「あたしはもう お嫁にはいけません」は検索してはいけない言葉と言われていますが、シンプルに怖い絵だから安易に検索してみないように、という意味合いもありますが、見ると死ぬ、呪われる、めまいがすると言う噂もあります。
なぜそのような噂がされるようになったのでしょうか。理由を詳しく見ていきましょう。
シンプルに「怖い絵」だから
「あたしはもう お嫁にはいけません」はシンプルに怖い絵です。興味本位で絵を見てしまうと、怖い思いを引きずることになるので、注意を促すために「検索してはいけない」と言われているのかもしれません。
見ると死ぬと言われているから
「あたしはもう お嫁にはいけません」の絵を見ると死ぬという噂があります。これはこの絵が恐怖画像として掲示板に貼られていたことが関係しているの可能性があります。「不幸の手紙」のようなもので、見ると不幸になる、死ぬという噂が生まれたと言えます。
しかし、「あたしはもう お嫁にはいけません」は、作者である立島夕子さんの性犯罪や戦争への反逆の思いが描かれた絵画であり、見ると死ぬということはありません。
見ると呪われる、めまいがすると言われているから
「見ると死ぬ」と同様に、「見ると呪われる」、「見るとめまいがする」という噂もあります。こちらももちろん、なんの根拠もない噂に過ぎません。ただし、インパクトのある絵のため、見ると不快感を覚えたり、気分が悪くなったりする人もいるかもしれません。
「あたしはもう お嫁にいけません」に似た作品は?
「あたしはもう お嫁にはいけません」に限らず、芸術作品には作者の怒りや悲しみ、慟哭などさまざまな「負」の感情が込められているものも多いです。
その中から、「あたしはもう お嫁にはいけません」と共通点を持つ作品として、「不気味な自画像」、「女性の傷ついた心を表す絵」、「見ると死ぬと言われている絵」の特徴がある3つの作品をご紹介します。
ジェームズ・アンソール「骸骨としての自画像」
ジェームズ・アンソールの「骸骨としての自画像」は、「あたしはもう お嫁にはいけません」と「不気味な自画像」という点で共通点が見られる絵です。
ジェームズ・アンソール(1860~1949)はベルギーの画家です。彼の描く絵は、仮面や骸骨をモチーフとした、鮮やかながらどこか死の臭いのする作品が多く、人を不安にさせる雰囲気を持っています。作品には自画像も多くあり、その中の一つが1889年に作られた「骸骨としての自画像」と題される、小さなエッチングです。窓の前に立つアンソールの顔は骸骨になっており、今にも命の灯が消え入りそうな、不安さと不吉さに満ちています。自身の顔を骸骨として描いた理由は、アンソールが強迫観念のように死を強く意識していたからであるといわれています。
フリーダ・カーロ「ちょっとした刺し傷」
「ちょっとした刺し傷」は、「あたしはもう お嫁にはいけません」と「女性の傷ついた心を表す絵」という点で共通点が見られる絵です。フリーダ・カーロ(1907~1954)はメキシコの女流画家です。ダイナミックな壁画作品で有名な画家ディエゴ・リベラの妻としても知られています。
ディエゴは恋多き男性であり、さまざまな女性と浮名を流した挙句、フリーダの妹とも関係を持ってしまいました。愛する夫と妹が密通していることを知ったフリーダが描いた絵が、「ちょっとした刺し傷」です。ベッドに横たわる刺し傷だらけの女性と、その傍らでナイフを持って立つ男性、額にまで血になぞらえた赤い絵の具が散っています。
ディエゴにとっては「ちょっとした過ち」でも、フリーダにとっては死にも勝る苦しみであったことが、痛いほど伝わってくる絵画です。
ズジスワフ・ベクシンスキー「無題」
ズジスワフ・ベクシンスキーの「無題」は、「あたしはもう お嫁にはいけません」と「見ると死ぬと言われている絵」という点で共通点が見られる絵です。ズジスワフ・ベクシンスキー(1929~2005)はポーランドの画家です。死や絶望、退廃をモチーフにした、バロックやゴシックといった技法で描いた暗く不気味な絵を描いており、「終焉の画家」とも呼ばれています。
荒れ果てた大地を背景に、椅子に置かれた生首が描かれた「無題」という作品は、「3回見ると死ぬ」といわれています。もちろん、「あたしはもう お嫁にはいけません」と同じく、都市伝説に過ぎません。彼の作品をじっくり見ると、不気味さの中にも神々しさ、荘厳な美しさが感じられるでしょう。
「あたしはもう お嫁にはいけません」を見た人の声は?
「あたしはもう お嫁にはいけません」はネット上で恐怖画像と見なされていたこともあり、X(Twitter)でも多くその名前を聞くことができます。それでは、「あたしはもう お嫁にはいけません」を見た人の口コミを見ていきましょう。
口コミ①:検索してはいけない言葉「あたしはもう お嫁にはいけません」を紹介
『あたしはもうお嫁にいけません』怖
有名な恐怖画像。首が長い女性が描かれた赤黒い絵画。あまりにも不気味なため作者が自殺する前に描いたものという話が出回っていたがデマである。作者である立島夕子氏のHPには、トップからこの絵画の顔が見られるため、ある意味マスコット的存在となっている。 検索してはいけない言葉紹介bot @Bad_kensaku_bot |
「検索してはいけない言葉紹介bot」が紹介した口コミです。こちらの口コミ通り、「立島夕子の地下要塞」では、メニュー選択のサムネイルは「あたしはもう お嫁にはいけません」の顔になっています。
口コミ②:下着泥棒を「あたしはもう お嫁にはいけません」で撃退
下着泥棒に下着を盗まれまくっていた時、立島夕子さんの「あたしはもう お嫁にはいけません」をA4サイズに印刷して(表が顔の拡大・裏が全体像の両面で)ラミネート加工したものをぶら下げたら、一発で止んだ。絵が描かれた経緯を考えるとある意味正しい使い方かもしれない。
テキイチ(厂˘ω˘)厂 @text_text_text |
「あたしはもう お嫁にはいけません」は「見ると死ぬ」、「呪われる」という噂が流れるほど、不気味で迫力のある絵です。下着泥棒が逃げるのも当然の話で、口コミにある通り「正しい使い方」をしているといえるでしょう。
口コミ③:顔面加工する女性の写真は「あたしはもう お嫁にはいけません」と同じくらい怖い
唐突に流れてくる顔面加工しまくってる若い女の画像が違和感あり過ぎて最早ブラクラみたいに怖いんだけど…。正直初めて「あたしはもうお嫁にいけません」見た時を思い出す勢い。まぁ分かってやってるんならそれもええか(多分分かってない)。
コギト @iggylain |
顔画像を加工している女性の写真は「あたしはもう お嫁にはいけません」を思い出すほど怖い、という口コミです。不自然に目を大きく、体を細くした写真は、たしかに「あたしはもう お嫁にはいけません」に類似した部分があるかもしれません。
「あたしはもう お嫁にいはけません」は深い意味が込められた絵画
検索してはいけない言葉として知られる「あたしはもう お嫁にはいけません」の元ネタは、立島夕子さんという女性の画家が描いた絵でした。
確かに見る人を不安にさせるような不気味な雰囲気はありますが、作者の性犯罪や戦争への怒りや恐怖、反逆心が込められている絵画です。
怖い絵だからといって、「見たら死ぬ」、「呪われる」と怖がるのではなく、絵が描かれた背景を踏まえながら、じっくり眺めてみてはいかがでしょうか。画家が絵に込めた、痛々しいまでに込められた想いが見えてくるはずです。