ダイエットをするにあたってはエネルギーを多く消費することが体重を落とすのにつながりますが、キリンたちの様にわずかなエネルギーでその巨体を維持することができる低い代謝というのはまさに究極の省エネモードといえます。
キリンが頭を下げて寝るのは血圧からも危険
次は特徴的な身体ゆえの理由です。キリンは成体でなんと高さ5m。心臓から脳までの距離は実に2mにも達するといわれています。それほどの高低差のある場所へ血液を常に循環させるためにキリンの血圧はとても高くなっています。常時250mmHgにもなります。
立った状態で必要な血圧ですから、頭を下にして足を折りたたんだ姿勢でこの血圧がかかると体に大きな負担がかかり生命維持にも影響が出るでしょう。
短い睡眠時間を支えるキリンの省エネパワーのすごさ
キリンの代謝が低く、とてつもない省エネモードを搭載した体だとご説明しました。実際にどれくらいの省エネ力があるのか少しご紹介します。
まず、体長5m、体重は2000kgにもなるキリンの食事量というのはどれくらいなのでしょうか?一日に60kg以上もの草を食べたというデータもありますが、キリンが暮らすサバンナはいつもそんなに豊富な餌があるわけではありません。乾季などで餌にありつけないときはたった7kgでも生き延びることができます。
これがどれくらいすごいことかというと、カロリーベースではなく重量ベースの話にはなりますが、キリンの体重2000kgに対して餌が7kgですから重さにして体重のわずか0.35%の量ということになります。
50kgの女性が一日に175gの食事で暮らすのはかなり厳しいでしょうからそのことからもキリンの代謝のすごさがわかります。おまけに7kgはすべて草であり、私たちの食事に比べてほとんどカロリーはありません。
いかにキリンの代謝が低くわずかなエネルギーで生命を維持できるかがわかるデータといえます。
動物園にいるキリンも睡眠時間が短い?
常にライオンたち天敵に狙われている生活を送る野生のキリンたちの睡眠時間が短くなるのは大いに納得できますが、果たして人間に保護され命を狙われる危険のない環境で暮らす動物園のキリンたちの睡眠時間はやはり20分という短いじかんなのでしょうか?
動物園など飼育下のキリンは4時間ほど眠る
非常に興味深い話ですが、動物園のキリンたちはたっぷり眠ります。座る姿勢でなんと4時間ほど眠ることがわかっています。仮眠であれば2時間以上取ることももちろんあるでしょう。
生息環境で睡眠時間は変わる
命の危険がない動物園などといった環境においてはキリンたちの睡眠時間や生活スタイルは変化するということです。動物園では与えられる餌などもやはり野生とは多少なりとも異なるのでそういったことも理由の一つにあげられるでしょう。生きていく上で環境というのがいかに影響力が大きいかということがうかがえます。
キリンの寝姿が可愛いと話題に!
動物園でしか見ることのできない貴重な姿ともいえるキリンの寝姿のかわいらしさがSNSなどで話題になっています。長い足を器用に折りたたみそこへ首をぽってりと乗せてグーグーと眠る姿は白鳥のようにも見えてとてもかわいらしいです。
動物園では大人のキリンも座って眠る
特に大人のキリンの寝姿というのは野生では貴重なものです。命を脅威から守るために常に神経をとがらせているからです。けれど、動物園ではそういった大人のキリンの座った寝姿も見ることができます。