そもそも食中毒とはどのようなものか確認しよう
細菌性の食中毒にかかる人は多い時期は気温が高い6月~9月です。ウイルス性は(ノロウイルスなど)冬季に非常に多いです。毒魚やキノコなどにも食中毒の原因となる有害な物質が含まれています。
食中毒とは
食物が原因で消化器に問題が起きることです。起因は自然毒食中毒(フグ毒など)、ウイルス性食中毒(E型肝炎など)、細菌性食中毒、化学性食中毒、寄生虫性(アニサキス)食中毒などにカテゴリーされます。
食中毒の原因
細菌性食中毒は生の魚介類が原因(サルモネラ菌や腸炎ビブリオ、カンピロバクターなど)、ウイルス性食中毒では加熱不足の肉などが原因(E型肝炎ウイルス、ノロウイルスなど)、自然毒食中毒では魚類が原因(フグや貝類のポイズンを持つ生き物)、化学性食中毒では化学物質(洗剤や農薬など)が原因です。
食中毒の原因サルモネラ菌とは?
原因となるサルモネラ菌の潜伏は人や家畜などの腸内に、河川や下水などの自然界にもサルモネラ菌は広く分布しています。ペットでは犬、猫などです。ハエ、ゴキブリにも注意が必要です。
サルモネラ菌について解説します
サルモネラ菌の特徴は微量でも食中毒を発症し、乾燥に強い耐性があることです。症状は発熱、腹痛、吐き気、下痢であり、致死率は0.2〜0.5%です。潜伏期間は6~72時間です。
その他の食中毒の原因を紹介
大阪でもうなぎの食中毒事件が発生しました。食中毒の原因は細菌性の化膿菌といわれる黄色ブドウ球菌でした。手荒れや化膿していた手指からの汚染です。
うなぎには毒がある
魚介類には毒を持つ生き物がいます。食中毒だけではなく、刺毒や粘液に毒を持つものもいます。うなぎには粘液があります。粘液を出す魚にはうろこがない魚が多く、粘液は体液の調整をしてくれます。
うなぎの血には毒がある
ウナギ目の種族(うなぎ、あなご、うつぼ、はも等)の血には、イクチオヘモトキシンというタンパク質の毒が含まれています。血液を飲んだ場合は、下痢、嘔吐、チアノーゼ、不整脈、麻痺、呼吸困難など引き起こし、最悪のケースでは死亡します。
うなぎの粘液には毒がある
血液だけではなく、粘液にも含まれています。粘液とはヌルヌルのことです。うなぎを掴む機会があれば、手を必ず手を洗いましょう。毒が口に入ったら、下痢や吐き気の中毒症状、目に入ると結膜炎などが起きます。
毒のあるうなぎを食べても平気なのは何故?
うなぎの毒液はタンパク質系なので加熱すると無毒化します。タンパク質の毒は60度5分以上加熱でその毒性は絶えます。加熱処理を満遍なくすれば、食中毒の症状を起こすことを防げます。
うなぎの毒は調理中にも注意が必要
うなぎを捌いている間に、血が口に入ると粘膜が腫れたり、粘液が傷口があれば炎症や化膿したり、目には入ると結膜炎や最悪失明の危険があります。釣りなどで生きたうなぎを釣った場合は知らずに手で触ったり、血が口に入ると危険です。必ず傷口があれば手袋をしましょう。
うなぎが原因の食中毒の可能性はあるのか?
ご存じと思いますが、うなぎには「おつくり(刺身)」などがないです。生血に害毒を含有しているから危険です。うなぎが誘因で食中毒になる見込みは加熱処理を施した後はありえませんが、加熱する前では中毒症状を起こす場合があります。
うなぎによる食中毒の事例をみてみよう
この事例は、土用の丑の日にうなぎの蒲焼きを食べる風習が広まったのが起点です。うなぎには、疲労回復や食欲増進の作用があり、夏はうなぎで栄養を摂るには最適な食材です。そのうなぎによる食中毒が生じましたので実例をみてみましょう。
愛媛でうなぎの蒲焼きで食中毒が発生
平成30年7月に愛媛の農業協同組合運営する鮮魚コーナーで、土用の丑の日の忙しい時期に調理・販売されたうなぎの蒲焼きによる集団食中毒が発生しました。食中毒の原因はサルモネラ菌によるものでした。
愛媛でのうなぎの食中毒の原因を考える
食中毒は命に影響を及ぼすこともあります。防止する手段は衛生管理を徹底することです。愛媛では土用の丑の日という繁忙期でもあり、発症者数は194名、入院者数は23名、重症者が1名の集団食中毒事件が発生しました。
何故?加熱処理をしたのに食中毒になった?
事件の原因となったサルモネラ菌は75度で1分以上熱することで死滅します。そのため、加熱処理をしている蒲焼き自体に問題があるわけではなかったのです。実は、うなぎの蒲焼きの加熱後に魚に細菌が付着して汚染してしまったことが原因だったようです。
原因はうなぎではなかった
食中毒は「そもそも生のうなぎを触った人が、焼き上げたうなぎに汚染した手や手袋で接触した」こと、「ナマのうなぎを取り扱う人の手袋と他の担当の人の使用済の手袋を、一緒に洗った」ことが原因と見られています。
この事件の反省を生かし、生のうなぎに限らず生の魚に触れた場合には、調理済みのうなぎの蒲焼きや料理に接触しないなど、調理器具や手袋を使い分けることが必要です。