「海のギャング」と呼ばれるウツボとは
ウツボってどんな魚?
ウツボは海で釣りをしているときに、時として外道で釣れる魚で、ウミヘビのようなその長細い魚体に、釣り上げた際、すぐに他の魚と見分けが付きます。どう猛な性格で、鋭い歯と大きな口を持ち、周りにいる魚を食べてしまう大型肉食魚であることから、「海のギャング」として知られています。
ウツボの生態や特徴
ウツボの生態は?
鋭い牙を剥き出しにし、獲物に食らいつく光景はまさに圧巻。自分より大きな敵が近づくと、大きな口を開けて威嚇します。それでも敵がひるまない場合は、容赦なく食らいつく。【海のギャング】と言われる所以と言えそうです。
日中の明るい時間帯は、サンゴ礁や岩場などの岩礁帯、テトラポットの隙間などに身を隠し、獲物が来るのを待ち構えていますが、夜になると活発に動き、魚類や甲殻類などのエサを積極的に追うようになります。見た目に反して臆病なところもあり、人間などが近づくとすぐに巣穴に隠れてしまうといった習性も持ち合わせているのが特徴です。
海のギャングと相利共生!?
一般に荒くれ者としてのイメージが強いウツボですが、ベラやエビ、ゴンズイの幼魚といった一定の種類の魚と相利共生しているのは、あまり知られていない事実と言えます。これらの魚は、天敵からウツボに身を守ってもらい、また、ウツボはこれらの魚の天敵である大好物のタコが近づいてくるのをじっと待ち構えています。
ウツボの生息域と分布
ウツボはどんな所に住んでいるのか
おもに温暖な地域の浅瀬に生息する魚で、岩礁帯やテトラポット、防波堤のスリットなどの隙間に身を隠して生活しています。日本では、九州南端から台湾北東にかけて位置する南西諸島に多くの種類が分布していますが、比較的浅場であれば、国内の水域や沿岸部のどこにでも生息する魚です。
ウツボの旬、釣れる時間帯など
ウツボが狙えるシーズン・時間帯
引きが強く、大物になると1メートルを超す魚体は、他の魚に負けず劣らず十分なファイトが堪能できます。また、食味もよく、専門に狙ってみるのも面白い恰好のターゲットと言えるでしょう。ウツボが活発にエサを追うのは夏~秋の暖かいシーズンで、特に秋~冬にかけて釣れる個体は身が引き締まってとっても美味です。
薄暗くなってからの夜釣りに釣果が集中しますが、ポイントや潮目、潮位などの条件さえよければ日中でも十分に狙うことが可能です。岩礁帯や地磯などの隙間に隠れていることが多いので、潮だまりなども見逃さず、丹念に探ってみましょう。
ウツボの釣り方
ウツボはどう猛なフィッシュイーター
イシダイやメジナといった磯の魚を狙う際に外道で釣れることが多いですが、専門に狙うのであればエサ釣りや、ルアーと呼ばれる疑似餌を使った釣り方がおすすめです。どう猛なフィッシュイーターであるが故、果敢に釣り針にファイトしてくるでしょう。ここでは、代表的な釣り方やウツボ釣りのコツをご紹介します。
ぶっこみ釣り
ぶっこみ釣りは目印になるウキなどを使用せず、針とオモリ、エサのみを用いて簡単な仕掛けで釣る釣法です。投げ釣りと似たタックルを用いますが、足元など比較的近場のポイントにエサを落とし込み、アタリを待つといった初心者向きの釣りと言えます。ロッドワークも自在に変化を付けたりと自由が利くため、ウツボ釣りに最適な釣り方です。
穴釣り
テトラポットや岸壁のスリット部、潮が引いた後の潮だまりなどを狙うには、穴釣りがおすすめです。簡単な仕掛けを魚が潜む穴に落とし込み、着底させてアタリを待ちます。メバルやカサゴといったロックフィッシュと呼ばれる魚を狙う際にも有効で、足元に落とせることから、2メートルほどの竹の棒を用いた簡易的な仕掛けを用いることもあります。
ブラクリ釣り
針とオモリをラインに直結させ、アタリを取りやすくしたミャク釣りの一種で、堤防から足元のポイントを狙うのに最も適した釣法です。手返しよくアタリを探れるので、魚の居る場所を効率的に探れ、ランガンスタイルで釣り歩くことができるバーサタイルな釣り方です。釣具店などで販売されている市販の仕掛けを購入して使えるのも魅力的です。
ルアー釣り
ソフトベイトやハードプラグといった小魚のシルエットを施した疑似餌と呼ばれるルアーを用いて誘う釣り方で、ソルトゲームとして楽しむアングラーも多いのが特徴です。魚の居る層にダイレクトにベイトを送り込むことができ、様々なアクションで好奇心をを刺激します。活き餌が苦手な方でも簡単に扱えるので、女性にも人気の釣り方です。
ウツボが釣れるポイント
ウツボは、日中の明るい時間帯にはテトラポットの隙間や岩礁帯といった障害物に身を潜めています。したがって岩場が絡む地磯や岸壁沿い、消波ブロックが敷き詰められた防波堤や沖堤防、港湾部が狙い目となります。複雑に根が絡むポイントであったり、時として汽水域である運河などにもエサを求めて遡上してきます。
ウツボ釣りのコツ
特に高度なテクニックが必要な釣りではありませんが、狙う場所さえ絞れれば、割と簡単に釣ることができます。穴釣りなどでは、ピンポイントにエサを落とし、着底させた後に20センチほど巻き上げ、何回かシャクリを入れて誘ってください。1度だけに限らず、2度・3度と穴に投入させてエサのにおいを拡散させることが肝です。
ウツボのアタリは小さなものからひったくるような激しいものまで、その時の状況で異なります。基本はキャスト後、ステイ&タダ巻きで十分ですが、根掛かりするような地形に変化のあるポイントに潜んでいることが多いです。アタリがあっても即アワセはせず、しっかりとエサが引き込まれるまで待ってから大きくアワセるようにしましょう。
触ると危険なウツボ
ウツボの歯は大変鋭く、噛まれると大ケガの元となり危険です。釣り上げた後も、しばらくの間は皮膚呼吸ができると言われており、針を外すなどの際に暴れまわって噛まれる可能性があります。素手で触ったりするのは絶対に避け、また極力個体に触れずにラインごとカットして、直接クーラーボックスに入れるなどの対処を行ってください。
準備するタックル
おすすめのタックル
ソルトに対応しているタックルであればブラックバス用・トラウト用・シーバスタックルなど幅広く流用が可能です。ターゲットが50センチから、大きいものであれば1メートルを超すものまでが対象となるので、バットパワーがあり、剛靭なファイトに耐えられるだけのキャパシティーのあるタックルがおすすめです。