八尺様とは?
オカルトフリークで知らない人はいない殿堂入りの怪談といえば八尺様です。その姿を一目見ただけで魅入られ、ついには殺されてしまうという噂もある恐ろしい存在です。
八尺様の怖いお話
ある男性が田舎の祖父母宅の縁側でくつろいで居たところ「ぽぽぽぽ」、と奇妙な音が聞こえてきました。音の出所に視線を移すと庭にある生垣の先に帽子が見えました。帽子は徐々に移動し、生垣の途切れた場所まで辿り着きます。すると帽子を被ったワンピース姿の女性が目に入りました。
2メートルある石垣より背の高い女性に彼は驚きましたが、さして気に止める事もなく女性はそのまま去っていきました。日が暮れ、食事の最中に彼は昼間見た女性の事を祖父母に話します。すると祖父母は青ざめた顔で彼に、今日は家から一歩も出てはいけないと言い、家の一室に彼を籠らせました
。祖父が連れて来た霊能者は彼にお札を手渡し、今晩誰が部屋を訪ねてきても返事をしてはならないと言います。訳の分からぬまま言われた通りに部屋に籠っていた彼ですが、深夜に目を覚ますとドアの外から祖父の声がしました。「大丈夫か?怖かったら出てきていいぞ」と語りかけてくる声は祖父に限りなく似た別人の声です。
恐怖が限界に達した彼が次に目覚めた時は朝になっていました。部屋を出ると彼の父が迎えにきており、村の男性達が大勢集まっていました。ワンボックスカーに乗せられ村を抜けるまで車の外は絶対に見ないように言いつけられます。
しばらく車を走らせているとまたあの、「ぽぽぽぽ」という声が聞こえてきます。驚いた彼がつい、窓の外を見てしまうと、窓ガラスの外に大股で歩く女性の足だけが見え、覗き込む様な仕草で彼を探します。追われながらも何とか村外に車が到着した頃、あの声も女性も消えていました。彼は二度と祖父母の村には来てはならないと言われたそうです。
八尺様は2ch発信の怪談話
八尺様のお話が全国的に知られるきっかけとなったのは匿名掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)への書き込みです。オカルトファンが集うオカルト板で話題騒然となり、様々な考察や類似のエピソードなどを交え、当時おおいに賑わいました。投稿された時期は2008年と、まだまだ世はオカルトブームの最中にあった時代であり、毎日のように2ちゃんねる発祥の怪談が生まれていたオカルト全盛期でもあったのです。
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八尺様は実在するのか?
都市伝説とも言える八尺様ですが、最初に八尺様のエピソードが投稿されて依頼、全国で八尺様と思しき存在の目撃情報が多く寄せられました。どの目撃情報も八尺様の特徴に当てはまるケースが多く、場所を問わずに現れるのは何故か?など考察の余地が残ります。
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八尺様の舞台を検証
八尺様はその認知度から様々な考察サイトや専門スレッドが今なお乱立しています。そんな数多くある掲示板のあらゆる所で八尺様の舞台となった土地は東北地方ではないかと言われています。実際に八尺様らしきものに遭遇した人々の声で圧倒的に多い土地である事も理由の一つです。そこで、東北地方の中から更に狭い範囲にフォーカスを絞って検証してみましょう。
八尺様の舞台は青森?
まず注目されるのが八尺様の名前に冠されている「八尺」ですが、単純に八尺ほどの背の高さから由来していると考えるケースがあります。八尺は約2.4メートルとされているので頷ける説です。更に、もう一つの仮説として挙げられるのは、八尺は地名から由来しているのではないかというケースです。調べたところ、日本に八尺がつく地名は一ヶ所のみで、青森県にある八尺堂という場所に行きつきました。
青森県八尺堂の場所
噂通り、やはり八尺様発祥の地は東北地方という線が濃厚です。青森市に隣接する七戸町に八尺堂という地域が存在します。八尺堂の名前の由来は定かではありませんが、酪農や競走馬生産が盛んな小さい町です。八尺様のエピソードから想像できるのどかな田舎町といった事以外関連性は見えてきませんが、全国的に珍しい八尺の姓を持つ人が居るなど、何かしらの縁を思わせます。
八尺様の舞台を検証パート2
次に検証の対象に挙がるのは、東北から遠く離れた四国の八尺神社です。八尺様目撃情報の中に四国のエピソードは見受けられませんが、四国は妖怪譚やオカルトチックな信仰が数多くある魅惑の土地です。ここでは八尺神社に纏わる伝説と共に八尺様との共通点があるのか検証します。
八尺様の舞台は愛媛県?
愛媛県八幡浜市内にある八尺神社は奈良時代に創建されたとされる神社です。ここでも八尺というワードに焦点を当てて検証してみると、この神社の名前が八尺神社と名付けられたのは明治時代にまで遡ります。古くは平家の氏神としても信仰を集めた八尺神社は三種の神器の「八尺の勾玉」から由来したものです。
八尺神社にまつわる白姫伝説
この八尺神社には古い伝説が残っており、そのエピソードに関係するのが戦国時代に存在した白姫という方です。当時八幡浜市の北側を納めていた大洲城の城主、宇都宮家と八幡浜市の南側を納める摂津家の対立が激しい状況にありました。その宇都宮家に嫁いできたのが白姫です。後の戦で夫の宇都宮房綱を亡くした白姫は八坂神社に出戻り、自ら命を絶ちました。
白姫は八尺様なのか?
白姫の死後何百年も経ったのち、白姫のお墓とされる場所から壺と錆びた小刀が見つかり、八坂神社の宮司の夢枕へ白姫が三晩続けざまに現れ「家に帰りたい」と切望しました。その後、丁寧に埋葬されて以降何も障りが無いとされている事から八尺様との関係性は皆無だと言えます。
八尺様だと見極めるポイント
全国各地で目撃情報のある八尺様。あなたがもし遭遇してしまったらどうしますか?万が一八尺様に出会ってしまった場合すぐに回避できるように、ここでは八尺様の特徴をピックアップします。この条件に当てはまるものにはご用心下さい。
高身長の女性
この記事の最初にも触れたように、八尺様の身長はおおよそ2~3メートルという点が様々な目撃情報から推察されます。また目撃される場所として住宅街など、人がよく行き交う場所であることから、塀の向こう、車の向こうなど何かを隔てて目撃しているケースが多く一目で異様な大きさに気付く事が出来そうです。
ぽぽぽぽぽ
八尺様の不気味さを際立てている怪音とでも呼ぶべき「声」に注目しましょう。前途の通り「ぽぽぽぽぽ」とだけ繰り返される八尺様特有の現象ですが、その声は八尺様の見た目に反し、男性的な声だと言われています。人の声真似を得意としている様な情報もある事から、多種多様な声色が出せるのかもしれません。
八尺様の服装
代表的なエピソードでは白いワンピース姿の八尺様ですが、目撃した人によってその服装は様々です。白い着物姿であったり、一般の人と何ら変わらない恰好をしていたり等、枚挙に暇がありません。ただ、多くのエピソードに共通しているのは「白い服」で頭に何か被っているという点です。
ゆりあんが遭遇した八尺様
R1グランプリに出場、女芸人No.1決定戦で優勝するなど、ピン芸人として活躍しているゆりやんレトリィバァさん。いつも明るい彼女ですが、軽い霊感体質をお持ちのようです。そんなゆりあんが遭遇したの恐怖体験の中に八尺様を思わせるエピソードがありました。
大阪難波で八尺様に出会う
ある年の春、ゆりあんは芸人仲間と花見をすべく、難波の夜道を自転車で走っていました。花見用のおつまみを買いに行く途中、花見をする予定の公園に差し掛かったところ深夜の公園内に女性が一人ポツンと立っています。その女性は滑り台の裏側におり、垂直に飛び跳ねながら、歌とも言葉ともつかない意味不明な音を発していました。