ドチザメってどんなサメ?
浅い海の海底付近を泳いでいますが、遊泳力は高くなく頻繁に海底で休んでいる姿を見ることができます。昼間のダイビング中では、ドチザメは穴の中で数匹~数十匹と寝ていることが多いです。比較的おとなしく、あまり動き回らないですが、穴にライトをあてると、驚いて飛び出してくるのでダイバーは衝突に注意しましょう。
とっても身近なサメ
日本の温帯の海では、ドチザメがよく見られます。漁業の対象にはならないですが、刺し網や定置網で混獲されることがあります。比較的水深の浅い海や海底を好み、岩礁域などにも現れます。
人は襲わないおとなしいサメ
全国各地の水族館で飼育されています。一部の水族館では、子供や家族連れがドチザメに触れるなどで人気です。性格がおとなしく飼育がしやすいため、水族館だけではなく、個人でも水槽で飼うこともできます。
人気のベイシャーク
ガイドして貰える遊漁船がありますが、海釣り施設や堤防、陸っぱりからも狙うことができます。夜釣りが望ましいですが、昼間でも釣ることができます。注意点として、ドチザメにダメージを与えないようにベイシャークを楽しみましょう。
ドチザメの基礎知識
メジロザメ目ドチザメ科ドチザメ属のサメの仲間です。地方名には、カタチキ、モダヌがあります。背部体色は、灰色か黒色で、腹部は白いです。横縞模様があり、全身に暗色斑点が散在しています。頭部には、短いヒゲが2本あり、口元にはシワがあります。
ドチザメの生息地
ドチザメは、日本近海から東シナ海(北海道南部から南日本)までに分布しており、他の種と違って、内湾や沿岸の砂泥底や浅い海の底に生息しています。生息環境が変わりやすい場所に住んでいるので、変化に強く飼育がしやすく、水族館でも見ることができます。
ドチザメの生態
体長は約90cmで、全長約150cmまで成長します。胎盤を持っていない卵胎生です。初夏に交尾して、半年以上メスは体内に卵を抱えています。ドチザメは、1度の出産で20尾以上の子供を産みます。生息地の環境によって、色彩変異が見られます。
ドチザメの習性や食性
群れを作ることがほとんどなく、単独行動をします。肉食性で、海底近くの小魚・甲殻類、無脊椎動物を食べます。夜行性で、夜間に餌を探して捕食して、日中は穴などで10匹以上集まって休みます。
ドチザメの特徴を解説
おとなしい可愛い顔をしていて人気があります。釣りでは、引きが非常に強く、サメの噛む力もありますので、おとなしい性格ですが、触る場合は、注意が必要です。
ホシザメとの違い
ドチザメに似ているサメとして、ホシザメがいます。水族館では、同じ水槽で泳いでいることが多いです。背中の星で見分けます。星のような斑点がホシザメにはあります。
ドチザメは卵を産まない
卵を産まず、メスが卵を体内でかかえて、孵化して、胎内で育てる卵胎生です。サメのほとんどは、胎生ですが、日本には卵生のサメも生息しています。
メスだけで出産した?ドチザメの謎
2016年5月に、富山県魚津水族館ではドチザメの2匹の赤ちゃんが産まれました。水槽には、メスの成体3匹し飼育されておらず、交尾をしないで、メスが卵だけで子どもを作る単為生殖の可能性があると言われています。
ドチザメは食べられる?
サメはアンモニア臭がしてほとんど肉を食べることができないので、サメの卵であるキャビア、鰭(ヒレ)の部分であるフカヒレを食べることが多いですが、ドチザメは卵を産まないですが美味しく食べれる貴重なサメとして有名です。
刺身でも食べられるサメ
刺身で食べることができますが、早く処理することが大事です。血合いだけでも先に抜いておきましょう。内臓まで取って処理しておくか、クエン酸でアンモニアを中和するなどオススメです。
白身は真鯛に似てる?
見た目が真鯛に似て、肉厚の白身です。唐揚げやフライにすると美味しく食べることができます。唐揚げなら、下味でニンニクや醤油にしみこませると鶏肉に近い食感も出ます。淡泊であるため、美味しい味付けができて、いろんな味の唐揚げもできます。
ドチザメ料理を解説
サメは、スポーツフィッシングでは基本的にキャッチ&リリースします。また、ドチザメ1匹でも、身が多いので食べきれないほどの量があります。スポーツフィッシングの場合は、できるだけ、ダメージを与えないように釣りをしましょう。
実はおいしい料理の種類
漬け丼、照り焼き、塩焼き、アラ煮、ステーキ、新鮮な刺身、卵でとじてカツ丼でも美味しいです。肉は背中側に引き締まっていて、腹部はゼラチン質で柔らかく、骨は軟骨なので、骨を取らず包丁で簡単に捌けます。
ドチザメのフライ
白身は、フライ料理との相性が良いです。塩こしょうで味付けして、揚げるだけで、いつもの白身魚のフライのようです。ソースは、タルタルソースなどがオススメです。
ドチザメの刺身
釣った時の新鮮なときに食べることができます。刺身だけではなく、余った刺身で漬け丼も美味しいです。炊きたてのご飯と食べても絶品です。わさびや醤油、大根おろしなどの薬味で刺身が美味しくなります。
ドチザメの塩焼き
塩焼きは、シンプルに塩で味付けして、焼くだけですので、炊きたてのご飯と味噌汁で、定食メニューにすると美味しい料理です。湯引きする場合は、塩を多めに入れて塩気を効かせましょう。
さばくのは簡単?調理方法を紹介
ドチザメの調理方法ですが、下ごしらえは、ヒレを落として、頭を落として、内臓を取り、皮を剥いでから、身を捌きます。ドチザメのヒレはフカヒレにもできますが、かなり手間がかかります。興味ある方は、ドチザメの鰭でフカヒレも作ってみましょう。
- まず最初にドチザメのヒレ(フカヒレ部分)を切ります。
- 皮を剥ぐために、首あたりに切り込みます。皮は固いので力がいるので出刃包丁が必要です。
- たて方向にも、皮が固いので刃を立てて切り込みを入れます。
- 横にも一本線を入れることで皮が剥ぎやすいです。
- 包丁で、身と皮の間に切り込みを入れて皮を剥ぎます。
- 尾ひれを切り落とします。
- 頭を切り落とします。
- 内臓部分も切り落として、水洗いして、三枚おろしにします。
匂いに注意!!調理の注意点
ドチザメは、アンモニアの匂いがでやすいサメ科では、匂いが控えめですが、内臓さえ綺麗に取り除くことができれば、アンモニア臭をほぼ感じることがないサメです。サメは体内に尿素を溜め込むので、死んでから時間が経ったドチザメでもアンモニア臭が強くなることもあります。当日中に処理しましょう。
ドチザメの入手方法
漁獲対象ではないので、混獲されることはありますが、販売されることはありません。味はクセがなく、美味しいと釣り人では人気がありますが、市場で入手する機会はあまりないです。
お店で買える?
先ほど記述した通り、一般的には、スーパーマーケットや市場にドチザメは、ほとんど出回ることがないです。鑑賞用として、海水魚専用ペットショップで販売されていることもあります。幼体は、2,500円~5,000円ほど。成体は。10,000円~15,000円で販売されていますが、取り寄せ販売がほとんどです。
ネットで買える?
ネット販売で、漁師さん直送や、魚介類を売っているサイトで、購入することができますが、ドチザメが流通することが少ないので、捕まえることをオススメします。
釣って捕まえよう
日本各地の沿岸などに、ドチザメは身近に住んでいますので、堤防や磯などで釣って捕まえることができます。入手するなら、釣ることがベストです。新鮮なドチザメは、刺身にすることができます。
ドチザメ釣りを紹介
切れないライン、折れないロッドなど丈夫な仕掛けを使用しましょう。ドチザメは、夜行性ですが、日中でも釣ることができます。夜釣りの場合は、エイやアナゴも釣れます。
ドチザメの釣れる場所
東京湾のベイシャーク釣り(ドチザメ釣り)が人気です。近海の浅い海や堤防からベイシャーク釣りができます。東京湾では、ドチザメとホシザメ(ホシザメも食べることができます)が狙えます。
ドチザメの釣れる時間
夜行性ですが、時間は、昼夜関係なく釣れます。時期は、1年中狙うことができます。ドチザメは、最盛期が秋から初冬。真夏は食いつきが悪く、エイはよく釣れます。
ドチザメ釣りの仕掛け
釣りは丈夫な仕掛けを用意するため、シイラやクエの大物釣りを参考にします。道糸の先端に、中通しの重りを通します。次にサルカンを通して、ハリスを取り付けます。一つ一つの仕掛けを太く、強度をもつように作ります。
ドチザメ釣りを動画で紹介
こちらの動画は夜釣りです。ぶっこみ仕掛けです。PE8号、ジェット天秤15号、ムツ針20号のハリス18号です。ハリス短めです。釣り餌は、スーパーの青魚いわしを使用しています。余ったいわしで、カニ網の仕掛けをしています。釣りから、料理まで観ることができます。
ドチザメ釣りのタックルを紹介
ドチザメは、150cmに達する個体がいるため、またサメであり引きも非常に強いので、ここでは、ドチザメ釣りのタックル選びをご紹介します。全国のドチザメ平均サイズは、55cmです。強くて丈夫なタックルが必要です。強めのボートシーバス~シイラタックルなどのスピニングタックルがオススメです。
折れない強いロッドを
強いロッドでないと、サメでは簡単に折れます。ドチザメを釣った人は、雷魚ロッドとヒラマサロッド、タマン竿などを使用していました。シイラ用のロッドを参考にしてみましょう。長さは、6~8ftです。