御殿場事件とは?少女の「暴行被害の嘘」が露呈した冤罪事件?
この事件は静岡県で起きた高校生だった少女に対して性的な暴行を起こしたとされる事件です。しかし被害者の話す内容が何度も食い違うことから信憑性について怪しまれている事件でもあります。ここではこの事件の内容をまとめます。
被害者は当時15歳の井上さゆり
まず被害者は井上さゆりで、当時はまだ高校に通う学生でした。しかしこの時まだ彼女が成人ではなかった為本名は伏せられていました。また、成人していないという事から顔などが分かる物は現在まで存在していません。家族には弟と母親がいるという事が判明しています。
彼女はしつけの厳しい家庭で育てられてきたということが分かっており、この事件の際にも遅く帰ってきた彼女になぜなのか聞いたという事からも厳しさが伝わってきます。また、特に男女の交際に関してはかなり厳しかったそうで、当時高校生だった彼女からすればこの点は多少なりともつらく感じていたようにも推察されます。
井上さゆりの証言から10名の少年たちを告訴
彼女が話した内容をもとに捕まえられ、性的な暴行を受けたという事態を重く受け止めた母親によって告訴された10名の男性達ですが、彼らは全員が何かしらの非行をに走っていた者たちだったそうです。中には喫煙といった行為も行っており、いわゆる不良だったと言われています。
告訴までの内容ですが、まずこの少年のうちの一人が捕まえられ、その時にいつも一緒にいる仲の良い人物について名前を挙げた結果、そこで出てきた名前の少年たち全員を捕まえたのです。その後2001年の9月には全員が彼女に暴行を行いました。
しかしながらこの暴行を行った事を話した点には怪しいと感じる点も多々あり、さらにこの事件が有罪になった点についてもこの少年達が反社会的な存在と関係があるという事が分かっての圧力が目的ではないかとも噂されています。
少年たちは冤罪?二転三転する井上さゆりの証言が焦点
この事件で最も注目を集めた点として、捕まえられた少年複数名は冤罪なのではないかと今なお言われている点です。特に少年たちが少女を暴行したと話した内容が、少女の話す暴行の内容と一致しない点からも伺えしれます。
多くの矛盾と取れる部分が存在しながらも裁判所は彼女の話す内容を一方的に本当のことだとして認めるなど奇妙な部分も存在します。しかしこれに関してはまだ成人していないということもあり、彼女が混乱して話す内容が上手く纏められなかったという判断だという考えもあります。
このようにこの事件はもしかすれば冤罪だという可能性も考えられるものとして注目されているのですが、では次からはこの事件が一体どのようにして起こり、裁判が行われたのか、その部分を見ていきたいと思います。
御殿場事件の発端と裁判まで
この事件は被害者である少女の話す内容がかなり食い違っているという点や少年達の冤罪の可能性という部分に焦点が多く当たる事件ですが、それを知るにはまずこの事件がどのような経緯を踏んでいったのかを知ることも重要な要因です。ではここからはなぜこの事件が起きたのか、その経緯について見ていきます。
当時15歳の少女・井上さゆりの証言により発覚
事の始まりは少女が家に帰った際に母親から帰ってくる時間が遅かった事に対して何をしていたのか聞かれたところから始まります。彼女は母親に帰り道に駅の傍の公園で数名の男子生徒に声をかけられついていった際に性的な暴行を受けて家に帰るのが遅れたと決して予測の出来ない答えを返したのです。
この話を聞いた彼女の母親は警察に娘の被害を連絡し、これをきっかけとして事件が明るみに出る事になります。今回の事件ですが、ここまでの話で少女の話す話にはあまりの唐突な内容にかなりの無理があるようにも思えます。帰りが遅れたことを嘘でごまかしているようにも受取れるからだと推察できるからです。
加害者と名指しで指名された少年は井上さゆりの同級生
こうして発覚した今回の事件ですが、この後前述したように彼女が話した内容をもとに合計で10人の少年が捕まる事になりました。彼らのうちの最初に捕まえられた少年は今回の少女と同じ学年で同じ学校の生徒だったようで、取り調べの中での彼の話から残り10人の少年の名前を聞き出して捕まえたのです。
この時の取り調べの中での彼らが話した内容は半ば無理やりに聞き出した内容だとも言われており、この点でもこの事件の存在という観点で怪しいと言われている部分でもあります。話した人物たちの内容も仲が良くいつも一緒の中から挙げた名前と言うだけなのです。
彼らは取り調べの供述の中で少女に対して性的な暴行を行ったと話したとされているものの、その後この発言は全て圧力を押し付けられて言わされたものだとこの発言を否定しています。そしてあくまでも彼らが話したのは性的な暴行未遂で、少女の暴行をされたという供述とは食い違っている点も注目すべき点です。
井上さゆりが被害届を正式に提出し裁判へ
彼女の母親がこの話を聞き、母親が被害届を正式に届けだし告訴が決定しました。こうして警察は裁判の為の書類を作成し、今回の犯人だとされている少年が捕まえられることになったのです。ですがこの提出された被害届に関してもに怪しい点が少なからず存在します。
事件の際に少女は少年に声をかけられてついていったと話しており、合意の上でついていっていることから今回の書類は成立しないです。しかし別の陽になってこの書類の内容が唐突に変更され、それを認める形となったのです。
このような経緯で事件の発生とそれに関しての裁判が行われることとなったのですが、この書類に関しても先ほど見た冤罪の可能性の信憑性を高める要因でもあり、この時点で被害者である少女の行動には怪しい点が多かったことが伺えしれます。
御殿場事件の裁判の様子と判決は?
ここまでこの事件が発覚するまでについて見ていきましたが、この時点で少女の話す内容に複数の疑惑が感じられる点が存在することが分かりました。ではここからは事件に関する裁判の詳しい内容に関して見ていきます。
御殿場事件裁判での井上さゆりの最初の供述
井上さゆりさんは裁判の中で事件について話す内容が何度も変わっており、その中には明らかに最初に話した内容と食い違っていたり、日にちまで変わったものまでありました。特に日にちはなんと事件が行われた日にち自体が違うと発言しておりこの点にはかなり怪しいと言わざるを得ません。
しかし裁判では彼女の話した起きた日にちの変更が認められています。その理由としては事件について犯人の少年達に脅されていたからではないかという点や事件の内容が性的なものであるために恥かしさから本当のことを言い出せなかったからだというものがあります。
確かに少女はまだ成人を迎えていない年齢ということもあり、緊張や恐怖で話す内容が変わるという可能性も考えられます。しかし最初の裁判とはいえここまで証言が変わっていたり食い違う点が多すぎることからこの点がこの事件が冤罪だと噂されている最大の原因でもあるのです。
御殿場事件裁判①一審で少年たちは自白の強要を告白
次に1回目の裁判での少年たちについてですが、この中で彼らは今回の事件で自分たちが犯人だと話した内容について、全て取り調べの中で無理やり言わされたものだと今までの話していたものとは一転した内容を話し、自分たちは無罪であると主張します。
少年達はこの裁判の中で自分たちが犯人ではないという事について理由を話すのですが、その内容がかなり強固なものであり、事件が起きた日にはそもそも友人とお店で食事をしており、注文した内容の記録もあります。
他にも少年のうちの一人はこの事件が起きた日にアルバイトに行っており、そこでも記録がとられていたことからそもそも事件を行うこと自体が不可能です。しかしこの内容は少女が事件の日にちの内容を変更したことから信憑性がないと却下されてしまいました。
御殿場事件裁判②二審では事件日の天候や現場状況の矛盾が露呈
2回目の裁判ではさらに少女の話す内容に食い違いが生まれることになります。最初の方は事件が起きた当日の天気について雨は降っておらず、傘を使用した記憶もなく、服も濡れたわけではないと話していましたが、彼女が最初に話した事件の起きた日にちには大雨が降っていました。
この点から彼女が嘘を話していた可能性が高いという事になります。雨が降った事件当日は台風が通過する大雨だったそうで、彼女が少年達に連れていかれた公園もかなりの量の雨が降っており芝生に倒されたという事件内容も服が濡れた形跡がないことから明らかに内容が食い違います。
さらに事件が起きた現場では工事が行われていましたが、少女が事件の起きた日にちを変更した時には工事自体がなく、少年達は工事が起きていたと話しておりこの点も内容に食い違いがあります。この数々の証言の食い違いからこの事件が少女が嘘を作る為に作り上げた空想の事件の可能性が出てきたのです。
御殿場事件裁判③最高裁で被告人らに懲役1年6カ月の実刑判決
このように数多くの話す内容の食い違いが明るみに出たりことごとく少年達の話す内容を却下するという不振な展開で裁判が進んでいき、最終的に少年達には有罪が宣告されることとなりました。数多くの怪しい部分を残しながらの判決という点に、今なお疑惑の声が聞こえているのです。
そして判決の内容ですが、主犯だとされる4人の少年達には1年と6か月の服役が課されてしまいます。最も年齢が低い少年のうちの一人にも有罪が認められるなど厳しい判決が下されました。1回目の裁判の中で彼らが話した内容は、少女の話す内容とは打って変わって聞き入れてもらえなかったという点には少しばかり疑問が残ります。
御殿場事件は冤罪説が濃厚
ここまでこの事件の裁判の内容について見ていきましたが、少女の話す内容には怪しい部分が数多くあり、現在でも冤罪だと考えられる意見が濃厚です。ではここからはどうして今回の事件が冤罪だと言われるのか、見ていきます。
御殿場事件の訴因内容が何度も変更され虚言の可能性が浮上
この事件を疑う理由の一つに彼女の話す内容がかなりの頻度で変更された部分にあります。前述したように中には起きた日まで変わっており、この点は普通ならあり得ないことです。内容を調べていけばいくほど話している内容が具体的ではなく嘘なのではないかと疑惑が強まるようになりました。
しかし捕まえられた少年達が自ら犯人であると話してしまった事やかなり無理やりにではありますが彼らが主張する犯行を行っていない事に関する話が証明されなかったこともあり、この事件は本当に起きたと信じている人も一定数存在しているのも事実です。
少女は数多くの食い違った証言をしながらも話す内容は全て事実だという姿勢を貫きました。これに関してはもし嘘だという事が分かた場合には少女側が罪に問われる可能性があったからだと考えられるのです。
冤罪説の根拠①コンビニ店員による証言
この事件が少女のついた嘘だと疑われる理由の一つに彼女が逃げ込んだというコンビニで当日働いていた店員の話があります。それによると彼女は犯人たちから逃げた際に身を守るためにこちらに逃げ込み、ここから親に電話を掛けたのだそうです。
しかしながら働いていた物からの話を聞くとそういった少女はいなかったと話しており、店の中に電話をかけている人はいなかったとしていました。この話を裁判で店員が話した時、一気に周りがざわつくほどの事態になったようです。それほどこの話には彼女が嘘をついているという確証が見えていたのです。
しかしこの店員の話す内容に関して裁判では犯人と店員が一緒になって話を合わせていると判断し、この内容に効力はないと判断しました。確かにその可能性もなくはないですが、店員がそれを行う利点がないように見え、この判断を下した点には疑問が残ります。
冤罪説の根拠②証言と発信履歴の食い違い
前述した逃げ込んだ際の電話についても話す内容に食い違いが見られ、彼女によると電話は確かにかけたと話していますが、携帯電話を確認したところ、親に電話を掛けた記録はもちろん少女の家に電話を掛けた記録も存在していないことが調査の結果判明しています。
この明らかな内容の食い違いに対して意見を求められた際、彼女はこれまでのように今まで話した内容を変更し、電源が切れたことで電話はしていないという事を思い出したそうです。流石にその日に電話を掛けたかどうかは覚えているのだと推察でき、これで更に疑いは強まったようにも伺えます。
冤罪説の根拠③事件当日井上さゆりと一緒に居た男の証言
これ以外に少女には事件が起きた当日にネット内の出会い系のサイトで連絡を取りあっていた男性とあっていたことも分かっており、これに関しては当初知らないとしていた物の後に嘘だと涙ながらに話しています。この男も事件に関して重要な人物だとして裁判に参加し、その中で少なくとも数時間は彼女と一緒にいたことを話しています。
男性はこれに続けて少女と会った時に母親に帰りが遅れたことを聞かれた場合は他人の責任にするとも話していたとしています。彼女の母親の教育が厳しいということもあり、特に男女の関係について特に厳しかったことからも何か言い訳を考えていた可能性は十分に考えられます。
つまり男性のこれらの話す内容から見てみると、井上さゆりさんは母親に家への帰りが遅くなってしまった事の言い訳として、今回の事件を勝手に作り上げた可能性も浮上したのです。さらに男女の交際に関してかなり厳しかった母親を恐れて男性と会っていた事に関して嘘をついていた事になるのです。
名誉棄損にあたるため主張を取り下げられなかった?
ではなぜここまでの意見の食い違いがありながらこの少女は意見を嘘ではないといったかですが、恐らくはもし裁判の中で今まで話してきた内容が全てうそだったと話してしまった場合、彼女自身が少年達に対して名誉棄損をしてしまった事になってしまうからではないかと考えられています。
もしこの罪を課せられた場合、彼女は母親に男性と会っていた事に対しての嘘をつくためだけに面識もない少年達を犯人だといったとして、恐らくは世間の風当たりは相当なものになった事でしょう。その為、どれだけ内容がおかしかったとしても性的な暴行を受けたという事を貫き続けたのです。
御殿場事件は「冤罪ではない」との見方も
冤罪の意見がかなり多いのは確かなのですが、少年達の話す内容がすべて本当だという確証がないという事も本当であり、だからこそ裁判所は彼らを有罪にしたのではないかと言われています。いずれにせよこの問題は解決が非常に難しいのです。
このように実際に彼らが事件を起こしたという証拠はないですが、少女の話す内容にかなりの食い違いがあり冤罪が可能性として挙がっているだけであり、確定している事実ではありません。真実はいまだ謎だという事に関しては留意しておく必要があります。
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御殿場事件や裁判での問題点
ここまで今回の事件が少女の嘘から始まった冤罪の可能性について見ていきました。そしてこの裁判の中であからさまに少女の側に有利に働いていたとも言われており、この点も事件が疑惑に包まれているものの一つとされています。ではここからはこの裁判での問題点について見ていきます。
御殿場事件では警察の自白強要で少年たちを逮捕した
まず問題点を提起していく前に、彼らがどのようにして今回の事件を取り調べの中で話し、そしてなぜ選ばれたのかですが、まず前述したように少女の意見から一人目が挙げられ、その後写真などをもとに損他の仲の良い人物などが選ばれましたがほとんどが少女とは面識もない人たちでした。
そしてなぜここまで面識もなく、当日の事件に用事もあった彼らが事件の内容を話したのかですが、最初はこの事件について何もしていないと明確に事件を行っていないと取り調べの中で話していました。しかしこの中での圧力や強要といった行為によって徐々に彼らは追い詰められていったという声もあります。
取り調べの中で担当の男性がこの事件を自分から話せば罪が軽減されると持ち掛けられた少年は事件を行った事を白状したというのです。この部分が少年達が裁判の中で話した取り調べの中で行われた強要であり、この時点で少年たちは心象的に不利な局面だったことも推察できます。
御殿場事件裁判の問題点①少年たちのアリバイが全否定される
まず一つ目の裁判における問題として少年達が法廷で話した事件当日の内容がすべて事実ではないとして認められることがなかったという点です。捕まった少年達が地元でも素行の悪さで知られた存在で、裁判所での彼らの風当たりはかなり厳しかったことが伺え知れます。
裁判の中で認められなかった情報を挙げていくと、事件の起きた日に父親が営む寿司屋を手伝っていたという少年の証言も認められていません。彼がお店で手伝っていた姿を見たという人もおり、彼の友人も目撃していることから信憑性は高いです。
また、もう一人の少年が話した内容に関しても、少年はこの時刻にお店で勤務をしており、記録もしっかりと取られています。勤務先の店長も彼を目撃しているのですが、この証言も全て事実が認められないとされました。
御殿場事件裁判の問題点②検察側の証言妨害があった
さらなる問題点として、先の見出し内の証言が認められないとも関係が出てくるのですが、他の当日の内容を話すために呼ばれた人物が裁判の日になぜか出廷できなかったことが挙げられます。これは少女の担当者が圧力をかけて参加をさせないようにしたと噂されているのです。
これによってこの少年が話そうとした事件の当日には友人と食事に行っていたという内容が裁判に呼ばれていた友人が来ないという事で認められませんでした。もしこの噂が本当だとすれば、少年達をわざと仕立て上げるようにも見えてきます。
御殿場事件裁判の問題点③裁判長が事件日変更を容認した
裁判の中で最も問題だとされる4回目の裁判の中でこれまでの事件の日にちが違うという井上さんの話した内容を少年達の話す内容には厳しく対処していた裁判官が簡単に容認したというのも問題だとされています。
これまで行われてきた裁判の中でも事件の日にちが変わり、さらにそれを認めるというのはほとんどなかった事であり、この点は問題点だと指摘されているのです。ここで問題だとされているのは、少女の方に擁護が傾いた方向で裁判を進めたという点です。