バッキー事件とは?AVメーカーが起こした強姦致傷事件
闇深いことで知られるアダルトビデオ業界において、その狂気が世に露呈したと言える出来事が、この「バッキー事件」です。事件の名前は、アダルトビデオ制作会社の「バッキービジュアルプランニング」に由来しています。
この会社は、レイプ、監禁、拷問など、ハードで猟奇的なビデオを専門に制作しており、その過激すぎる内容に対しては、かねてから問題視する声が上がっていました。
その上、出演する女性にはその撮影内容を知らせず、演技ではなく本当に嫌がり、傷つけられる女優の姿をカメラに収めていたのです。しかも、撮影中に振りかざされる暴力の数々は、安全性を度外視した危険極まりないものがほとんどでした。
中には死に至る可能性のある行為や、重篤な後遺症を与える行為も含まれており、人を人とも思わないその悪質さには、思わず閉口してしまいます。
女性の人権侵害に関する事件は、以下の記事でも紹介されています。
被害の実態が明らかに!バッキーの関係者が逮捕される
数多くの深刻な被害者生み、業界内では危険視されてきたバッキーですが、司法の手が及ぶには時間がかかり、その間本物の暴力行為が映されたアダルトビデオは、次々と発売されていました。
2004年12月16日、とうとうバッキーの代表・栗山龍や監督のハリケーン三郎、その他関係者ら併せて8人が強制わいせつ罪で逮捕され、その違法性が詳らかになります。
この時被害届を出した女性は、同年6月、居酒屋で薬物を吸わされたうえでマンションの一室に拉致され、無理やり暴力的な撮影に出演させられました。そして、強姦や暴行を受け、全治4ヶ月の傷害を負わされたのです。悪質なビデオ撮影に対し、いよいよ警察の捜査が開始されました。
ところが、栗山をはじめとする関係者らは、この時一度釈放されています。十分な証拠が集まらず、刑事訴訟が起こせないと判断されたのです。しかし、警視庁はこのままでは引き下がりませんでした。同様の被害を受けた女性たちを洗い出し、次々と被害届を提出させたのです。栗山たちは改めて逮捕起訴され、違法撮影の摘発に成功しました。
バッキー事件はどんな事件だったのか?行われた残虐な行為とは
鬼畜モノと呼ばれるジャンルのアダルトビデオは一般的に存在しており、一定の需要に答えています。その中では、レイプや虐待を受ける女性の姿が映されていますが、当然ながら、それらの行為は制作上の演出であるのが普通です。女優は作品の内容を事前に把握したうえで、嫌がったり痛がる演技をするというのが、健全な撮影手順と言えるでしょう。
ところが、バッキーの鬼畜モノAVは、そのような常識を裏切ったものでした。演出と呼ぶには度を越えすぎた暴力行為が伴い、命に係わる危険な手法が用いられていたうえ、女優の同意も得ずに撮影に及ぶという卑劣さの際立った所業だったのです。彼女らが受けた理不尽な仕打ちを紹介し、その撮影現場がいかに異常であったかをお伝えしましょう。
被害者女優をだまして行われたAV撮影
悪質なことに、被害にあった女優のほとんどは、本当の撮影内容を知らされていませんでした。撮影スタッフは「ちょっとしたSM」「軽い強姦もの」などと偽って、彼女たちに出演契約を結ばせていたのです。女性が辛いと申告したら、その場で撮影を止めるとまで断っていました。彼女たちはその言葉に安心して、契約書にサインしたのです。
ところが、いざ撮影に至ると、そのような口約束は簡単に破られました。突然前置きもなく集団に囲まれたかと思うと、避妊具なしで強姦され、そのうえ危険な暴力まで振るわれるのです。「カメラを止めて!」という叫び声も無視されます。スタッフの意図通り、女性はカメラの前で、演技ではない本気で恐怖する姿を見せるというわけです。
直腸・肛門への異物挿入
バッキーの制作するビデオに出演させられた女性たちは、わいせつ行為を受けるのはもちろんのこと、数々の常軌を逸した責め苦を味わわされます。肛門への異物挿入もその一つです。もちろん、女優に対して事前の断りもないうえに、安全性への配慮も、まるでありません。彼らは、まるで玩具のように弄ばれる、女性の姿を撮影したいのです。
一連の事件で最初に被害届を出した女優の場合、なんと肛門にバルーンを入れられそれを膨らませるという暴挙に晒されました。その上、直腸内でそのバルーンを破裂させられ、直腸穿孔や肛門裂傷といった深刻な傷害を負わされます。しかも、ことが直腸内で起こっているため、映像的効果はなしです。もはや営利目的の行為とも言えないでしょう。
被害者を繰り返し浴槽に沈める水責め
彼らが制作する鬼畜AVの常套手法として、水責めがあります。水の張った浴槽に女性の顔を沈めさせ、窒息寸前まで追い込むのです。どんなに止めてと叫んでも撮影は終わりません。一度息を吸わせたら、また水に漬ける。その繰り返しでフラフラになった女性と性行為を及ぶというものです。演技なしで苦しむ女優の姿が、ビデオには映されています。
さらには、プールに何度も女優を沈めたり、ホースで直接水を飲ませるといったことも行われていました。溺死する一歩手前まで苦しめられた彼女たちは、たまらず水や胃液を吐き出し、ぐったりとなってしまいます。そうなってもまだ水責めは終わらず、同じことが繰り返されるです。最早中世の魔女狩りさながら、拷問と変わりない所業と言えます。
虫責め・暴力行為
虫責めと呼ばれる鬼畜プレイもありました。生きている虫を女性の体に這わせたり、女性の性器の中に入れるという、想像しただけでも寒気がする所業です。恐怖と虫に咬まれた痛みで、当然女性は泣き叫びます。酷いものでは、女性器にゴキブリを入れられた状態で男性器を挿入されるという、常軌を逸した行為も映像化されています。
この他、様々な暴力や危険行為が、バッキーの制作するビデオには映されています。殴る、蹴る、髪を引っ張るなどは当たり前です。首を絞めたり、逆さ吊りにしたり、陰毛を燃やしたりといったことも行われています。女性が血を流す姿も平気で撮影されていました。もはや、映像を作ることより、女性を虐待することを楽しんでいたとしか思えません。
アルコール・薬物の利用
バッキーはプレイの一環として、当時「脱法ドラッグ」と呼ばれていた薬物を女性に投与していたことが分かっています。これは、法律上取り締まりの対象外であるものの、違法なドラッグと同じか、それ以上に危険な薬物です。女性は意識が混濁し、体の自由を奪われてしまいます。
最初に被害届を出した女性の場合、居酒屋で薬を吸わされ、前後不覚になった状態で撮影現場に連れ込まれました。プレイとしてだけではなく、撮影を強制するための手段としても、このような薬物が使われたのです。
また、撮影中の危険行為の一つとして、アルコールの利用も挙げあられます。特に酷いものとして、ロートを女性の口に入れて、そこに次々と焼酎を流し込むという暴挙が撮影されたビデオがあるのです。拒み続ける女性に恫喝や暴力を浴びせ、嘔吐してもなお、男優たちは彼女にアルコールを飲ませ続けました。
映像内で女性は急性アルコール中毒で意識不明に陥っています。異常な呼吸状態となって、脱糞までしており、死亡する一歩手前と言える状態でした。このようなビデオをポルノとして堂々と販売し、あまつさえパッケージに「死んだ?」などと書く制作者の、倫理観を疑わずにはいられません。
精神的に追い詰める
女性が絶望し、恐怖するありさまを撮影するのも、彼らの目的の一つです。例えば、拷問のような暴力を耐え抜くと、周りのスタッフや男優たちは女性を優しくねぎらったそうです。地獄のような撮影がようやく終わったと安堵するあまり、涙を流す女性も少なくなかったといいます。ところが、それも彼女たちを絶望させるための罠なのです。
安堵したのもつかの間、男性たちは態度を180度変えて、再び暴力と強姦を開始します。女性は再び絶望に突き落とされて、肉体のみならず、精神的にもボロボロにされるのです。バッキーのアダルトビデオでは、このように女性の不意を突いて恐怖を与える手法が多く用いられています。彼らの卑劣さが際立ってわかることでしょう。
被害者は全治4カ月の重傷
バッキーの撮影現場では、流血沙汰も当たり前でした。出演した女性たちが、死に至る寸前という危険な状態に陥ったり、重篤な後遺症に苦しむというケースも、一つや二つではありません。
直腸に傷害を負わされ、直腸穿孔、肛門裂傷と診断された女性は、処置が一歩遅ければ命を落とす恐れもあったとのことです。そして全治に4ヶ月を要したうえ、人工肛門の装着を余儀なくされています。術後40%の確率で死亡する可能性があるという、危険な手術も受けざるを得ませんでした。
バッキービジュアルプランニングが制作した狂気の作品たち
バッキー制作のアダルトビデオは、『セックス・オン・ザ・ドラッグ』『ガチ拉致』『レイプレイプレイプ』など、どれもこれもタイトルからして狂気じみており、内容のおぞましさがうかがえます。しかも、それらは「ガチンコ撮影」などと称して、演出なしで撮られたものだったというので、被害者の苦痛、恐怖たるや想像を絶するものです。
数あるタイトルの中でも、事件において特に問題視され、刑事事件として取り沙汰されたのが『問答無用・強制子宮破壊』シリーズと『水地獄・一丁目』という作品でした。非道に満ちたその内容を紹介します。
演出なしの暴力映像『問答無用・強制子宮破壊』シリーズ
2003年から2005年にかけて20本のタイトルが発売されたシリーズです。カメラは女優が契約書にサインするところから回り始めます。迫真のレイプ描写を撮影するために、彼女たちにはその内容をライトなSM程度のものだと思い込ませていました。そして、契約が完了した瞬間にスタッフはその態度を豹変させ、集団レイプを始めるのです。
さらに、ひとしきり凌辱シーンを撮影し終わっても、女優を安堵させることはありません。さらなる乱暴行為が続けられ、恐怖や苦痛に泣き叫ぶ女性の姿が映されます。
バッキー事件で取り沙汰された問題のシーン
シリーズのどの作品においても、女性が顔や腹を何度も平手打ちされたり、髪の毛を掴まれて引き回されている様子は珍しくありません。
先に紹介したような、浴槽や便器に水をためて、女性の顔を沈める様子、そして、ロートを使って強制飲酒をさせた挙句、女性を意識不明にさせる様子も、このシリーズの作品内に映されているものです。また、中には恐怖のあまりスタジオから裸で逃げ出した女性が、警察から職務質問を受けている様子まで撮影されたものもあります。
続編制作が中止となった『水地獄・一丁目』
『問答無用・強制子宮破壊』シリーズにおいて、水責めのシーンが好評だったために制作されたタイトルです。2004年11月から発売されています。その内容は、前半では普通の性行為が映されていますが、後半はプールや水槽で女優を溺れさせ、彼女が水や胃液を吐き出して苦しむ姿が映されているというものです。
この作品はシリーズ化する予定だったため、2作目の制作が開始されていました。しかし、その撮影に際して、12時間にも渡って女性を暴行した挙句、重傷を負わせたため、企画中止となります。
バッキー事件を起こした犯人たち
人を人とも思わない鬼畜の所業は、会社ぐるみで繰り返されていました。そのためバッキーの社長である栗山龍が主犯として逮捕されたほか、加害者のほとんどがバッキーに深く関わる人物たちでした。彼らの仕事はもはや、アダルトビデオを作ることではなく、単に女性を痛めつけることだったと言っても、過言ではないでしょう。
そんな、バッキー事件を引き起こした、犯人たちを紹介していきましょう。まともな人間性を持ち合わせていないと痛烈に批判されている、彼らの人物像をうかがい知ることができます。とくに、主犯格である栗山に関しては、根っからの危険人物であることを明らかにするエピソードがあります。
バッキー事件の犯人①主犯は社長の栗山龍(栗山竜)
栗山龍はバッキービジュアルプランニングの創業者であり代表取締役だった男です。バッキー事件においては首謀者とされました。本名は栗山竜。逮捕当時の年齢は40歳です。業界では鬼畜モノアダルトビデオのカリスマと呼ばれ、その名を轟かせていました。50億円以上の年収を稼いでいたと豪語しており、資産家、実業家としても知られています。
根っからのサディストで異常性癖の持ち主です。そのことは、幼いころから猫を殺すことに快感を覚え、趣味としていたというエピソード一つ取っても、十分にうかがい知ることができるでしょう。挙句の果てには、既成のハード系アダルトビデオを見るだけでは飽き足らなくなり、自身で制作会社を立ち上げるに至ったわけです。
猫を殺すのが趣味という異常な趣向
嗜虐的な性癖を持つ栗山は、猫殺しという残虐な趣味を持っていることを公言していました。捨て猫を拾ったり、仔猫を買い取ってから、それらを水に沈めて溺死させたり、車で轢き殺したりしていたのです。「猫を殺すとゾクゾクする」このように語っていたと言います。しかも、彼が幼いころから、この残虐な趣味は続けられていたそうです。
ちなみに、猫殺しなど動物虐待を繰り返している人物は、大量殺人など重大な事件を引き起こす犯人になりやすいと、世界各国から報告されています。池田小児童殺傷事件や、神戸連続児童殺傷事件の犯人も猫殺しを行っていました。殺人事件ではないものの、バッキー事件という悲惨な事件を引き起こした栗山も、その一例となったと言えるでしょう。
自分が満足するためにバッキーを設立した
猫を殺して楽しむほどの嗜虐趣味を持つ栗山は、SM好きでもあり、アダルトビデオについてもその手のジャンルを好んで見ていました。ところが、それまでに販売されているビデオでは、どんなにハードなものでも物足りなくなったと彼は言います。バッキービジュアルプランニング設立の一番の目的は、栗山の性的欲求を満足させることだったのです。
深刻な被害が生まれた理由はそこにあるとも言えます。単に営利目的の撮影であったなら、社会通念や安全性が考慮され、どこかの段階で歯止めがかかった可能性があるでしょう。しかし、バッキーによるAV制作の本質が、彼個人の性的欲求に基づいているのだとしたら、後先考えず、行動がエスカレートしたとしてもおかしくはありません。
SMクラブなども経営し自称年収50億
栗山は実業家としての才覚もあったようで、アダルトビデオメーカーを起業した他に、「クラリス」という名のSMクラブも経営していました。経営コンサルタント業も手掛け、数々の企業を顧客としていたと言われています。また、90年代に普及した「ダイヤルQ2」という通信サービスを利用した事業で大成功し、多額の資金を調達したようです。
それらによる収入は年間で50億円に達していたと自称しており、その裕福な暮らしぶりは、週刊誌などにも取り上げられました。彼が2枚持つアメックスセンチュリオンというクレジットカードは、ゴールドカードの上をいく最高ランクのものです。また、世界に7台しかない限定生産のフェラーリなど、高級車を17台も所有していました。
バッキー事件の犯人②監督・ハリケーン三郎(濱田太平洋)
ハリケーン三郎は撮影の監督であり、現場責任者でした。本名は濱田太平洋。逮捕時の年齢は26歳です。ボクシングやキックボクシングの経験があり、過去にはプロとしても活動しています。バッキー事件で逮捕状が出た際には、ネット上で逃亡することを宣言しました。その言葉通り、4ヶ月近く行方をくらませましたが、敢え無く逮捕されています。
彼が逮捕されるのはこれが初めてではありません。2003年9月7日の朝、ハリケーン三郎は人通りの盛んな渋谷センター街の路上で、女優と男優にハレンチ行為をさせ、それを撮影していました。周囲にはすぐに人だかりができましたが、それを不審に思った警察が駆け付け、彼らは公然わいせつ罪で現行犯逮捕されたのです。
バッキー事件の犯人③専属カメラマン・椎葉(坂場三紀夫)
椎葉(C-BAとも呼ばれる)は、当時38歳のバッキー専属カメラマンです。本名は坂場三紀夫。覚せい剤取締法違反などにより3犯に及ぶ前科を持っていました。「女優には指一本触れていない」「打ち合わせにも参加していない」などと主張し、同罪で立件されることに対して不服を申し立ていたということです。
現在は「abcDAYs」というクリエーター集団に所属し、ライターやコラムニストとして活動しています。得意分野は犯罪やアウトロー、ドラッグなどだそうです。晋遊舎の「VAMP」や芸文社の「ケンガイ」といった多数の雑誌でコラムの執筆を担当しています。
バッキー事件の犯人④映像編集ライター・猫屋陽平(岩崎悟)
猫屋陽平は映像の編集に携わっていた、当時28歳の人物です。本名は岩崎悟。早稲田大学第一文学部卒業という学歴と、舟橋聖一顕彰青年文学賞受賞という経歴の持ち主ですが、借金返済のためにバッキーで働いていました。現在は名前を変えてフリーライターや脚本の仕事をしているそうです。彼も「abcDAYs」に所属しています。
犯行への直接的な関与はなかったとして逮捕には至りませんでしたが、彼もカメラマンとして現場に立っていたことが判明しています。また、後に事件の回想記をネット上に投稿しました。そのほか、2ちゃんねるやバッキー事件関連のブログなど出現し、加害者を擁護するようなコメントをしたことで、大きな反感を買っています。
バッキー事件の犯人⑤男優・パンティー仮面(中村件臣)
事件当時32歳だったパンティー仮面こと中村件臣も、前科を持っていました。2004年1月に、アルバイトとしてAVに出演した男性を、暴行したうえで拉致監禁したのです。逮捕・起訴された彼は、懲役2年執行猶予4年の刑に処せられていました。それが元で一度はバッキーから解雇されましたが、2年後には引き戻されたそうです。
一方で、監督のハリケーン三郎こと濱田太平洋の弟子とも言われており、AV監督や制作会社の代表という顔も持っています。バッキー事件においては、『水地獄』の撮影に参加。出演女優に対して水責めなどの暴力行為を加え、傷害を負わせた実行犯として、逮捕されました。前の事件の執行猶予期間中のことです。
バッキー事件の犯人⑥男優・ジャニーズ光太郎(矢野光太郎)
パンティー仮面こと中村件臣の誘いを受けてバッキーに入社した当時29歳のAV男優です。元ホストであり、イケメン男優として知られていました。2006年6月にバッキーに入社し、『子宮破壊』シリーズや『水地獄』を含める数々の作品に出演しています。バッキー関係者の中では珍しく自分の責任を認め、反省する態度を示したそうです。
しかし、彼の異常性もまた、映像を見れば明らかです。女優を急性アルコール中毒にさせた撮影では、ロートを用いて積極的に飲酒を強制し、「飲まないと殺す」と脅しています。さらには「ごめんなさい」と繰り返す女性に殴るけるの暴行を加え、床にこぼれた焼酎を吸わせる姿も、ビデオには残されていました。
バッキー事件の犯人⑦男優・サモハンチンポー(神谷聡一)
サモハンチンポーこと神谷聡一は、当時37歳の男優です。肥満体型で、腹部に手術痕があり、壊疽により指を一本欠損しているのが特徴。一部の作品では、撮影役も務めていたとのことです。関西出身の元チンピラで、作品内では強姦や暴力に加わるほか、女優に罵声を浴びせたり脅したりする役にも回っていました。
強制飲酒の撮影においては、ジャニーズ光太郎と代わる代わる女優に暴行を加えている姿が、ビデオに映されています。逮捕されてしばらくはしおらしくしていたそうですが、その後は終始ふてぶてしい態度を崩さず、裁判における心象も非常に悪いものだったとのことです。
バッキー事件の犯人⑧女優・きえねぇ(中原紀恵)
きえねぇは事件当時33歳だったAV女優です。本名は中原紀恵で、以前はバッキーの広報を担当していました。真偽のほどは定かではありませんが、夫が黒人であると自称していたそうです。
バッキーの作品には被害者の女性を虐待する役に回っていた女優が2人出演しており、「お仕置きシスターズ」と呼ばれていましたが、彼女はそのうちの一人で「黒デブ」とも呼ばれていました。公判中、撮影に参加した動機について、「お金がなかったため」と語っています。
バッキー事件の犯人⑨女優・ようこ(大村恵美)
ようここと大村恵美は、「お仕置きシスターズ」として出演したもう一人の女優で「白デブ」とも呼ばれていました。逮捕時の年齢は23歳です。AV女優になる前は風俗嬢をしており、それ以前には恐喝などの容疑で少年院に入っていた過去があります。
さも楽し気に女性をいじめる様子が、ビデオに残されていましたが、裁判に際しては「自分は途中までしか参加していない」と釈明したり、被害者に示談金を提示したりと、減刑に必死だったようです。
バッキー事件の犯人⑩バッキーが募った素人男優たち
バッキービジュアルプランニングは同社の製品を購入した男性の中から、AVの撮影に参加してみたいという希望者を募って「監禁友の会」という名のグループを作っています。その人数は、100名近く集まった作品もあり、この会への参加を契機に、監督やスタッフになったという人物もいました。彼らも、撮影上で行われた集団レイプの加害者です。
貴男も、一人の女性が、人格と、子宮をつぶされていく光景を目撃しませんか? 否、その鬼畜な行為に参加しませんか?(出典:「監禁友の会」とは何か? – バキノート)
これは「監禁友の会」のメンバー募集時に用いられた文言ですが、恐ろしいことに、実際の撮影現場では、この言葉通りの所業が行われていたのです。被害者女性たちは、「監禁友の会」へ参加した人間に対する処罰も求めています。しかし残念ながら、彼らが刑事罰の対象になることはありませんでした。
バッキー事件はなぜ起きた?卑劣な手口とは
バッキービジュアルプランニングによる一連の違法撮影によって、数多くの女性が被害を受けています。その中には、普段アダルトビデオには出演しないモデルや一般の女性も含まれていました。彼女たちはなぜ、どのようにして、この滅茶苦茶な撮影に参加させられたのでしょうか。そこには制作スタッフによる非道卑劣な手口があったのです。
バッキー事件の手口①被害者はスカウト・勧誘された
彼らは街を歩いている女性を捕まえて、「モデルをしてみない?」などと、嘘の口実で事務所に誘い込み、言葉巧みに出演契約を結ばせるのです。その後、恫喝や脅迫を用いて、強制的にアダルトビデオの撮影に参加させます。スカウトして首を縦に振るや否や、拉致同然にロケバスで連れ去り、有無を言わさず撮影に入るということもあったとそうです。
女優やモデルの事務所との癒着も取り沙汰されました。仕事がもらえなくなった所属タレントが、売られるようにバッキーのアダルトビデオに出演させらていたとのことです。事務所側はその撮影内容がどんなに酷なものか知っていましたが、送り出す女優たちには、あえてそのことを黙っていたといいます。
バッキー事件の手口②撮影を拒めば裸の写真で脅迫
撮影を拒む女性を、強制的に出演させる手段も用意されていました。まず、本番に入る前に、刺青がないかのチェックだとして女性の裸を撮影するのです。そうしたうえで、出演を強要します。断ればたった今撮影した、裸の画像をばら撒くと脅すという手口です。
グラビアモデルになれると思って、バッキーの誘いに乗った一般女性たちは、このようにして悲惨な撮影に参加させられました。他にも、モデルの仕事だと騙し、AVへの出演に同意する契約書にサインさせ、撮影を断ったら「莫大な違約金が発生する」「親に請求する」などと脅迫するという方法も常套手段でした。
バッキー事件の手口③社長・栗山龍も撮影に参加
栗山龍は制作会社の経営者であるにもかかわらず、自ら現場に同席し、撮影に参加していました。「女性の人格を壊してやろう」このように豪語する本人の声が、動画の中に残されています。暴力的な撮影が、彼の指示のもと行われていたのは明白です。また、その異常な人間性が、発露した瞬間とも言えるでしょう。