魚のさばき方は意外と簡単!
魚のさばき方は難しいと思われがちですが、ポイントを理解して、訓練することで、簡単に魚の種類ごとにさばき方をマスターできます。この機会に覚えてみましょう!
基本的な魚のおろし方
魚は大きさや種類によって魚のおろし方が変わります。二枚おろしとは中骨のありと中骨なしの身の2枚ができます。それ以外のおろしかたをご紹介します。
魚のおろし方での注意点
魚をさばく道具や魚の管理について注意点を説明します。料理をするときは、包丁で怪我をしないように気をつけましょう。大量にさばくときでも包丁に力を入れすぎないようにしましょう。
切れる包丁を使う
切りにくい包丁は、魚をバラしにくいだけではなく、見た目が悪く、鮮度も落ちてしまうので、包丁の刃の状態を見てから、必要なら包丁を研いでから料理しましょう。
新鮮なうちにさばくのがおすすめ
魚の鮮度が良いほど、身が固くひきしまっています。新鮮な魚をすぐに調理できない場合は冷蔵庫で冷やしてから魚をさばきましょう。鮮度が落ちると、身が柔らかく、初めての場合では、おろしにくくなります。
実際に魚をさばいてみる
新鮮な魚もしくは、冷やした魚を用意しましょう。初心者の方は、よく冷やした魚の方がさばきやすいかもしれないです。魚のさばき方の手順は、魚の表面のウロコや汚れを取り、頭を落として、内臓を綺麗に取り除きます。
三枚に切り分ける時に背骨に沿わせておろしますが、身がかなり残る場合は何回か練習を重ねることで薄く切れるようになります。包丁を入れる角度や力加減のコツをで綺麗に切れます。中骨を取るときは、身を持ち上げて曲げて、骨を出すことで抜きやすくなります。皮を引くときは、力加減のコツを掴むことが必要です。
包丁の切り方の種類
魚のさばき方に入る前に、包丁の切り方を説明します。包丁の切り方には、素材によって「押す」「引く」の切り方を使い分けています。肉や野菜は「押し切り」ですが、魚や刺身、柔らかい肉は「引き切り」が切りやすいです。
切り方が違うのはどうして?押し切り
包丁の切り方の使い分けは、素材の繊維を潰さずに旨みを逃がさないようにすることが大切です。切り方や持ち方を安全に包丁を使うことで、食材をさばくのも早くなります。さらに扱う食材によって、包丁を変えると切りやすくなります。
押し切り
肉や野菜などを切る時に使用する切り方です。無理に力を入れずに、包丁の重さと包丁の刃の長さ全体を利用して、包丁を反対側まで食材を押し切ります。
引き切り
魚や刺身、柔らかい肉など切る時に使用する切り方です。包丁の刃の根元から刃先全体を利用して、食材を引き切りします。刺身包丁は長い和包丁ですが、刺身は魚の繊維と美味しさを保つために、1回で切り終わるように刃渡りが長いのです。
魚のさばき方を解説!
スーパーマーケットで一匹丸ごと売られている魚の6種類のさばき方を動画を交えて詳しく解説します。切り身や調理済みを購入している人は、どう魚をさばいているのか参考にしてください。
マダイのさばき方
マダイの捌き方は三枚おろしが基本です。マダイはヒレをエラにしまって、ウロコを取ります。動画では三枚おろしですが、最後に中骨を削るために、背身2節、腹身2節に切り分けています。
頭と内臓を取り除く
エラを開いて包丁を入れて、エラ先を切り、カマ下から包丁を入れ、エラと一緒に内臓を取り除き洗って水気を取ります。胸ビレ腹ビレが頭側につくように中骨をきり、裏返し、同様にして包丁を入れて頭を切り落とします。
両面同じようにさばく
腹から中骨に沿って切り込みを尾の手前まで入れます。中骨に沿って切り、片方の身を取ります。裏返し、さっきと同様にもう片面をさばきます。三枚おろしでは、中骨を削りませんが、料理の必要に応じて中骨を取ります。
マダイの旬と料理
旬は2月~4月です。体長40~50cm、重さ2kg。身が厚いマダイを選びましょう。新鮮な真鯛は目が澄んでいます。料理は、塩焼き、スープ、アラ汁、あら煮、頭焼き、から揚げ、鯛飯、刺身など、食べることができます。
イワシのさばき方
動画を確認しながら、イワシの手開きをしてみましょう。頭の付け根に親指を押し入れて、頭を折って内臓を一緒に取ります。マダイと同様に洗います。
手で開く
中骨に沿って身と中骨を全て手で分けます。尾側の中骨を掴んで、腹に向かって剥がします。イワシを裏返しにして、口に入れると食感が悪くなる背ビレをここで剥がしておきます。包丁ではなく、手で行うので、ヒレなどに注意しましょう。中には雑菌で腫れる可能性があります。
イワシの旬と料理
旬は6月~10月です。マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシなどがいます。鮮度が良いイワシは目が黒く身が厚いものを選びましょう。料理は、刺身、甘露煮、フライ、煮付け、すり身、ムニエルなどが美味しいです。
サバのさばき方
鯖の三枚おろしです。サバはアニサキスが寄生している可能性があるので、内臓を先に取り除きましょう。ウロコやヌメリは、包丁で落とします。
三枚おろし
腹から中骨に沿って包丁を入れて、背から中骨に沿って包丁をいれます。尾に包丁を入れ中骨に沿って包丁を切り下げ片身を剥がし、裏返して、背中から中骨に沿って包丁を入れます。尾に包丁を入れて中骨に沿って包丁を頭の方に切り下げ片身を剥がします。
サバの旬と料理
旬は10月~12月です。鮮度の良いサバは、体に張りがあって、目が澄んでいて、エラが鮮紅色です。ピンクや茶色は鮮度が落ちています。料理は、刺身(アニサキスの危険があります。)、煮物、焼き魚、塩焼き、味噌焼き、ムニエル、グリルなどで調理法は豊富です。
キンメダイのさばき方
キンメダイの捌き方は、タイと同じでで三枚おろしです。ウロコ、エラ~内臓を一緒に離し頭を切り落とします。捌き方は、両面同じです。キンメダイは深場の魚で美味です。人気が高く、アラから美味しいダシも取れます。
ウロコに注意
ウロコが細部に残りやすいので専用機で取り除きましょう。包丁は三枚おろしで、腹から中骨、尾の手前に入れます。反対側は背から中骨に沿って包丁を入れて、腹から中骨の片身を取ります。アラにする場合は、頭を二つにきります。
キンメダイの旬と料理
旬は12月~2月ですが、名産地で異なります。静岡県のキンメダイは12月~2月、千葉県のキンメダイは3月~5月、高知県のキンメダイは7月~9月です。鮮度の良いキンメダイは大きいほど旨みがあり、金色に輝くような目をしています。料理は、刺身、カルパッチョ、干物、煮付け、アラからだし汁がでます。
鮎(アユ)の串打ちの動画
アユの肛門からフンを絞り出します。力が強すぎると内臓が出ますので注意しましょう。アユは天然と養殖では食べ物が違うので香りが違います。アユを釣ったら串打ちをしてみましょう。
串打ち
まずヌメリを取ります。目から串を刺して、尾ビレの手前に出します。胸ビレ腹ビレ尾ビレ尻ビレ背びれに塩をまぶします。アユと串の間に竹串を通して添え串を打ちます。両面に塩を振ります。このまま焼いて塩焼きにすると美味しいです。
アユの旬と料理
旬は6月~8月です。天然のアユは独特の香りがしますが、養殖では香りはしません。鮮度の良いアユはヌメリがあります。大きなアユより小さなアユが食べ頃です。料理は塩焼き、干物、から揚げ、アユ飯、甘露煮などあります。
メバルのさばき方
両側のウロコ取り、両側から中骨を切るように斜めに包丁を入れて、頭に切れ込みをいれて、尻側から包丁を入れ頭と内臓を一緒に取ります。メバルも両面同じようにさばきます。
ヒレに注意
メバルやカサゴ、オコゼは、取り扱いに気をつけましょう。エラのトゲや背びれのトゲは刺さると腫れる可能性があります。注意しながら、腹から中骨に沿って包丁を入れます。背からも中骨に沿り包丁を入れます。尾に包丁を入れて、中骨に沿って頭側まで切り、片身をはがします。
メバルの旬と料理
旬は3月~5月です。脂のりがよく味が良いのは17cm~20cmです。鮮度の良いメバルは目が澄んでいて透明感があり、身が厚く、光沢があり、エラの中が赤色なら鮮度がいいです。料理では塩焼き、揚げ物、蒸し料理、刺身、ムニエル、ハーブ焼きにも利用できます。
魚のさばき方① 三枚おろし【一般的な魚】
頭部を除いた上身と下身と中骨の三枚を「三枚おろし」といいます。「アジのさばき方」で三枚おろしをご紹介します。ここでは、三枚おろしの入門的な作業の流れとポイントとを、動画の映像を観ながら説明します。
三枚おろしの基本的な作業の流れは?
動画を観ながら、アジの大名おろしをします。三枚おろしとほとんど変わりません。アジは、たわしでヌメリと汚れを洗い落とします。三枚におろしですが、大名おろしは贅沢に身を残すことから名前がつきました。
ゼイゴは皮の有無で
皮を剥ぐ場合はゼイゴは取りません。腹側、背側両方から中骨まで包丁を入れて切ります。大きめの魚はゼイゴを取りますが、小さいアジでゼイゴが気にならない場合は取らないこともあります。
三枚おろしのポイントは?
上下に魚の向きを入れ替えたり、裏表でも同じ作業を行いますが、力を入れすぎず、細胞を破壊しないように包丁を引いて一度で切りましょう。
ポイント① <さばく順番>
順番に気をつけましょう。順番は、腹から背、背から腹です。三枚おろし以外のさばき方もでも、順番通りにさばくことで手際よく捌くことができます。
ポイント② <包丁の角度>
三枚おろしでも包丁のアングルは大切です。45度から平行に尻尾から頭まで包丁をいれます。直角に入れないようにしましょう。包丁に力をいれすぎないようにしましょう。
ポイント③ <トゲ、ヒレに注意>
背ビレや胸びれなどはバイ菌が多いので指にささらないように気をつけましょう。ウロコを取る最中にもヒレは気にかける必要があります。刺さった場合は、雑菌が化膿してしまいます。悪化した場合は、病院にいきましょう。
ポイント④<ウロコはしっかり取る>
ウロコはしっかり落としましょう。魚によってはウロコが硬くて、包丁で切ることができません。ウロコを付けたままさばいて、身にもウロコがくっつくと、透明なので取りにくくなります。
魚のさばき方② 五枚おろし【ヒラメやカレイ】
ここでは、五枚おろしの基本的な作業の流れとポイントを、動画を交えて解説します。三枚おろしは多くの魚で使われますが、五枚おろしはカレイやヒラメを捌くときに使われます。
五枚おろしの基本的な作業の流れは?
5枚おろしは、身の表面2枚と裏面2枚、中骨1枚の合計5枚です。カレイの種類は日本ではマガレイやマコガレイ、イシガレイなどが生息しています。
内臓を取り除く
動画から、反対側に少し切り込みをいれて、内臓を取り出します。内臓を取り出しておけば保存が利きます。煮付けにするなら、このまま煮込みますが、刺身は続けておろします。エンガワに包丁を入れます。中心から中骨に沿って包丁を入れて身を剥がします。片面も身を剥がします。
五枚おろしのポイントは?
カレイやヒラメで使われます。カレイやヒラメは身は刺身にできて、骨も料理に使用できます。内臓処理で煮込み、刺身にできます。
ポイント① <ヌメリを取る>
5枚おろしをするカレイやヒラメは下ろす前に、新聞紙などで表面のヌメリをしっかり取りましょう。ヒレの際まで、作業が難しいですが、包丁でウロコを両面しっかり取ります。
ポイント② <中央に包丁を入れる>
包丁の最尖端が中骨に突っかかる部位まで切り込みをいれます。真ん中に包丁を入れるさばき方は他の種類でも使われます。
ポイント③ <外側に向かって身を切る>
真ん中に包丁を入れたら、そこから包丁を外側に入れて両側から身を切ります。反対側も同様に身を切り離します。カレイだけではなく、ヒラメでも同様にさばきます。
魚のさばき方③ 背開きその1【アナゴやウナギ】
背開きは魚の頭を落として背中から包丁で開く下処理のことを言います。ここでは、背開きその1の基本的な作業の流れとポイントとを、動画と解説していきます。
背開きその1の基本的な作業の流れは?
動画からも観れるように、滑るため目打ちをします。アイスピックで穴が空きますので、安いまな板を代用しましょう。胸ビレ当たりに包丁を入れますが目打ちしているので、頭をおとしてしまうと意味がないので気をつけて包丁を入れましょう。そてて、背から中骨に沿って包丁を丁寧に滑らせます。
身を突き抜けないように
身が開いたら、内臓を取ります。中骨に沿って尾ビレまで逆さ包丁に持ち替えて切り込みをいれます。中骨と身の間に包丁を入れて中骨を取ります。頭を落として背ビレを切り、開いた身を半分に折って、腹ビレを切り取ります。
背開きその1のポイントは?
ウナギやアナゴはヌメリがあるので、固定をしっかりします。生きたままの場合は暴れるので注意が必要です。魚が細長いので包丁の入れ方に気を配りましょう。
ポイント① <目打ちで固定>
<動画0:18ー0:22>アナゴやウナギは、ヌルヌルとした魚ですので、さばくには目の部位にアイスピックなどで目打ちで固定します。目打ちのポイントは、背を開くので、アナゴの背を利き手に合わせて向けるように設置しましょう。
ポイント② <包丁の入れ方に注意>
<動画0:25ー0:36>アナゴが回らないように手を添えて包丁を背から中骨に沿って滑らせます。内臓の部位に少し入るくらいまで包丁を入れて、腹側に突き抜けないように気をつけましょう。<動画0:45ー0:50>逆さ包丁に切り替えて、中骨にスジをいれます。皮ぎりぎりまで包丁を入れて、皮を切ってしまわないように。
ポイント③ <ヒレのヌメリと臭み>
<動画1:03ー1:18>アナゴのヒレにはヌメリと臭みが残っていますので、切りましょう。料理ばさみでもヒレを切除できますので、ヒレ取りが難しい人は取りやすい方法を選んでください。