2004年に開催された第24回ウミガメの保護に関する国際シンポジウムにおいて、1982年には約11万5千頭いたとされる太平洋のメスのオサガメの数は、現在約3千頭にまで激減したと述べられています。一体何によってそれほどまでオサガメたちは数を減らしてしまったのでしょうか。
延縄漁業
一つが延縄漁業によるものです。延縄漁業とは延縄漁とは、遠洋漁法の一つで、一本の幹縄と呼ばれる長い縄に、枝縄と呼ばれる釣り針の付いた縄を垂らし、魚を釣りあげます。長さは約150キロメートルにも渡り、そこに約3,000本もの枝縄がカーテンのように釣り下がります。
オサガメはその巨体ゆえに俊敏な動きは苦手で、そのためにこのような網にかかってしまうのです。柔らかな甲羅しか持たない彼らは網から逃れようとしてその柔らかな甲羅に傷を負ってしまい、最終的には溺死してしまいます。
卵の密漁
卵の密漁も絶滅の危機に追い込んだ大きな要因の一つと言われています。マレーシア東部ではオサガメの卵のスープは大変な珍味として珍重されており、その乱獲から個体数の激減を招くとし1989年には食用を禁止しましたが依然として密漁を続ける地域が存在します。
環境汚染
環境汚染もオサガメの生存を脅かしています。1885-2007年に渡ってストランディングした死体を解剖すると、多くのオサガメの胃の中からプラスチック製のゴミが出てきました。クラゲと間違えて海に漂うゴミであるビニール袋やお菓子の包装などといったものを食べてしまい、食道や内臓に詰まらせてしまうのです。
オサガメの飼育はできるのか
オサガメは果たして人による飼育は可能なのでしょうか。身近で雄大に泳ぐところを見てみたいと思いますよね。ここではオサガメの飼育の現状についてお伝えします。