カエンタケとは?燃える炎のような見た目の毒キノコ
カエンタケというキノコをご存知でしょうか?イラストなどで見かけるカサのある見た目をしたキノコとは違い、まさに「火炎」のように指が揺らめくような形をした赤いキノコです。漢字では火炎茸や火焔茸と表されます。
カエンタケは食べるも地獄!触れるも地獄!
このキノコ、見るだけでも危険そうな姿をしていますがその通りで毒キノコの中でも最強と恐れられるほどの強い毒を持ち、食べればもちろん死に至りますしなんと触れるだけでも危ないとされています。
カエンタケの生態・生息地・発生しやすい場所など徹底紹介!
食べるだけではなく、触れるだけでも危険なカエンタケ。このキノコが自分の住む近くに自生しているのか気になる方も多いでしょう。生態や生息地などにここでは迫っていきます。
枝分かれして生えるカエンタケ!まるで燃え上がる炎のよう
こちらの画像からもわかるようにまるで人の指のような、炎が揺らめくような枝分かれした赤い菌体が大きな特徴です。名前の通り、まるで燃え上がる炎のような見た目をしています。
カエンタケは日本や中国などに分布!夏~秋にかけて発生
このキノコはなんと日本にも自生しています。日本や中国、インドネシアのジャワ島などのアジアを中心にに分布しています。主に発生する時期は初夏から秋です。
ナラ枯れした樹木に発生しやすいカエンタケ
カシノナガキクイムシと呼ばれる虫がナラをはじめとした広葉樹に卵を産み付け中で幼虫が育つことでその木本体を枯らすという大きな害虫被害をもたらしていますが、カエンタケはこういった枯れたナラの根本によく発生することがわかっています。
カエンタケの毒性とは?脅威の致死量3g
簡単に生態をご紹介してきましたが、いよいよここからはその強烈な毒性についてご説明していきましょう。なんと致死量はわずか3gです。
カエンタケは触れるだけで危険なキノコ!
先ほどから繰り返しご説明してきましたが、食べるのはもちろんですが触るだけでも危険です。触れるだけでもその汁が皮膚に当たるのであればあっという間に皮膚がただれてボロボロになってしまいます。
カエンタケは口に含んだ時点でアウト
通常の毒キノコなどですと誤って口に入れたとしてもその場ですぐ吐き出してしまえば危険を回避できます。しかし、このカエンタケは違います。吐き出したとしても口の中に残った汁によって口内の粘膜がたちまちただれてしまいます。どんな味がするのかとほんのわずかでも口に含めば危険にさらされてしまうでしょう。
近年まで危険性は認識されていなかったカエンタケ
近年までこの毒キノコの存在はそれほど認識されていませんでした。江戸時代の植物図鑑「本草図譜」に「大毒あり」との記述がみられるため江戸時代には認識されていたようです。
しかしそれ以前の記録は今のところ発見されておらずその理由として発生数が少なく食不適としてノーマークだったことが理由と考えられます。
カエンタケの毒性分について徹底解説
毒成分についてはかび毒(マイコトキシン)の仲間であるトリコテセン類が挙げられます。トリコテセン類は他の毒キノコにはあまり含まれない特徴的な有毒成分となります。トリコテセン類にはロリジンE、ベルカリンJ(ムコノマイシンB)、サトラトキシンHなど計6種類が含まれます。
カエンタケの毒性による症状について紹介①食べるとどうなる?
食べれば死に至り、触れるだけでもとんでもない被害を引き起こすこの毒きのこですが食べると一体どうなるのでしょう?ご紹介していきましょう。
カエンタケの食後〜30分に出る症状
口に入れて10分もすれば嘔吐、腹痛といった消化器官における様々な症状が現れます。この時の吐瀉物などに触れるとその人の皮膚も危険にされされます。取り扱いにはゴム手袋などを使用し注意を払いましょう。
カエンタケの食後に数時間経過すると現れる症状
続いてめまいや痺れなど神経系の症状を次々と引き起こします。寒気、手足のしびれ、発熱などの症状となります。摂取した際に触れた粘膜部分も強烈な被害を受けますので口の渇きや口内炎、ただれなども起こります。
カエンタケの食後から24時間ほどで出る症状
消化器官や神経系に多大な影響を与えるので様々な内臓が機能不全に陥ります。肝不全、腎不全とまさに全身をあっという間に犯してしまいます。さらには造血機能にも作用してしまいます。造血機能まで被害が及ぶと命はますます危険にさらされます。
最悪の場合には2~3日で死に至るカエンタケ
造血機能の低下により徐々に白血球や血小板の数も減少します。他の感染症のリスクも上がり、血小板の減少から粘膜から起こる出血も止まりにくくなるでしょう。最悪の場合には2,3日で死に至らしめてしまいます。
死には至らなくても1ヶ月ほどは症状が続く?
様々な内臓器官の機能を奪ってしまうため不幸中の幸いとして死を免れたとしてもその機能が戻るまではかなりの時間を要します。1か月ほどはご紹介したような様々な症状に苦しめられることになります。
カエンタケの毒によって後遺症が残ることも
なんとか命を取り留めた先にまつ不安は後遺症の恐れです。神経系にも影響を与えるため、当然脳にもこの毒性は影響を及ぼします。体が回復したとしても歩行障害や言語障害、身体のマヒなど深刻な後遺症が残ることもあります。
カエンタケの毒性による症状について紹介②触るとどうなる?
続いては触った際の被害についてどのような症状が起こるのかご紹介します。万が一森で見つけたときも決して触ってはいけません。
カエンタケの汁に触れると皮膚がただれる
毒を含む汁に触れることが問題です。しかし、どこに汁がついているかなどわかりません。やはり触ることは控えるのが賢明です。
万が一この汁に触れると、この毒には皮膚刺激性があるため皮膚が徐々にただれてしまいます。
吐しゃ物に触れただけでも症状が出ることも
汁に触れてしまうと皮膚がただれますが、もちろん誰かがこの毒キノコを不幸にも食べて嘔吐したものを処理しようとして触るのももちろんアウトです。触れた際と同様の被害が及ぶ場合があります。
カエンタケの毒への対処法とは?
まさに向かうところ敵なし、といったような強烈な毒性を誇るカンエタケですが、万が一この毒を摂取してしまったり触れてしまったときにはどのように対処すればよいのでしょうか?
カエンタケを食べてしまった場合の対処法
誤って食べてしまったとき、勝負は接種後数十分で決まって今います。ただちに病院へ向かいましょう。救急車を呼んでもかまわないほどの緊急度になります。受診の際にはいつ食べたのか、どのくらいの量を食べたのか、症状が合わられ始めてどれくらい経ったのかなどを伝えられるようにすると治療がスムーズになるでしょう。
その①胃腸など消化器を洗浄する
具体的な治療方法ですが摂取した直後であればまず症状のあらわれる胃や腸といった消化器官の洗浄が優先的に行われることになります。この時点で毒を体から除去することに成功すれば後の回復にも希望が持てるでしょう。
その②血液透析を行う
消化器官に毒が吸収されるほど時間が経ってしまった場合はいわゆるめまいなどの神経系の症状が現れだすとお伝えしてきました。