サザエも噛み砕く「オオカミウオ」|ニュースにもなった話題の魚の生態や姿をご紹介|

オオカミウオは、世界的にはアラスカ、ベーリング海、オホーツク海、サハリンなどの北半球の海に生息する魚です。冷たい海を好む寒海性の深海魚とされています。岩礁地帯に群れを作って暮らします。

日本では、北海道のオホーツク海が主な生息地域とされ、茨城県以北の東北地方北部でも生息していることが確認されているようです。本州南部や九州では見ることができないので、貴重な魚種と言えますね。

オオカミウオ・北海道での存在

日本では北海道近海に生息するオオカミウオ。アイヌ民族の間では“チップ・カヌイ(チップ=魚、カムイ=神様)”と呼ばれ、神の魚として崇められていたという説があります。オオカミウオが獲れた年はニシンが大漁になると言われ、釣れたオオカミウオには酒を飲ませてから海へ返していたという言い伝えがあるほど、特別な存在であったようです。

現在は釣り上げられてもほぼ利用価値がないという理由で海にリリースしてしまう漁師が多いと言いますが、一方ではかつてオオカミウオを神として扱っていた伝統を継承している影響もあると言われています。

オオカミウオはどんな味?

滅多にお目に掛かることのできないオオカミウオですが、実際には日本で食されています。見た目はなかなかグロテスクなオオカミウオのそのお味、ちょっと気になりますよね。どんな味で、どんな風に食べられているのでしょうか。

オオカミウオを食べてみると・・・

全国的にはマイナーな魚ですが、オオカミウオがよく釣れる北海道道東などでは地魚として扱われています。オオカミウオの巨大な体は水分質な肉質で、脂の乗りはそれほどないということであっさりとした味わいの魚のようです。例えるなら、アンコウに似た淡白な味、キスのような食感のようだ、などと言われています。

おすすめの食べ方

新鮮で小ぶりのものは刺身でもおいしいそうですが、表皮に独特の臭みがあることから、フライや唐揚げなど揚げ物がおすすめのようです。北海道の道東方面では底引き網に紛れて釣り上げられることがあります。かまぼこの原料になるそうなので、実は私たちも口にしたことがあるのかもしれません。アンコウに似ているので鍋料理にも最適だそうです。

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