投げ釣りとは
釣には様々な方法がありましすが、これは仕掛けを遠投することで沖や深場から魚を釣り上げる釣法です。糸の先にオモリのついた仕掛けをつけて、大きく振りかぶって遠くに投げた後、仕掛けを少しずつ引きずりながら探っていきます。主な釣り場は「サーフ」と呼ばれる海岸沿いの砂浜です。遠くに投げるためには重いオモリが必要で、重さに耐えられる専用のタックルや仕掛けが必要ですので、万能竿やルアーロッドの流用はできません。飛距離を伸ばすためには空気抵抗が少ない方が良いですので、細くて強度のあるPEラインを使用しましょう。ただし、PEラインはナイロンラインと比較すると伸び率が悪いため、遠くにオモリを投げるときにかかる負荷に負けてしまって、結び目で切れてしまう可能性があります。PEラインが切れないように、道糸とおもりの間に太めの糸(力糸)を挟むことが必要です。
一から道具をそろえる場合は、竿・リール・仕掛け・エサの4種さえ用意すれば事足りますので、初心者にも始めやすい釣法と言えるでしょう。
投げ釣りとちょい投げの違い
簡単に言うと、飛距離が違います。
投げ釣りをするときには通常の釣で使うより重めの、100グラム前後のおもりを使って、投げ釣り専用タックルで飛ばします。基本的に飛距離は100メートル以上で、200メートル前後飛ばせることもあります。一方でちょい投げはライトタックルを使って、基本的には足元から30メートルほど先に投げて狙います。せいぜい遠くても60メートルといったところでしょうか。
ちょい投げでは近場にひょいと投げる程度の飛距離ですから、専用の道具を揃える必要はありません。たいていのリール竿をそのまま使うことができますので、手持ちの竿とリールで簡単に行うことができます。初心者にもオススメの釣法と言えるでしょう。
また、水温の変化が影響する投げ釣りとは違い、季節を問わず年中いつでも楽しむことができます。飛距離を伸ばす必要がないため、扱うリールが短くて全体的に軽いため、お子様や腕力に自信のない方でも気軽にチャレンジできるのではないでしょうか。
投げ釣りでの遠投げ
竿を振るときは力みすぎないこと
力いっぱい竿を振れば、飛距離が伸びそうな気がしませんか?ところが、めいいっぱい力を入れても案外距離は伸びません。
飛距離を上げるためには、竿を持ち上げるとゆっくりとオモリを後方にそらします。その時には竿全体を大きく曲げるようにして、曲げた反発を生かすように投げます。くれぐれも早急に竿先だけを動かすことのないようにしてください。竿に力をかける時間を長くすることで竿全体を曲げることができます。竿の先のオモリは通常のものより重いのは、竿が曲がった反動で遠くへ飛ばしやすくするためです。
タラシを長めに角度は45度
タラシを1.2〜1.8メートルと長めにしましょう。長いぶん仕掛けにかかる遠心力が強くなって、竿全体が曲がりやすくなり、反発力が発揮されます。
そして、初っ端から錘が竿に乗るように気をつけて、投げている間はラインが張った状態を維持するようにしましょう。この時、投げる角度は40〜45度を心がけると飛距離が出やすく、投げた後も竿先が45度を保ちます。タラシを長くし、竿をゆっくりと振り、投げる時は角度に気をつけることがポイントです。
振りのスピードも気をつけて
狙ったよりも右に飛んでしまうときは、振りが遅い証拠ですので、心もち早めに振り切ってみましょう。反対に左に飛びやすいときは、振りが速すぎていますから、ゆったりと竿全体をしならせて遅めに投げてみましょう。以上のことを意識すると飛距離が出しやすいです。
投げ釣りで釣れる魚
沖合を回遊するキスやカレイなどの海底に生息する魚(底物)が、投げ釣りでは主なターゲットとなります。その他には、カサゴ・ハゼ・マゴチ・アナゴ・ベラなども引っかかることがあります。
夏はキス(シロギス)、冬はカレイ(マコガレイ・イシガレイ)というのが投げ釣りでよく釣れる魚の代表です。キス(シロギス)は砂がある場所ならどこにでも見られる最も身近な魚と言ってよいでしょう。天ぷらや刺身にすると美味しく、透き通るような綺麗な身をしていることから、砂浜の女王とも呼ばれています。
投げ釣りの時期(シーズン)・時間帯
投げ釣りの時期は、魚の種類によって異なります。キスは水温が高めの3月中旬から11月がシーズンです。5月下旬には産卵のために接岸しますので、初心者でも釣りやすいでしょう。7月から10月頃は水温の低い沖に移動しますので、飛距離を伸ばすように心がけましょう。
カレイは水温が低めの11月から4月にかけてがシーズンとなります。カレイは晩秋に産卵のために岸に接岸し、春には去っていくからです。産卵期間中はエサをあまり食べませんので、産卵前後の時期を狙うとエサに食らいつきやすいです。ただし、釣りに行く場所によって時期には差が出ますので、釣りに行く前に釣果の情報を収集することが肝心です。
投げ釣りをするには、朝マズメ(夜が明けて薄暗い時間帯から日の出まで)から午前中いっぱいまでが一般的におすすめな時間帯です。昼間は海風が陸に向かって吹くため狙った場所に投げにくいだけでなく、日が昇るにつれて魚の動きが鈍くなるからです。
投げ釣りの釣り場(ポイント)
サーフ(砂浜)や防波堤が釣り場となります。
水深チェックを欠かさずに
投げ入れたら、着底までの時間を計って水深を調べましょう。ポイントが浅いか深いかを把握することが釣果につながります。
夏場は岸から近い浅場で魚がエサを荒食いしますし、冬場は水温が下がりやすい浅場よりも沖の深場に魚が集まりますから、季節に応じて狙う場所が変わります。また魚種によって好みの水深が異なりますので、狙う魚の好みを調べる必要があります。
狙い目は海底の起伏が多いところ
また、海底が平坦な状態よりも、デコボコと変化のある場所を魚は好みます。オモリを引きずっていると海底の高低差が手応えとして感じられますので、変化の強い周辺を念入りに探ると魚がいるところを見つけやすいです。砂の多い海底を特に狙いましょう。
防波堤にイガイという貝を見つけたら、絶好のチャンス。魚はイガイをエサにしますので、「貝がいる=魚が集まる」ということです。テトラポットは魚にとっての隠れ場所としてうってつけですから、陰に隠れていることが多いものです。積極的に狙っていきましょう。
カレイは海底が砂が多かったり泥になっているところが釣り場となります。岩が多い場所は砂が少ないため避けましょう。海底が凹みから盛り上がる部分でアタリが出やすいです。