「姫島村」が抱える闇に迫る|過去にはリンチ殺人事件も

本当にある怖い島に「姫島村」という村があります。ここには日本に類のない親子2代での独占的な政治や集団リンチ事件などの奇妙な出来事が数多く存在します。そんな怖いといわれている姫島村を紹介します。

この記事をかいた人

不思議なこと・怖い話が好きです。興味深い記事をお届けできるよう精進します。
Array

大分県の沖合にある姫島村が怖い

kuszapro / Pixabay

この村は今も実在し、観光も可能な場所です。人口が2000人に満たない小さな村ですが、どんなところなのかまずは村の概要についてご紹介しましょう。

大分県の沖にポツンとある姫島村

JimDegerstrom / Pixabay

大分県には9つの有人島がありますが、この村があるのはそのうちのひとつ、県の北東部にある姫島という島です。総面積約7km²の小さな島で、この島にある自治体はこの村ひとつだけです。

漁業が盛ん

6437364 / Pixabay

離れ小島なこともあり、島の主な産業はやはり漁業です。島の南には港があり様々な魚が捕れます。北にはクルマエビを育てる養殖場もあります。

この村にはいくつかの怖い話がある

InspiredImages / Pixabay

離島という閉鎖的な環境には往々にして少し常識と外れた事件・風習が根付くものですが、この島もその例に漏れず奇妙な風習や事件が多数存在しています。他の閉鎖的な村、犬鳴村について興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

姫島村は50年以上選挙が行われなかった奇妙な自治体

この村の特殊な点としてまず挙がるのが長きにわたって選挙が実施すらされていなかったという点です。

民主主義を標榜する日本という国に属しながらも、民意を反映するための選挙という制度が実質存在していなかったということから、この村の特異性がよくわかります。

1955年から村長が固定

succo / Pixabay

60年も前からこの村ではトップが変わっていません。正確に言えば1984年に一度村長は変わっていますが、村長が急死したことによりその家の長男がトップの座に立候補し、他の候補者がいないために投票も行われなかったという、村長一族の権威の絶大さを示すような結果に終わっています。

親子で自治体のトップを選挙なしで歴任という、まるで他国の王族のような話が日本国内の村で実際に起こっていたというのは驚くべきことです。

一族に逆らえる者はいない

SpencerWing / Pixabay

60年間自治体のトップに立ち続けてきた存在が、狭い村の中で絶大な権力を握ってきた事は想像に難くありません。一家の子供ですら学校ではリーダー格として扱われ、誰も逆らうことはできません。

長きにわたり対立候補すら現れなかったという事実もその絶対の力を示しています。村の議会では、長い間質問すらする者はいませんでした。

姫島村に奇妙な独裁政権が続く理由

qimono / Pixabay

では、このような状況下で島民たちは意義を唱えることはなかったのでしょうか。

なぜこのような大きな力を一族が持つこととなったのでしょうか。詳しい事情についてご紹介します。

最後に行われた選挙は激しい対立を生んだ

stevepb / Pixabay

なぜ島民は選挙をしない現状に不満を言わないのか、その大きな理由として、60年前に実施されたそれが島民たちの間に忌避すべき記憶として残っていること挙げられます。

狭い島、誰もが顔見知りであるような環境、その中で行われた選挙は支持者と立候補者の間の結びつきが強いだけに熾烈を極めました。対立候補を応援している相手とは口も利かないくらいに両勢力の関係は険悪になりました。

geralt / Pixabay

最終的には選挙に負けた立候補者一家は島を追放されてしまいました。選挙で負けただけでまるで憎むべき敵のように扱われてしまうのですから、島民が村長選に立候補する気にならないのも頷けます。

2016年に立候補が現れるが惨敗

HolgersFotografie / Pixabay

もちろん、そんな現状を変えようと約60年ぶりに現村長の対立候補として名乗りを上げた勇気ある人もいました。しかし、やはり現村長の支配力は絶大なようで、新しい風が島に吹くことはありませんでした。

姫島村で起きた恐怖のリンチ事件

閉鎖的で内部の結束が強いこの島では、それが悪い方向に発露して起きてしまった陰惨な事件があります。ここからはその事件についてご紹介していきます。

発端は帰郷した2人の兄弟

suvajit / Pixabay

この事件の被害者となったのは、島に帰郷した20代の兄弟でした。島で映画館などを経営し始めたふたりは、ガラが悪くよく気に入らないなどの理由で島民に暴力をふるっていました。

暴力団などとの関係を仄めかし、島の権力者であった叔父の権威を使い、周囲の人間が逆らえないようにしながら好き放題していました。

暴力を繰り返し島を荒らす兄弟

Olichel / Pixabay

暴力をふるう理由は本当に些細でした。機嫌が悪ければ目の前にいただけでも因縁をつけ暴行し、警察に通報されれば数日で出所した後お礼参りをしていました。そんな中、島の青年団が入場無料で歌劇団を招き公演をしてもらうという企画をしました。

自分が経営している映画館よりも客入りがいいことに腹を立てた兄弟は、青年団へ殴り込みを行いました。9人もの人間がけがを負わされてしまいました。

村人が多勢で兄弟を取り囲み暴行して殺害

stevepb / Pixabay

ついに堪忍袋の緒が切れた島民たちは集会にて兄弟への報復を決め、39人もの人を集めて闇夜に兄弟を呼び出し、取り囲みました。棍棒などの武器を持った島民は兄弟を力の限り殴打します。

最初はただこらしめるだけのつもりだった島民たちですが、兄弟の抵抗をものともせずに殴打を続けました。この人数には兄弟も太刀打ちできず、やまない暴力の中で最後にはふたりとも息絶えてしまいました。

姫島村リンチ事件のその後の判決は思わぬ結果に

12019 / Pixabay

この一件の後、暴行に参加した人間のうち15人が起訴されることになりました。裁判の結果どうなったのかについてご紹介します。

首謀者には実刑だがその他は軽い刑

succo / Pixabay

まずこの一件を先導した男性は懲役2年という実刑判決がくだされました。その他の14人については執行猶予がつき、2名もの人間を撲殺したにしてはかなり軽い判決結果となりました。

実刑にしても人を殺したという事件に対しては異例と言えるほどに刑は軽く、被害者側にもかなり問題があったにしても軽すぎると言ってしまっても過言ではないような違和感の残る判決でした。

村は怖い殺人集団というレッテルが貼られる

geralt / Pixabay

NEXT 村は怖い殺人集団というレッテルが貼られる