PEラインは極細のポリエチレン素材の原糸を4本、8本、12本といった本数で、編み込んで1本の糸にした釣り糸です。伸張性はほとんど期待できませんが、引っ張り強度は3素材のなかでは一番協力です。
それでは、ここまで紹介してきました素材であるナイロン、フロロカーボン、PEの各素材について、道糸として使う際の特徴、メリット、デメリットについて、個別に掘り下げて見ていきましょう。
道糸の素材の種類① ナイロン
ナイロンラインは一般的に広く流通している道糸の代名詞とも言える糸です。ナイロン糸は合成繊維として、釣り用に使われるようになった最初の糸です。ちなみに、ナイロン以前の釣り糸はヤママユガの繭から取れる糸(テグス)が使われていました。
ナイロンラインの特徴
低価格
一般的に広く流通している道糸だけあって、品ぞろえも多種多様であり、品ぞろえに併せて価格もピンからキリまであります。結果として3つの素材の中では、総じて低価格な製品が多く揃っています。
ナイロンラインのメリット
伸張性
3つの素材の中では一番の伸張性があり、糸としての柔軟性も高いです。大物が掛った場合も、糸がいきなり切れることは少なく、じっくり腰を据えて大物を釣り上げることもできます。初心者にとっても扱いやすい素材です。
ナイロンラインのデメリット
劣化問題
ナイロンは素材の特性として水分を吸収しやすいという特性があり、水分による膨張・伸縮で糸にダメージを与えます。また、ナイロンは紫外線に弱いという難点を抱えていますので、3つの素材の中では一番劣化しやすいという問題があります。
道糸の素材の種類② フロロカーボン
ルアーフィッシングの道糸として利用される機会も増えていますが、水中にすぐに沈む、水の中で目立たない、耐摩耗性に優れているという利点から、仕掛けが魚にばれないということで、ハリスとしても広く使われています。
フロロカーボンラインの特徴
光の屈折率が水に近い
フロロカーボンは、水に近い光の屈折率であるため、水中では目立たない糸となっています。フロロカーボンがハリスとして使われることが多い所以は、この水中でも糸が目立たないというところに起因しています。
フロロカーボンラインのメリット
耐摩耗性が高い
フロロカーボンは3つの素材の中で耐摩耗性が一番高くなっています。糸自体が摩擦に強いため、磯の複雑な岩場や防波堤のテトラポットなど、糸が擦れるような突起の多い釣り場などに向いています。
耐久力
フロロカーボンはナイロンと異なり水分の吸収性がほとんどありません。また、紫外線に対しても耐性があり、かつ、耐摩耗性もあるため、フロロカーボンは3つの素材の中でも耐久力がある素材といえます。
フロロカーボンラインのデメリット
巻き癖
フロロカーボンはナイロンよりも伸張性が低く糸にコシがあり、独特の固さをもった糸です。このコシが糸の巻き癖のもととなっており、リール周辺で糸絡みなどのトラブルが発生しやすいです。独特の糸の固さも相まって、初心者向きには適さない道糸です。