「あたしはもう お嫁にいけません」とは?
結論から言うと、「あたしはもうお嫁にいけません」は決して危険な言葉ではありません。しかし、検索した画像を見ると、ショックを受けてしまう方もいるかもしれません。まずは「あたしはもうお嫁にいけません」の元ネタや意味について紹介します。
「あたしはもうお嫁にいけません」の元ネタや由来は?
「あたしはもう お嫁にいけません」の元ネタは、1つの絵です。この絵には、無数の傷のような模様がかった赤黒い背景に女性の姿が描かれています。女性は目を大きく見開いて不気味に微笑み、首は普通の人の3倍以上もの長さに伸びています。女性は、着物のようなものを着ていて、前面ははだけていて、乳房がのぞいています。
これは1枚の絵に過ぎませんが、その不気味さや異常さから、不安や恐怖を感じる方も多いのでしょう。また、正式なタイトルは「あたしはもう お嫁にはいけません」です。なぜこのようなタイトルがつけられたのか、由来については、後ほど説明します。
「あたしはもうお嫁にいけません」の作者は誰?
「あたしはもう お嫁にはいけません」の作者は立島 夕子(たつしま ゆうこ)さんという画家です。ネット上では、「この絵を描いた人は亡くなった」という噂もありますが、2024年1月現在、亡くなったという情報はありません。
「あたしはもう お嫁にはいけません」の画像はどこで見れる?
「あたしはもう お嫁にはいけません」の画像は、立島夕子さんの公式サイト「立島夕子の地下要塞」で見られます。
サイトトップから「絵画」のリンクに飛ぶと、立島夕子さんの絵画の一覧が現れます。「あたしはもう お嫁にはいけません」は8段目の右側です。クリックすると絵の全体像が見られます。
「あたしはもう お嫁にはいけません」に込められた意味とは?
作者の立島夕子さんは、「あたしはもうお嫁にいけません」について、X(Twitter)で以下のように語っています。
なんかまたガセネタ出回ってるので本当の事書いておきますね。絵画「あたしはもう お嫁にはいけません」を描いたのはこの私です。まだ生きてます。あの絵は強姦と強姦未遂とストーカ−に遭った私の苦しみを描いた絵です。別に過去の事私は隠してないので、この話は誰にでも聞かれたら答えます。
立島夕子 Yuko Tatsushima @Yuko_Tatsushima |
「あたしはもう お嫁にはいけません」というタイトルには、性犯罪に対する恐怖や苦しみ、性犯罪に立ち向かおうという反逆の精神が込められているのでしょう。立島夕子さんは、「人物画のほとんどは自画像である」と述べていることから、「あたしはもう お嫁にはいけません」に描かれている女性の姿も、立島夕子さん本人だと考えられます。
大きく恨めしげに開いた目や、性被害に遭ったことを思わせるはだけた着物からのぞく胸は、卑劣な性暴力に対する、立島夕子さんの声なき非難であるのかもしれません。
作者の立島夕子とは?
「あたしはもう お嫁にはいけません」は、立島夕子さんが描いた絵が元ネタになっています。立島夕子さんはどのような画家で、なぜ「あたしはもう お嫁にはいけません」を描いたのでしょうか。また、ほかの作品にはどのようなものがあるのでしょうか。
作者のプロフィールや現在、「あたしはもう お嫁にはいけません」を制作した理由、他の作品について紹介していきます。
作者のプロフィール、略歴は?
立島夕子さんは1974年、東京で生まれました。1998年女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻版画コースを卒業後、画家や人形作家、パフォーマーとして活躍しています。絵画個展「美怪猫生前葬」(1999年)を初めとする個展を複数回開催していて、映画「魂のアソコ」では主人公ルリコ役を演じて、話題になりました。
雑誌ではEATER、BURST、戦慄!世界の心霊 恐怖画像 などに作品やインタビュー記事が掲載されていて、テレビ番組では「トゥナイト2」 、「たけしの誰でもピカソ アートバトル2002年秋の陣」、「東京ゴスロリックNight」に出演しています。
作者が「あたしはもう お嫁にはいけません」を制作した理由
先述の通り、立島夕子さんはストーカーによる性被害に対する反逆の精神を映し出すものとして、「あたしはもう お嫁にはいけません」を制作しました。しかし、この作品にはもう一つの「暴力」に対する強い嫌悪感と抗議の気持ちが込められています。その暴力とは、戦争と徴兵制です。
ご存知の方々あまりいらっしゃらないと思うけど、私の初期の作品「あたしはもう お嫁にはいけません」は反徴兵制の絵でもあるのですよ。私はもうずっと昔から戦争が大嫌いな人間なのですよ。
立島夕子 Yuko Tatsushima @Yuko_Tatsushima |
立島夕子さんは小学生の頃、広島出身の教師に原爆の写真集を見せられ、怖くなって逃げだしてしまったことに罪悪感を抱き、自分で原爆について調べたそうです。子供時代に感じた原爆への強い印象が、反戦・反徴兵制の意識を抱かせたのかもしれません。
作者のほかの作品(※原爆をテーマとした作品などを入れる)
立島夕子さんは原爆へ強い印象を抱いていることもあり、原爆をテーマにした作品を数多く手がけています。その代表ともいえるものが2000年に開催された個展のタイトルにもなっている「爆心地のマリア」です。
半分溶けたような女性の姿が炎の中から立ち上がっており、女性の乳房からは被爆状況を示す同心円の模様が広がっています。色彩を押さえたシンプルな線と構図であるからこそ、ストレートな原爆への恐怖と怒りの気持ちが感じられるようです。こちらの作品も公式サイト「立島夕子の地下要塞」で閲覧可能です。
作者の現在
立島夕子さんの現在は不明です。立島夕子さんはお母さんが亡くなられたことやストーカーにあったトラウマから境界型人格障害を発症しています。そのほかにも胆石や胆嚢炎発症(胆嚢全摘出手術により完治)、線維腫、虚血性大腸炎発症、原因不明の全身激痛発症といった不調に悩まされていたようです。
心身に病を持っているということで現状が心配ですが、繊細な感性だからこそ生み出される、個性的で迫力のある作品をまた新たに世に出してもらいたいですね。
制作者のXは現在止まっている?
立島夕子さんはX(Twitter)のアカウントを持っていますが、2019年7月23日で投稿が止まっています。投稿が止まるまでは頻繁に投稿を行っていて、制作中の新作紹介も積極的に行っていました。しかし、現在はまったく新しい投稿がありません。
InstagramやFacebookのアカウントもないようで、立島夕子さんの現在を追うことは難しい状態です。