バサってどんな魚?
こんなところで売っています
「バサ」といわれても「バサ?」「サバの間違いなんじゃない?」と思ってしまうほど、その存在をあまり私たちは知りませんが、最近、スーパーの鮮魚売り場でよく見かけるようになりました。切り身を探している時に「フライやムニエルに」と値札の横に書かれてありお値段も手ごろなことから、気づかずに買っていたという方もいるかもしれません。
時短のあのアイテムにも
仕事や育児に追われ夕飯の準備もままならない時、香辛料やオリーブオイルに付け込まれ「焼くだけ」の文字につい手に取ってしまうのが味付け済で売られた魚の切り身だったりします。メニューを考える時間と味付けの手間が減り、時には主婦の強い味方となり得るそのパックの魚にも「バサ」を目にすることが多くなってきました。
身近なあのフライにも
実は既に日本の食卓ではお世話になっているかもしれません。居酒屋やお弁当、学校給食で提供される白身魚フライ、また、ファストフード店で販売されるフィッシュバーガーにもバサが使われている場合があります。魚をさばいて加工するには大勢の人手が必要なため、皮や骨が少なく形や大きさが揃えやすいうえ、臭みもなく淡泊で調理しやすかったバサが少しづつ浸透していったのではないかと思われます。
身近な存在になりつつあるバサ
意外にも、知らないようで、実は、私たちの食卓の身近な存在へなりつつあるバサ。これから目にする機会ももっと増えるかもそれません。いったいどんな魚なのでしょうか。最近話題のバサについて、これからもう少し詳しくみていきましょう。
バサの大きさ
体長120センチメートル
大きな魚ですね。これがバサという魚です。ナマズの仲間のいわゆる外国ナマズといわれるもので、大きいものは体長120センチメートル程度まで成長し、重さ250キロにもなる超大型淡水魚です。ナマズの中のパンガシウス科に属しますので、お店によっては「バサ」ではなく「パンガシウス」としても売られている場合もあります。
バサの生息地域
メコン川・チャオプラヤ川流域が原産
バサは東南アジアを流れるメコン川下流やチャオプラヤ川流域が原産で、カンボジアのトレンサップ湖にも棲んでいます。ベトナム、タイ、マレーシアなどでは養殖がさかんで、日本で売られている切り身も養殖されたものが輸入されています。
現在は養殖が主流です
カンボジアでは天然のバサが絶滅の恐れもあるほど減少しており、現在は養殖が主流となりました。最近の日本ではあまりなじみのないナマズですが、欧米ではよく食されており、ベトナム戦争後にアメリカに移住したベトナム人が、現地で好んでナマズが食べられていることに目をつけ輸入をはじめたことが今の養殖の発展のはじまりとなりました。
バサの生態
草食なんです
バサは意外にも植物を食べて大きくなります。肉食ではないんですね。また、バサはメコン川の雨季にあたる5月上旬頃に産卵し、6月はじめ頃には赤ちゃんがかえります。そして15日あまり経つと体長はすでに平均約5センチメートル程にも成長します。さらには、約1年で成魚となり、養殖の場合は出荷できる状態となります。
バサの特徴
お腹がどっしりとしています
バサの腹部はどっしりとしていて、私たちが食する身の部分の中でも体側筋と呼ばれる大きな筋肉の中央部が分厚いのが特徴です。頭は丸く平らで幅広く、口の先が丸く周囲に肉髭があます。鼻の入り口あたりに白い線がみられるのも大きな特徴の一つです。
バサの値段
お財布にやさしい
高値傾向にある天然魚に比べると養殖が盛んなバサは値段も安定しているといえるでしょう。また、産卵から1年で出荷ができるため、供給量が保てることからスーパーなどの小売店で徐々に販売が広がっているようです。国内では白身魚の代表として知られるスケトウダラよりも卸売価格が2割ほど安いということですので、これはなんともお財布にやさしい魚ですね。
バサの味
臭みやクセもなくあっさりとしています
ナマズの仲間と聞くとつい「おいしいの?」と思ってしまいがちですが、バサは熱を通しても硬くならずふんわりとした食感があり、ほどよく脂ものっています。臭みやクセもなく味もあっさりとしているので、いろんな調理方法が楽しめます。