデザートを作るのに最適なサイズ感で、器としてそのまま食卓に出すことのできる気軽さも魅力です。
⑧ロゴス SLダッチオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
8インチ | 235*200*120 | 1.7 | 3.7 | 鋳鉄 (IH不可?) |
6.480 |
9インチ | 270*230*145 | 2.6 | 5.2 | 7.200 | |
10インチ | 285*255*155 | 4.0 | 5.5 | 鋳鉄(IH可) | 8.100 |
12インチ | 365*335*180 | 6.5 | 11.0 | 12.700 |
他のメーカーでは見かけない9インチを含めた、4種類のサイズ展開があるダッチオーブンです。鋳鉄製でありながらもIH対応(8、9インチについては公式での記載がないため詳細不明)しており、シーズニングレスの加工が施されているため、初心者でも安心して使うことができます。他のアイテムと比較するとリーズナブルでありつつ十分な機能性を持っているのでコストパフォーマンスに優れたダッチオーブンです。
⑨ペトロマックス ダッチオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
ft1t | 200*170*115 | 1.7 | 2.8 | 鋳鉄 (IH不可) |
5.600 |
ft3t | 255*220*120 | 2.3 | 5.2 | 6.800 | |
ft4.5t | 310*270*150 | 5.2 | 7.6 | 9.200 | |
ft6t | 365*330*160 | 7.6 | 10.4 | 11.000 | |
ft9t | 365*330*195 | 9.5 | 11.3 | 13.000 | |
ft12t | 420*390*200 | 14.0 | 14.7 | 16.000 | |
ft18t | 440*415*230 | 21.5 | 18.9 | 27.000 |
他を圧倒する7種類のサイズ展開のあるダッチオーブンです。非常にコンパクトでソロキャンプで使いやすいものから、ファミリーはじめ大人数で使いやすい大容量まで、ジャストサイズのダッチオーブンを見つけることができます。蓋のデザインが秀逸で、テーブルウェアとしても見栄えのするおしゃれなアイテムです。
⑩ニトリ ダッチオーブン
サイズ(mm) | 容量(L) | 重量(kg) | 材質 | 価格(円) | |
19㎝ | 245*205*107 | 詳細不明 | 3.0 | 鉄(IH不可) | 1.380 |
24㎝ | 295*255*144 | 5.36 | 2.490 |
「お、値段以上。」のキャッチフレーズでおなじみ、ニトリのダッチオーブンです。「ニトスキ」でおなじみのスキレットが流行しましたが、ダッチオーブンもついに登場。「ニトダッチ」の愛称で親しまれているようです。
値段が安いながらも、低評価の口コミはほとんど見かけません。厚さも4.4㎜と、ダッチオーブンとしては十分な厚みと蓄熱性がありつつ使用感も良いとのこと。ただ、ニトリのサイトでも書いてある通り、一つ一つ手作りなのでサイズ感が異なるとのことです。つくりの甘いものを買うことがないよう、購入時はふたを開けて確認しましょう。