ティップランエギングとは
エギング自体はよく岸で見かけますが、実際同じエギングでもティップランとは何でしょうか?今やスタンダードとなった魅力たっぷりの釣りの形を見ていきましょう。ここではティップランの基本的な釣り方について説明していきます。
ティップランエギングとはボートのエンジンを切って行う釣り
近年、岸から届かないエリアを攻略できるとエギング愛好家から注目を集めているティップランエギング。岸でのエギングとは違い、ボートを風や潮の流れに任せる流し釣りで、より広範囲で未知のフィールドで多くのアオリイカを狙えます。
ティップランエギングは今やメジャー
ボートの上から行うエギングの1つがティップランエギング。竿先(ティップ)でアオリイカのアタリを見分けるので、釣り初心者であってもチャレンジしやすく、楽しめる釣りとなっているため、今やスタンダードな形となっています。
アオリイカについて
次にティップランエギングの対象魚となるアオリイカについてより知っておくために基本情報を頭に入れておき、実戦で役立てられるようにしておきましょう。ここでは生態、特徴、分布、釣り時期をより詳しくご紹介して行きます。
アオリイカとは
アオリイカ(障泥烏賊)はツツイカ目ヤリイカ亜目ヤリイカ科に分類される。別名 モイカ、バショウイカ、ミズイカ、クツイカ、シロイカなどと呼ばれており地域によって呼名が異なる。大型のイカで食用や釣りの対象として近年たいへん人気があります。
特徴
胴長40~50cm程度で、大きいものはそれ以上に成長することもあり、2㎏以上の大型に分類されるものもいる。特徴は夜行性のため、夕方以降の夜釣りがオススメだが、昼間でも釣れます。エリアとしては主に堤防や磯、沖などです。
分布
主に北海道以南の沿岸部に生息し、太平洋側では鹿島灘以南、日本海側では福井県の西側以南などに多く生息している。海外ではハワイ以西の西太平洋からインド洋の熱帯、亜熱帯地域にも生息しています。
時期
基本的に地方によってはオールシーズン狙えるのですが、時期によって釣れる大きさが異なります。産卵を終え大小の個体が入り混じる春(4月から6月)と活動時期のイカ自体の個体数の多い秋(9月から11月)頃がベストとされています。ただし産卵時期である春から夏に関しては浅瀬に上がってきます。
亜熱帯地域にも生息していることから、暑さには強い傾向があるが、逆に水温が15℃以下になると深場に落ちていく為、ティップランエギングで数釣りするためには秋頃から冬にかけてがオススメです。
春から初夏にかけて
水温が15度を越えてくると産卵のため浅瀬に近付いてきます。そのため、岸からのエギングにおいは岸側の産卵場に近づくこの時期がよく釣れます。ある頃に釣れるイカを「親イカ」と呼び、比較的大型が揃う。ただし、釣れやすい小型のイカが少ないため、数を釣る時期ではないと言えます。
秋から初冬にかけて
春に産まれた子イカの数釣りが楽しめるのがまさにこの時期。活発に捕食する為、餌木への反応も良好です。ただし、水温が下がってくると水温の安定している深場に移動していくため、浅瀬では釣りづらくなる。その時期はまさにティップランエギングで沖に出て釣るのがおすすめです。
エギングとティップランエギングの違いは?
かつてのエギングブームから愛好家が急増してから数年、今やボートエギングの定番として人気を博しているティップランエギングの二つの違いを徹底解説。ここではより具体的にその違いを解説していきます。
そもそも岸から沖に向かって餌木(エギ)を投げて、アオリイカが餌木を抱いてからアワセを入れて釣るのをエギングと呼んでいますが、一方のティップランエギングの舞台は岸ではなく沖の上!遊漁船や乗合船、ボート等で沖に出て、風にボートが流されるのを利用して釣ります。
ティップランエギングは風がないと成立しない『流し釣り』(ドテラ流し)で、より深場にいるアオリイカが餌木を触った瞬間に合わせを入れて積極的に狙う釣り方の1つです。こうする事でより簡単に数釣りが楽しめるわけです。
ティップランエギングの釣り方
では実際にどういった釣り方をするのか、ティップランエギングの基本的なアクションを確認していきましょう。まずは大まかなアクションから、より細かくそのテクニックを習得していきましょう。
ティップランエギングのアクション
ティップランエギング専用ロッドを使用するティップランエギングでは、基本的にジャーク→静止→フォールを1セットとした作業の繰り返しとなります。餌木を動かす際にジャークという動作が必要になり、ロッドを前に構え、上方向にロッドを煽り餌木にアクションを加えることを言います。
次にアングラーの静止です。ただ体を硬直させるのではなく、ロッドはラインテンションと竿先(ティップ)のベントカーブを一定にする様にバランスを取ることです。そしてフォール、底を取ります。
フォール
餌木をキャスト、又は落として着水させた後、できる限り素早く底を取るために、フリーフォールでロッドを煽りながらラインを手で送り、餌木が底に着くと海面上のラインの出が止まるので見逃さない様にします。
しゃくり
しゃくり(餌木を上に跳ね上げる動作)のコツはリール付近を30~45度くらいの幅で素早く3~4度ほど竿先を上下させます。この時、同時にリールを巻いて糸ふけを出さない様にようにしてロッドを海面と平行にしてステイさせます。この時の竿先は餌木の重みで少し曲がるくらいにしておく。この状態でアタリを待ちます。
ティップランエギングのアタリ
アタリにはいくつか種類がある。1つはしゃくり後の竿先の状態(餌木の重みで少し曲がる)が、波で揺れていたにも関わらずピタッと止まる。2つ目は竿先が引き込まれる様に深く入る。3つ目は曲がっていた竿先が戻ってしまう、他にも上下左右にもぞもぞと動いたりとあるが、基本的に以上の動きでアタリを見分けることができます。
ティップランエギングのコツ
基本的な釣り方は上記のとおりですが、イカの特性や風邪や潮の流れに合わせたいくつかのコツがあります。やり方さえキッチリ押さえておけば難しくありません。ここで基本的なポイントをマスターしておきましょう。
イカの特性にあわせて対処する
シャクリの後に静止させた餌木が水平に引っ張られ、それに興味を示した深水のアオリイカが触った瞬間にアワセを入れ釣り上げるのがティップランエギング。イカのわずかな反応を釣手が竿先(ティップ)の様子から感知し、状況に合わせて餌木を探し出し、しっかりアワセを入れて釣るのがポイントとなるので、釣れた感がかなり大くもなるのです。
ポイントとして、イカが船に気づいて逃げてしまうのを避けるため、なるべく餌木を船から離す必要があります。その為、シンカーを用いてウエイトをコントロールします。特に、潮が動いていない状況の場合は餌木を船から遠ざける必要があり、たった10gの違いであってもポジション自体に大きな変化が出るのでより重要と言えます。