絶滅危惧種!?アオギスの生態から特徴をご紹介

アオギスはなぜ絶滅の危機にあるのか。現在は残念なことに生態の調査や研究の情報が少ないことから明確な理由は明らかになっておりません。アオギスはかつて東京湾など日本各地の淡水の影響のある砂泥干潟に多く見られましたが、繁殖や産卵の為、水の澄んだ砂泥干潟に生息するアオギスにとって、高度経済成長による干潟の開発により干潟が埋め立てられてしまった為に浅瀬が減少し、水質の悪化によって徐々にアオギスの住みかが奪われていったことが最大の要因でしょう。

干潟再生のシンボル

餌環境の悪化としてアサリの激減も原因の一つと言われています。大分県北部や山口県南部の市場では近年出荷された記録があり、絶滅危惧種と言われながらも漁業資源として利用されていました。環境省の定めるレッドリストとレッドデータブックで絶滅危惧種IA類に指定され、干潟に強く依存する生態から「干潟再生のシンボル」とされています。現在では漁業的な養殖は行われていませんが、下記の通り研究は進められているようです。

海洋生物環境研究所はアオギスの研究を行い、繁殖や累代飼育に成功している。近年、繁殖させたアオギスを東京湾に再放流する計画もあったが、かつて東京湾に生息していたアオギスとの遺伝的同一性が確認できず、中止となっている。

(引用:Wikipedia)

アオギスの歴史

江戸時代から昭和40年前後まで、浅瀬に脚立を立ててアオギスを釣る「脚立釣り」が東京湾の夏の風物詩でした。江戸の大名の余暇な時間の使い道として当時の江戸湾(東京湾)での釣りが始まり、やがて庶民の間でも流行したことから江戸の粋な趣味文化として確立したと言われています。

脚立釣りとは

音に敏感なアオギスを驚かさないように高い脚立を立てて登り、その上に腰を据えて日がな長い竿から釣り糸を垂らして釣るという特殊な釣り方は人々から親しまれていました。船頭が時折、様子を見に現れ、場所の移動をさせてくれたり、飲み水や弁当を届けてくれたりもしたそうです。この光景は、初夏の江戸の風物詩として浮世絵に描かれており、日本最古の釣りの案内書といわれる「何羨録」に書かれている釣りの手法でもあります。かつては広大な干潟が広がっていた東京湾でしたが、昭和30年代から開発によって干潟が埋め立てられアオギスの生息域も徐々に減少して行き、昭和40年代にはアオギスとともに脚立釣りの文化も完全に姿を消しました。

アオギスは釣れるのか?

アオギスは水深の浅い干潟に生息し、聴音に敏感なことからアオギスを釣るのは容易ではなく、神経質な魚なので警戒心が強く水面の近くに寄ると音に驚き逃げてしまうのです。その為、脚立釣りという釣り方が発達し、シロギスよりも大きく引きも強い為、かつては江戸の釣り人を魅了した人気の魚でした。しかし現在では、絶滅危惧種であるアオギスは生息域の少なさから希少性の高い魚であり、釣りの対象になることは少ないです。

アオギスの釣り方

特徴の似たシロギスと間違うことも殆どかもしれません。前述した通り、西日本の一部では釣れることもあります。投げ釣りで狙うこともできる為、投げ釣り専用のタックルも多く、シーズンに入ればライトタックルでも狙うことができます。 砂地に生息するため砂浜海岸であれば特に藻場周辺やかけあがり、ゴロタ石付近など起伏のある個所を狙うと良いでしょう。釣れる時期は7~10月が釣りやすいです。

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