「謎と旅する女」はどんなサイト?
まずはじめに、皆様は「ががばば」という言葉をご存知でしょうか。2017年に放送された「世にも奇妙な物語 25周年!秋の2週連続SP」の物語の中で、注目を集めたあの「ががばば」です。
今回紹介していく「謎と旅する女」とは、そんな誰もが知っているような「ががばば」よりも怖いと言われたホラーサイトです。検索してはいけない言葉の仲間入りをした事で、ネット界隈ではたちまち有名になりました。
では、この「謎と旅する女」とはどういったホラーコンテンツなのか、詳しく解説していきます。
「謎と旅する女」とは旅好きの女性が書いた日記形式のサイト
「謎と旅する女」と検索して出てくるのは、とある女性の旅先での出来事や思い出を綴った、いわゆるブログのようなサイトです。
旅行が大好きなので、自分の記録用にと思ってブログを書いてみることにしたんです。でも始めてみて、びっくり、見にきてくれる人、けっこういるんですね。私なんかの勝手なひとりごとにつきあってもらうの、なんか悪い気がして。それで、ちょっとでも楽しんでもらえたらと思って、なぞなぞ形式にしてみることにしました。(引用:謎と旅する女)
タイトルにある「謎」とは、昨今流行っている謎解きゲームのような難解な問題ではなく、このサイトを訪れた読者が楽しめるようにと、筆者である彼女が記したなぞなぞで、その後すぐに答えが記載されているので、スラスラと読み進めることが出来ます。
では、なぜ「検索してはいけない言葉」になっているのでしょうか?その仕掛けを紹介していきます。
最後まで見ると大変なことになる「謎と旅する女」
検索しただけでビックリさせる「ががばば」。文字通り「検索してはいけない言葉」の代名詞となっていますが、この「謎と旅する女」は、検索しただけでは何も起こりませんでした。
それどころかこのサイトは、旅行好きの女性が書いたよくあるブログの、よくある日常を綴った平凡な内容です。しかし、このサイトを最後まで見てしまうと、彼女の恐ろしい一面と共に、このサイトに隠された仕掛けが作動します。
「謎と旅する女」のネタバレ①旅行記のようなサイト?
彼女の旅行記として作られているこのサイトですが、スクロールして記事を読んでいくと、ただの旅行記ではないことが判明していきます。ここではどのような記事になっているのかのネタバレを交えつつ紹介していきましょう。
始めは「旅の写真と共になぞなぞを出題する」という平和なサイト
では、なぞなぞです。この場所は、どこでしょう。ヒントをだしますね。「イカがじゃまして上陸しにくい島でした」さて、どーこだ?ふふふ、わかりましたか。答えは、イカがジャマで、ジャマイカです。簡単でしたね。ちなみに、ここはきれいなビーチホテルでした。ビーチが途中からヌーディストビーチになっていて、間違えて入っちゃって、ドキドキでした(笑)。(引用:謎と旅する女)
旅先での写真と共に、写真を撮った場所のなぞなぞが出題されます。少しの改行の後になぞなぞの答えが書いてあり、そこであった出来事なども書かれています。始めの方の内容については、いたって平和なよくあるサイトを呈していて、思わず読み進めてしまうでしょう。
こういった風に、なぞなぞは何問も続いていきます。
記事が進むと男性の顔をつぶしたツーショット写真が掲載されている
私のいる場所をあててね。ヒントはね。「この国では子供がさらわれちゃうかも」。。。。。。なぞなぞですからね、ほんとはそんなにこわい国じゃありませんよ。(引用:謎と旅する女)
旅行記を読み進めていくと、3問目についての記事には、彼女が男性と腕を組んでいるツーショット写真が載せられています。腕を組んでいるのでそれなりの仲だったようです。
しかし、この写真の男性の顔の部分には、引っ掻き傷のような白く細かい線で塗りつぶされてしまっていて、どことなく不安な気持ちにさせられます。この男性との間に何かがあったのでしょうか。
次第に記事の文章が意味深なものに変わっていく
次の記事では国内の場所が出題され、写真には彼女のバックに滝が写っています。しかし写真の彼女は少しブレていて、空も曇り空です。そして、なぞなぞの答えと共に「ここは自殺の名所になっている」と書かれ、不穏な空気を漂わせています。
「このサイトはあなた一人しか見れない」と書かれている文章が
このブログは私が自分のために作っている、っていうのは嘘でした。見に来てくれる人のため、っていうのも嘘。このページは、あなた一人しか読めないようになっていたのよ。気付かなかった?(引用:謎と旅する女)
このブログが彼女の旅行記というのは全くの嘘で、「あなた」というのはツーショットで写っていた男性のことを指しているのでしょう。今までの写真はその男性と一緒に行った場所である事、そしてその男性が彼女の思い出を台無しにし、彼女をゴミのように扱った事が書かれています。
彼女は一体何が目的でこのブログを書いたのでしょうか。
最後のなぞなぞまで進むと女性の意図がわかる?
最後のなぞなぞです。あなた、絶対に、あててちょうだいね。絶対にね。「地図にのってない国って、どの国だ」答えはね、「天国」。わたしあの滝とびおりたのよ。ほんとに死のうとおもったの。けどね、あそこってこれまでも同じことする人がとても多かつたせいでいろいろつくってあって。下まで落ちないように鉄の網とか棒とか突きだしてて。そのせいで私すごく痛かったすっきり落ちてすんなり死なしてくれればいいのに。(引用:謎と旅する女)
最後のなぞなぞでは、答えの後に先程の記事で訪れていた滝から飛び降り、自殺しようとしたことが判明します。男性に捨てられてしまったのがショックだったのでしょう。しかし、自殺防止の網などによって生き延びてしまい、後遺症に苦しみながら、男性に向けてこのブログを書いたようです。
「謎と旅する女」のネタバレ②最後まで読むとサイトに変化が訪れる
後遺症を負いながらも生き延びた彼女ですが、体がどんな風になってしまったのかが細かく書かれています。所々で文章がおかしくなって、読者を不安に陥れます。そして、そのまま読み進めていくと記事が恐ろしいものに変化していきます。
最後の文章までスクロールすると勝手に文章が打ち込まれる
このサイトの最後までスクロールすると不自然な空白があり、そこに勝手に文章が打ち込まれていきます。次々と現れる「さがして」の光景には、思わず画面から目を背けてしまうほど恐ろしいものです。
打ち込まれた文章の中から「上」という文字が現れる
何もせずにいると、文章の打ち込みが止まったかと思えば、今度はその文章が改行されていきます。「さてはさがさないのね」の赤い文字と共に、文章の中にある「私」がAAのように並び、「上」という文字が現れます。
現れた「上」の文字をクリックするとページが上へスクロールされる
現れた「上」の文字は、クリックできるようになっており、クリックすると、まるでもう一度このサイトを読んでと言わんばかりに、上へ上へと勝手にスクロールされていきます。
女性の写真がすべて血まみれの恐ろしいものに変わっている
スクロールが始まると、先程までの平凡なブログとは打って変わって、背景は真っ黒に変わり、旅先での写真は全て女性の顔がグロテスクな血まみれの恐怖画像に変わってしまっています。
最後に「ゲームキッズ2013」の宣伝サイトであることが明かされる
一番上までスクロールが終わると、一瞬グロテスクな女性の顔が現れますが、その後に「ゲームキッズ2013」と書かれたポップな絵柄の画像が出てきます。このサイトは「ゲームキッズ2013」の宣伝であることが明かされました。
謎と旅する女が掲載されている「ゲームキッズ」とは?
では、このような仕掛けのホラーサイトを作ってまで宣伝をした「ゲームキッズ」とは、一体どのようなコンテンツなのでしょうか。
「ゲームキッズ」とは渡辺浩弐さんのSF短編集のこと
「ゲームキッズ」と聞いて、子供のためのゲームについてのコンテンツなのでは?と思うかもしれませんが、渡辺浩弐さんのSF短編集のことです。これは文庫本で出版されており、4つのシリーズが存在します。
謎と旅する女の他にもWebで読める話がたくさんある!
今回紹介した「謎と旅する女」以外にも、「ゲームキッズ」に掲載されている話の中には、Web上で体験できるコンテンツがたくさんあります。
作家・渡辺浩弐は一体どんな人?
単行本を出せるほどの作品を、たくさん生み出している渡辺浩弐さんは、一体どのような人物なのでしょうか。
最初は映画会社で企画書を書いていた
今や作家として有名になり、ホラーやSFのショートストーリーを執筆している渡辺浩弐さんですが、作家になる前は、映画会社で企画書を執筆していたそうです。1986年にゲームの名人対決を題材とした映画の構成担当をきっかけに、コンピューターゲームの世界に入りました。
映像化された作品がある!
渡辺浩弐さんの作品の中には、映画化されていたり、皆さんご存知の「世にも奇妙な物語」では「特殊部隊」や「0310-345の謎」、「別れる方法」などを原作としたテレビドラマ化もされています。
また、ドラマ「BLACK OUT」や「いとしの未来ちゃん」の原案、資料提供なども務めています。
謎と旅する女の作者・渡辺浩弐さんの作品紹介!仕掛けがあるブラウザノベル
渡辺浩弐さんの作品の中には「世にも奇妙な物語」で放送されたり、映画化されたものもあります。同じ渡辺浩弐さんの作品で、「謎と旅する女」のように、読み進めていくと仕掛けがある作品をご紹介していきます。